「地方ちほう圏けん」の地価ちか 26年ねんぶりに上昇じょうしょう 外国がいこく人じん旅行りょこう者しゃの増加ぞうかで

このうち、東京とうきょうや大阪おおさか、名古屋なごや周辺しゅうへん部ぶの「３さん大だい都市とし圏けん」を除のぞいた「地方ちほう圏けん」の地価ちかは去年きょねんと比くらべてプラス０ぜろ．０ぜろ４よん％と上昇じょうしょうに転てんじました。

上昇じょうしょうしたのはバブル景気けいきのあとの平成へいせい４よん年ねん１月いちがつ以来いらい、２に６ろく年ねんぶりで、札幌さっぽろや仙台せんだい、広島ひろしま、福岡ふくおかの「地方ちほう４よん市し」で著いちじるしく、プラス４よん．６ろく％でした。

一方いっぽう、東京とうきょうなどの「３さん大だい都市とし圏けん」は５ご年ねん連続れんぞくの上昇じょうしょうとなり、平均へいきんの地価ちかはプラス１いち．５ご％でした。

各地かくちの地価ちかの上昇じょうしょうは、外国がいこく人じん旅行りょこう者しゃの増加ぞうかで、ホテルや店舗てんぽ向むけの土地とちの需要じゅようが高たかまっていることや、日銀にちぎんのマイナス金利きんり政策せいさくの影響えいきょうで住宅じゅうたくローンの金利きんりが低ひくい状態じょうたいが続つづいていることなどが主おもな要因よういんです。

全国ぜんこく平均へいきんでは、「商業しょうぎょう地ち」がプラス１いち．９きゅう％と３さん年ねん連続れんぞくの上昇じょうしょう、「住宅じゅうたく地ち」もプラス０ぜろ．３さん％と２に年ねん連続れんぞくの上昇じょうしょうとなりました。

また、全国ぜんこくの調査ちょうさ地点ちてんを見みると、リーマンショック直前ちょくぜんの２に０ぜろ０ぜろ８はち年ねん１月いちがつ以来いらい、１いち０ぜろ年ねんぶりに上昇じょうしょう地点ちてんが下落げらく地点ちてんの数かずを上回うわまわり、地価ちかの上昇じょうしょうが地方ちほうにも波及はきゅうしています。

上昇じょうしょう率りつ１いち位いは北海道ほっかいどう倶知安くっちゃん町まち

地方ちほう圏けんの地価ちかを押し上おしあげているのは、外国がいこく人じん旅行りょこう者しゃの急増きゅうぞうです。

全国ぜんこくの住宅じゅうたく地ちで地価ちかの上昇じょうしょう率りつがもっとも高たかかったのは、北海道ほっかいどう倶知安くっちゃん町まち南３条みなみさんじょう東ひがし１いち丁目ちょうめ。去年きょねんより３さん３さん．３さん％上昇じょうしょうしました。

２に位いと３さん位いも倶知安くっちゃん町まちで、いずれもスキーリゾートとして知しられる「ニセコ地区ちく」にあり、外国がいこく人じん向むけの高級こうきゅうコンドミニアムなどの建設けんせつラッシュが続つづいています。

次ついで高たかい上昇じょうしょう率りつとなったのが沖縄おきなわ。

４よん位いから９きゅう位いまで那覇なは市しなどの地点ちてんが占しめました。

一方いっぽう、商業しょうぎょう地ちでも１いち位いは北海道ほっかいどう倶知安くっちゃん町まち南１条みなみいちじょう西にし１いち丁目ちょうめで、３さん５ご．６ろく％上昇じょうしょうしました。

２に位いは大阪おおさか・ミナミの道頓堀どうとんぼり。

３さん位いは京都きょうと駅えきに近ちかい京都きょうと市し南みなみ区く東九条とうくじょうで、いずれも外国がいこく人じん旅行りょこう者しゃの増加ぞうかで店舗てんぽやホテルの需要じゅようが高たかまり、２に７なな％余あまりの上昇じょうしょうとなりました。

専門せんもん家か「全体ぜんたい的てきな地価ちか上昇じょうしょうしばらく続つづく」

不動産ふどうさんの調査ちょうさ会社かいしゃ「東京とうきょうカンテイ」の井出いで武たけし上席じょうせき主任しゅにん研究けんきゅう員いんは、「全国ぜんこく的てきな地価ちかの上昇じょうしょうがより鮮明せんめいになってきている。地方ちほうでも観光かんこう資源しげんに恵めぐまれた都市としでは、観光かんこう客きゃくの増加ぞうかにともない商業しょうぎょう施設しせつやそこに勤つとめる人ひとの住宅じゅうたくが増ふえるなど好こう循環じゅんかんが進すすみ、上昇じょうしょうが顕著けんちょになっている」と話はなしています。

一方いっぽう、「東京とうきょうの不動産ふどうさん価格かかくが高たかくなりすぎているとして、地方ちほうの大おおきな都市としに不動産ふどうさんの投資とうしマネーが流れ込ながれこんでいる。地方ちほうでは観光かんこう資源しげんがどれだけあるかや交通こうつうアクセスなど、人ひとが呼び込よびこめているかどうかで地価ちかの動うごきが大おおきく違ちがう」と話はなし、地域ちいきによって地価ちかに差さが出でてきていると指摘してきしています。

