米べい 鉄鋼てっこう製品せいひんなどへの輸入ゆにゅう制限せいげん 23日にち午後ごご発動はつどうへ

これによって、鉄鋼てっこうには２に５ご％、アルミニウムには１いち０ぜろ％の高たかい関税かんぜいを課かすことになります。

これについて、ライトハイザー通商つうしょう代表だいひょうは２に２に日にち、議会ぎかい上院じょういんの委員いいん会かいで証言しょうげんし、ＮＡＦＴＡなふた＝北米ほくべい自由じゆう貿易ぼうえき協定きょうていの再さい交渉こうしょうを行おこなっているカナダとメキシコのほか、ＥＵい-ゆ-＝ヨーロッパ連合れんごうやオーストラリア、それに、韓国かんこくなど７ななつの国くにと地域ちいきが、当面とうめん、除外じょがいされるという見通みとおしを示しめしました。

ただ、日本にっぽんについては、除外じょがいのリストに載のっていないと明言めいげんする一方いっぽう、日にち米べい両国りょうこくの間までＦＴＡ＝自由じゆう貿易ぼうえき協定きょうていを締結ていけつすることに意欲いよくを示しめしました。

最大さいだいの標的ひょうてきの中国ちゅうごくだけでなく、日本にっぽんを含ふくむ多おおくの国くにが対象たいしょうとなっていて、各国かっこくは除外じょがいを働はたらきかけていく方針ほうしんですが、明確めいかくな基準きじゅんが示しめされておらず、トランプ政権せいけんの一方いっぽう的てきな姿勢しせいが鮮明せんめいになっています。

一方いっぽう、トランプ政権せいけんは、アメリカ国内こくないで調達ちょうたつが難むずかしい製品せいひんについては、自国じこくの企業きぎょうの求もとめに応おうじて除外じょがいする方針ほうしんで、日本にっぽん企業きぎょうとしてはひとまず製品せいひんごとに除外じょがいを働はたらきかけていくことにしています。

国くにや製品せいひんごとに対象たいしょうから外はずすこと検討けんとう

トランプ政権せいけんは今回こんかいの輸入ゆにゅう制限せいげん措置そちについて、国くにごと、あるいは製品せいひんごとに対象たいしょうから外はずすことを検討けんとうしています。

まず、国くに単位たんいでは、ＮＡＦＴＡなふた＝北米ほくべい自由じゆう貿易ぼうえき協定きょうていの再さい交渉こうしょうを行おこなっているメキシコとカナダのほか、ＥＵい-ゆ-＝ヨーロッパ連合れんごうやオーストラリア、アルゼンチン、ブラジル、それに、韓国かんこくが、当面とうめん、除外じょがいされるという見通みとおしを示しめしています。これについて、ライトハイザー通商つうしょう代表だいひょうは、２に２に日にち、議会ぎかい上院じょういんの委員いいん会かいで、「トランプ大統領だいとうりょうはいくつかの国々くにぐにを除外じょがいすべきだと考かんがえており、関税かんぜいの適用てきようを一時いちじ停止ていしすることを決きめた」と述のべました。

ただ、日本にっぽんについては、除外じょがいのリストに載のっていないと明言めいげんする一方いっぽう、両国りょうこくの間までＦＴＡ＝自由じゆう貿易ぼうえき協定きょうていを締結ていけつすることに意欲いよくを示しめしました。一方いっぽう、製品せいひん単位たんいでは、アメリカ国内こくないで調達ちょうたつが難むずかしいものについては、自国じこくの企業きぎょうの求もとめに応おうじて、除外じょがいする方針ほうしんで、日本にっぽん製品せいひんも対象たいしょうから外はずれる可能かのう性せいがあります。

除外じょがい申請しんせいの受け付うけつけは１いち９きゅう日にちから始はじまっていて、原則げんそくとして、９きゅう０ぜろ日にち以内いないに商務省しょうむしょうが、対象たいしょうから外はずすかどうか判断はんだんするとしていて、日本にっぽんとしてはひとまずこの措置そちによって除外じょがいを働はたらきかけていくことにしています。

米べい鉄鋼てっこうメーカーは輸入ゆにゅう制限せいげんに期待きたい

アメリカの鉄鋼てっこうメーカーの間までは、国内こくないの生産せいさんが増ふえると期待きたいが高たかまっています。

アメリカ中ちゅう西部せいぶのインディアナ州しゅうは、国内こくないの鉄鋼てっこう生産せいさん量りょうのおよそ４よん分ぶんの１いちを生産せいさんする鉄鋼てっこう業ぎょうが盛さかんな地域ちいきです。この地域ちいきには、かつて鉄鋼てっこうメーカーが５ご社しゃありましたが、中国ちゅうごくなどから安やすい鉄鋼てっこう製品せいひんが輸入ゆにゅうされたことで国内こくない産さんの需要じゅようが低迷ていめいし、今いまでは２に社しゃに減へっています。

