北朝鮮の
国営メディアは、12
日開かれた
史上初の
米朝首脳会談で、
朝鮮半島の
非核化などの
過程で
段階別の
同時行動原則の
順守が
重要だという
認識で
一致し、
トランプ大統領が、
米朝対話が
続く間は
アメリカと
韓国の
合同軍事演習を
中止する
意向を
表明したと、13
日朝伝えました。
一方、
日本人の
拉致問題については
一切触れていません。12
日、シンガポールで
開かれた
史上初の
米朝首脳会談の
結果について、
北朝鮮の
朝鮮労働党機関紙「
労働新聞」
など国営メディアは13
日朝、
初めて報道しました。
この中でキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長とアメリカのトランプ大統領が、ことし4月の南北首脳会談での「パンムンジョム(板門店)宣言」を再確認し、朝鮮半島の完全な非核化に向けて取り組むことなど4つの項目を盛り込んだ共同声明に署名したと伝え、「新しい米朝関係を樹立し、朝鮮半島に恒久的で強固な平和体制を構築する問題について、包括的で深い意見交換を行った」と評価しました。
そのうえで、キム委員長が、「相手を刺激し、敵視する軍事行動を中止する勇断を下すべきだ」と述べたの対し、トランプ大統領がこれに「理解」を示して、「米朝対話が続く間は、米韓合同軍事演習を中止して、安全の担保を提供し、対話を通じて関係改善が進めば制裁を解除できるという意向を示した」としています。
また、「朝鮮半島の平和と安定、非核化を成し遂げていく過程で段階別の同時行動原則を順守することが重要だという認識をともにした」と強調しました。
さらに、キム委員長とトランプ大統領が、それぞれピョンヤンとアメリカへの訪問を招請し、ともに快諾したとしています。
一方、トランプ大統領が12日の記者会見で米朝首脳会談で取り上げられたとした日本人の拉致問題や、北朝鮮の主要なミサイルエンジンの試験場を取り壊すことについては、一切触れていません。
キム委員長の笑顔強調
13日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」には、「米朝関係の新しい歴史を開拓する世紀の出会い」というタイトルとともに、シンガポールで12日開かれた史上初の米朝首脳会談の写真を30枚余り掲載しました。
1面には、米朝両国の国旗を背景にキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が笑顔でアメリカのトランプ大統領と握手したり、1対1の会談で笑みを浮かべている両首脳の様子などを撮影した写真が掲載されています。このほか、双方の閣僚らを加えた拡大会談や、昼食を取りながら意見を交わしたワーキングランチの写真も掲載され、いずれもキム委員長の笑顔や穏やかな表情が中心で、会談が和やかなムードで行われたと印象づけています。