今後こんごの見通みとおしについては、「急きゅうに価格かかくが上昇じょうしょうしたり相場そうばから大おおきく外はずれたりしたエリアは、上昇じょうしょう率りつが鈍化どんかする動うごきが出でる可能かのう性せいはあるが、現在げんざいの雇用こようや所得しょとくの回復かいふく傾向けいこうを考かんがえると、全体ぜんたい的てきな地価ちかの上昇じょうしょうはしばらく続つづくのではないか」と話はなしています。

都心としんのマンション ２に６ろく年ねんぶりの高値たかね

東京とうきょうの住宅じゅうたく地ちの地価ちかはプラス２に．４よん％となり、５ご年ねん連続れんぞくの上昇じょうしょう。

マンション価格かかくの高騰こうとうが地価ちかを押し上おしあげています。

民間みんかんの調査ちょうさ会社かいしゃ「不動産ふどうさん経済けいざい研究所けんきゅうじょ」によりますと、東京とうきょう２に３さん区くで去年きょねん１いち年間ねんかんに発売はつばいされたマンションの平均へいきん価格かかくは１いち戸こ当あたり７なな０ぜろ８はち９きゅう万まん円えんと平成へいせい３さん年ねん以来いらい、２に６ろく年ねんぶりの高値たかねとなりました。

価格かかくの高騰こうとうでマンションを購入こうにゅうできる人ひとが減へり、不動産ふどうさん業者ぎょうしゃが物件ぶっけんの販売はんばいを抑おさえる動うごきも出でているということです。このため、都心としん部ぶでは住宅じゅうたく地ちの地価ちかの上昇じょうしょう率りつが鈍化どんかしている地域ちいきも出でてきます。

「東京とうきょうカンテイ」の井出いで武たけし上席じょうせき主任しゅにん研究けんきゅう員いんは「マンションの価格かかくが高たかくなりすぎているという感覚かんかくが世間せけんに広ひろがっている。それが都心としんの一部いちぶ地域ちいきでの地価ちかの上昇じょうしょう率りつの鈍化どんかにつながっている」と話はなしています。

郊外こうがいの割安わりやす感かんある物件ぶっけんが人気にんき

都心としん部ぶのマンション価格かかくが高騰こうとうする中なか、駅えきから近ちかく、都心としんへのアクセスがいい「割安わりやす感かん」のある郊外こうがいの物件ぶっけんに人気にんきが集あつまっています。

埼玉さいたま県けん八潮やしお市しに先月せんげつ完成かんせいしたこのマンションは、つくばエクスプレスの八潮やしお駅えきから徒歩とほ８はち分ぶんの場所ばしょにあり、駅えきから東京とうきょう都心としんまでの通勤つうきん時間じかんはおよそ３さん０ぜろ分ふんです。３さんＬＤＫえるでぃ-けいの部屋へやの価格かかくは多おおくが３さん０ぜろ０ぜろ０ぜろ万まん円えん台だい半なかば。アクセスがよいわりには価格かかくが手てごろな「割安わりやす感かん」があるとして、都心としんで勤務きんむする若わかい共働ともばたらきの世帯せたいなどを中心ちゅうしんに購入こうにゅうの申し込もうしこみが相次あいついでいるということです。

マンションの購入こうにゅうを決きめた３さん０ぜろ代だいの男性だんせいは「八潮やしお市しは最初さいしょは全まったく考かんがえていませんでしたが、都内とないの通勤つうきん場所ばしょへのアクセスのよさが決め手きめてになりました」と話はなしていました。

住友すみとも不動産ふどうさん住宅じゅうたく分譲ぶんじょう事業じぎょう本部ほんぶの中村なかむら貴彦たかひこ主任しゅにんは「最近さいきんは夫婦ふうふで共働ともばたらきという世帯せたいも多おおく、都心としんへの交通こうつうの利便りべん性せいを気きにする人ひとが増ふえている。手てごろな価格かかく帯たいを求もとめ、都内とないから来くる人ひとも多おおい」と話はなしていました。

駅えきから２にキロが分かれ目わかれめ

国土こくど交通こうつう省しょうは、鉄道てつどうの最寄り駅もよりえきからの距離きょりで住宅じゅうたく地ちの地価ちかがどう変かわるか初はじめて調査ちょうさしました。

それによりますと、３さん大だい都市とし圏けんでは駅えきから５ご０ぜろ０ぜろメートル未満みまんの地点ちてんでは平均へいきんでプラス１いち．７なな％の上昇じょうしょうでした。

駅えきから離はなれるほど上昇じょうしょう率りつは小ちいさくなり、２にキロ以上いじょう離はなれると地価ちかが下落げらくに転てんじる結果けっかとなりました。

こうした傾向けいこうは３さん大だい都市とし圏けんだけでなく地方ちほう圏けんでも同様どうようで、国土こくど交通こうつう省しょうは「駅えき周辺しゅうへんの地価ちかの上昇じょうしょうが、全体ぜんたいの地価ちかを押し上おしあげている」と話はなしています。