全米ぜんべい鉄鋼てっこう労働ろうどう組合くみあいのインディアナ州しゅうの支部しぶで幹部かんぶを務つとめるマイケル・ヤングさんは「中国ちゅうごくは政府せいふの支援しえんを受うけて鉄てつをアメリカに安やすく輸出ゆしゅつし、われわれの多おおくが失業しつぎょうした。中国ちゅうごくはあまりにも長ながく貿易ぼうえきのルールから外はずれてきたため、もっと強つよい対抗たいこう措置そちを講こうじなければならない。公平こうへいに競争きょうそうするためにも国内こくないの鉄鋼てっこう産業さんぎょうを守まもることが必要ひつようだ」と述のべ、輸入ゆにゅう制限せいげん措置そちが発動はつどうされることを歓迎かんげいしました。

そのうえで、ヤングさんはトランプ大統領だいとうりょうについて、「これまでの大統領だいとうりょうはなにもしてくれなかったので、通商つうしょう政策せいさくに関にかんしてはよい仕事しごとをしている」として評価ひょうかしました。

さらに、ヤングさんは、今回こんかいの輸入ゆにゅう制限せいげん措置そちに日本にっぽんも含ふくまれていることについて、「日本にっぽんも１いち９きゅう９きゅう０ぜろ年代ねんだい初はじめから２に０ぜろ０ぜろ０ぜろ年代ねんだいにかけて、安やすい鉄てつを大量たいりょうに輸出ゆしゅつした最悪さいあくの国くにの一ひとつだ。同おなじことを繰り返くりかえさないよう、日本にっぽんも対象たいしょうになることを望のぞんでいる」と述のべました。

日系にっけい自動車じどうしゃメーカーへの影響えいきょうは

異例いれいの輸入ゆにゅう制限せいげん措置そちによって、アメリカで現地げんち生産せいさんする日本にっぽんの自動車じどうしゃメーカーも影響えいきょうを受うけることになります。

このうち、トヨタ自動車とよたじどうしゃは、現地げんちでの生産せいさんに使用しようしている鉄鋼てっこうとアルミニウムは、９きゅう０ぜろ％以上いじょうをアメリカ国内こくないで調達ちょうたつし、日本にっぽんからの輸入ゆにゅうは一部いちぶに限かぎられているとしています。ただ、高たかい関税かんぜいが課かされれば、さまざまな部品ぶひんのコストが上あがるため、中ちゅう長期ちょうき的てきに車くるまの価格かかくが上昇じょうしょうし、消費しょうひ者しゃの負担ふたんが増ふえかねないとして、発動はつどうしないよう求もとめてきました。

また、ホンダと日産にっさん自動車じどうしゃも、鉄鋼てっこうやアルミニウムのほとんどを現地げんちで調達ちょうたつしていますが、ホンダは過去かこに輸入ゆにゅう制限せいげんが行おこなわれた際さい、輸入ゆにゅう品ひんだけでなくアメリカ製品せいひんの価格かかくも値上ねあがりしたことから、調達ちょうたつコストの上昇じょうしょうを懸念けねんしています。

また、中西部ちゅうせいぶインディアナ州しゅうで現地げんち生産せいさんを拡大かくだいさせているＳＵＢＡＲＵは、原則げんそくとしてすべてアメリカ産さんの鉄鋼てっこうとアルミニウムを使用しようしているとしていますが、取引とりひき先さきの部品ぶひんメーカーの中なかには、原料げんりょうの一部いちぶを日本にっぽんから輸入ゆにゅうしている可能かのう性せいもあると話はなしています。

中国ちゅうごく「中国ちゅうごくを非難ひなんすることこそ不公平ふこうへい」

今回こんかいの輸入ゆにゅう制限せいげん措置そちは、鉄鋼てっこう製品せいひんを過剰かじょう生産せいさんする中国ちゅうごくに対抗たいこうするためのものですが、アメリカにとって中国ちゅうごくからの輸入ゆにゅう量りょうは比較的ひかくてき少すくないことから、中国ちゅうごく政府せいふはこれまで直接ちょくせつ的てきな批判ひはんを抑おさえてきました。

大手おおてシンクタンク、大和やまと総研そうけんのまとめによりますと、アメリカの中国ちゅうごくからの鉄鋼てっこう製品せいひんの輸入ゆにゅう額がくは、２に０ぜろ０ぜろ８はち年ねんにおよそ６ろく０ぜろ億おくドルに達たっしましたが、去年きょねんはおよそ１いち０ぜろ億おくドルと、ピーク時じの６ろく分ぶんの１いちまで減へっています。

背景はいけいには、アメリカ政府せいふによる中国ちゅうごくを対象たいしょうにしたたび重かさなる関税かんぜいの引き上ひきあげで、中国ちゅうごく側がわが輸出ゆしゅつ先さきを東南アジアとうなんあじあなどに切り替きりかえてきた経緯けいいがあり、今回こんかいの輸入ゆにゅう制限せいげん措置そちが発動はつどうされても、中国ちゅうごくへの影響えいきょうは小ちいさいという見方みかたがあります。

