容疑者などが
捜査に
協力する
見返りに
検察が
起訴を
見送ったり
求刑を
軽くしたりする「
司法取引」が
1日から
日本に
導入されます。
組織犯罪や
企業犯罪などを
解明する
新たな
捜査手法として
期待される
一方、うその
供述が
えん罪を
生む
危険性も
指摘され、
制度が
どのように
運用されるか
注目されます。「
司法取引」は、
容疑者や
被告が
共犯者など他人の
犯罪の
捜査に
協力すれば
検察が
見返りとして
起訴を
見送ったり
求刑を
軽くしたりする
制度です。
アメリカなど海外では広く使われている捜査手法で日本には1日から初めて導入されます。
対象となるのは脱税や談合などの経済事件や汚職事件、それに薬物や銃器などの事件で、巧妙化する組織犯罪や企業犯罪などの全容を解明する新たな捜査手法として期待されています。
一方で容疑者や被告がみずからの処分を軽くするためにうその供述をして、無関係の人を事件に巻き込み、えん罪を生み出すおそれも指摘されています。
制度の導入は「日本の刑事司法の大きな転換点」と位置づけられていて、今後、どのように運用されるか注目されます。
最高検「有効な捜査手法」
「司法取引」を担当する最高検察庁新制度準備室の齋藤隆博室長は「組織犯罪で、事件の全体像やより上位の人物の関与を捜査する場面では、『司法取引』が有効な捜査手法になると思う。検察だけでなく、容疑者や弁護士にもメリットがあるように運用を心がけたい」と話しています。
また、「司法取引」によってえん罪が生まれるおそれが指摘されていることについては、「容疑者や被告から得られる供述などの信用性を十分吟味することで、間違った方向にいかないよう慎重に対応し、時間をかけて制度を定着させたい」と述べています。
刑事裁判に詳しい弁護士「うその供述リスク 非常に高い」
刑事裁判に詳しい今村核弁護士は「司法取引は他人を売ることで、自分の処罰を軽くする制度で、容疑者や被告がうその供述をするリスクは非常に高い。取り引きのためのうそを言われた側の人は自分を守れず、えん罪を生むリスクがあり、今後の検察の運用を注視していく必要がある」と話しています。