しかし、トランプ政権せいけんが、鉄鋼てっこう製品せいひんへの関税かんぜいに加くわえ、通商つうしょう法ほう３さん０ぜろ１いち条じょうに基もとづき、中国ちゅうごくからの幅広はばひろい輸入ゆにゅう品ひんに関税かんぜいを課かす制裁せいさい措置そちの発動はつどうを決きめたことで、中国ちゅうごく政府せいふは、報復ほうふく措置そちも辞じさない構かまえを強つよめています。

２に２に日にちの記者きしゃ会見かいけんで、中国ちゅうごく外務省がいむしょうの華はな春はる瑩報道ほうどう官かんは「アメリカは公平こうへいとか対等たいとうという言葉ことばを使つかっているが、貿易ぼうえき不ふ均衡きんこうの問題もんだいで中国ちゅうごくを非難ひなんすることこそ不公平ふこうへいだ」と述のべ、アメリカの批判ひはんは当あたらないという立場たちばを強調きょうちょうしました。

ＥＵい-ゆ- 除外じょがい決定けっていに向むけ米まいと協議きょうぎ

ＥＵい-ゆ-＝ヨーロッパ連合れんごうを含ふくむ７ななつの国くにと地域ちいきが今回こんかいの措置そちの対象たいしょうから当面とうめん、除外じょがいされる見通みとおしが示しめされたことから、ＥＵい-ゆ-は最終さいしゅう的てきな除外じょがいの決定けっていに向むけて、アメリカと協議きょうぎを進すすめることにしています。

その一方いっぽうで、ＥＵい-ゆ-が輸入ゆにゅう制限せいげんの対象たいしょうから除外じょがいされなければ、アメリカからの輸入ゆにゅう品ひんに報復ほうふく関税かんぜいを課かすとして、対象たいしょうとなる品目ひんもくリストの素案そあんを公表こうひょうしています。

リストには、鉄鋼てっこうやアルミニウム製品せいひんのほか、トウモロコシやウイスキー、さらに、バイクや衣料いりょう品ひんなど幅広はばひろい品目ひんもくが盛り込もりこまれ、課税かぜい対象たいしょうの総額そうがくは６ろく４よん億おくユーロ、日本にっぽん円えんにして８はち３さん０ぜろ０ぜろ億おく円えん余あまりに上のぼります。このうち、およそ３さん７なな０ぜろ０ぜろ億おく円えん分ぶんについてはＷＴＯだぶりゅ-てぃ-お-＝世界せかい貿易ぼうえき機関きかんの判断はんだんを待またずに２に５ご％の関税かんぜいをかけることができるとしていて、アメリカに対抗たいこうする姿勢しせいを示しめしながら対話たいわも模索もさくすることにしています。

独どく自動車じどうしゃ業界ぎょうかい 報復ほうふくの応酬おうしゅうを懸念けねん

トランプ大統領だいとうりょうは、今回こんかいの輸入ゆにゅう制限せいげん措置そちにＥＵい-ゆ-が報復ほうふく措置そちをとるならば、ドイツなどから輸入ゆにゅうされる自動車じどうしゃにも関税かんぜいをかけるとけん制けんせいしています。このため、ドイツの自動車じどうしゃ業界ぎょうかいでは、今回こんかいの輸入ゆにゅう制限せいげん措置そちをきっかけに双方そうほうの間まで報復ほうふく措置そちの応酬おうしゅうに発展はってんし、自動車じどうしゃの輸出ゆしゅつやアメリカでの現地げんち生産せいさんに影響えいきょうがおよびかねないという見方みかたが広ひろがっています。

大手おおて自動車じどうしゃメーカーＢＭＷび-えむだぶりゅ-のクルーガー会長かいちょうは、２に１いち日にち、定例ていれいの記者きしゃ会見かいけんで、「われわれのビジネスモデルは、自由じゆう貿易ぼうえきに基もとづいている。経験けいけんや事実じじつから言いえることは、双方そうほうが自由じゆう貿易ぼうえきから恩恵おんけいを受うけているということだ」と述のべ、輸入ゆにゅう制限せいげん措置そちに懸念けねんを示しめしました。

また、ドイツの研究けんきゅう機関きかん「自動車じどうしゃマネージメントセンター」のブラッツェル所長しょちょうは「ドイツの自動車じどうしゃ産業さんぎょうは輸出ゆしゅつで成り立なりたっており、高度こうどにネットワーク化かされているため、開ひらかれた市場しじょうが必要ひつようだ」と述のべ、世界せかい的てきに報復ほうふく措置そちの応酬おうしゅうが起おきた場合ばあい、経済けいざいに壊滅かいめつ的てきな影響えいきょうが及およぶとしています。そのうえで、ブラッツェル所長しょちょうは「現在げんざいは、ドイツの自動車じどうしゃ産業さんぎょうが狙ねらわれているが、次つぎは日本にっぽんの自動車じどうしゃ産業さんぎょうかもしれないし、別べつの産業さんぎょうかもしれない」と述のべ、日本にっぽんの自動車じどうしゃ産業さんぎょうも標的ひょうてきになりかねないという考かんがえを示しめしました。