インフレはサプライズ」どういうこと?【経済けいざいコラム】

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Jul 10, 2022 01:07 0
Furigana
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アメリカでは40ねんぶりのこう水準すいじゅん

「トルコでは78%のきゅう上昇じょうしょう」…

世界せかいマーケットではこのところ毎日まいにちのように記録きろくてき物価ぶっか上昇じょうしょうをめぐるニュースがヘッドラインをめぐります。しかもその水準すいじゅん市場しじょう予測よそくえてきゅう加速かそくするケース相次あいつぎ、マーケット関係かんけいしゃからは「インフレ・サプライズの連続れんぞくだ」というこえこえてきます。いったいどういうことなのでしょうか?(経済けいざい記者きしゃ 古市ふるいち啓一けいいちろう

サプライズの連続れんぞく予測よそくたらない

物価ぶっか見通みとおについて、われわれエコノミストの予測よそくたらなくなった。このままはずつづける仕事しごとがなくなるかも」

自虐じぎゃくてきにこうかたのは経済けいざいデータ分析ぶんせき予測よそくにあたるあるエコノミスト。

経済けいざい環境かんきょうおおきくわるなかでも的確てきかく将来しょうらい予測よそくできるどうかがエコノミストのうでせどころですが、急ピッチきゅうぴっちすす世界せかいてきなインフレ経済けいざいプロたちもいているようです。

そもそもエコノミストの予測よそく本当ほんとうはずれているのか。

最近さいきん発表はっぴょうされた欧米おうべいアジアでの物価ぶっか上昇じょうしょうりつについて、市場しじょう予測よそく中央ちゅうおう実績じっせきとを比較ひかくしてみました。するとたし実績じっせき予測よそく上回うわまわケース相次あいついでいることがわかりました。

なぜはず? 3つの理由りゆう

なぜ予想よそうここまではずれるのでしょうか。複数ふくすうのエコノミストにいてみたところ3つの理由りゆうえてきました。

まず、コロナからの回復かいふく過程かてい世界せかい経済けいざい前提ぜんてい条件じょうけんおおきくわったことです。

たとえばアメリカではモノやサービス需要じゅよう拡大かくだいする一方いっぽう人手ひとで不足ふそくなど供給きょうきゅうがわがその需要じゅようたすことができず、価格かかく押し上おしあげるちから一気いっきつよまりました。この状況じょうきょういつまでつづのか依然いぜん不透明ふとうめいです。

2つは、ロシアによるウクライナ侵攻しんこう影響えいきょうです。

世界せかいてきなエネルギー価格かかく食料しょくりょう価格かかく高騰こうとう引き起ひきおこしました。これ先行さきゆまったえない状況じょうきょうです。

そして最後さいごにそもそもここまでの世界せかいてきなインフレ局面きょくめん経験けいけんしたエコノミストがほとんどいないということです。

エコノミストが経済けいざい予測よそくおこな場合ばあい、2000ねん以降いこう経済けいざい状況じょうきょう市場しじょううごデータをもとにした計算けいさんモデル使つかわれるケースおおく、これよりまえのデータをもとに試算しさんすることは簡単かんたんではないそうです。

景気けいき減速げんそく懸念けねんつよまる インフレしん局面きょくめん

プロのエコノミストのなやたねとなっている記録きろくてきなインフレ。ただここにきて景気けいき潮目しおめ変化へんか指摘してきするこえもでています。

これまでインフレ根拠こんきょとなっていた「旺盛おうせいなペントアップ需要じゅよう」(コロナ抑制よくせいされていた消費しょうひ需要じゅよう一気いっき回復かいふくすること)の減速げんそく示唆しさする経済けいざい統計とうけいが、相次あいついで発表はっぴょうされているのです。

6つき23にち発表はっぴょうされたユーロけん消費しょうひ動向どうこうしめ6つきのPMI(購買こうばい担当たんとうしゃ景気けいき指数しすう)が市場しじょう予想よそうおおきく下回したまわったほか、FRBのパウエル議長ぎちょう経済けいざい状況じょうきょうを「力強ちからづよ」と自負じふするアメリカでも6つき消費しょうひしゃ信頼しんらいかん指数しすう市場しじょう予想よそうよりひく水準すいじゅんにとどまりました。

7つき5にちにはユーロけん経済けいざい先行さきゆへのきびしい見方みかた背景はいけいにユーロがドルに対にたいして急落きゅうらく。2002ねん12つき以来いらいおよそ19ねんはんぶりの水準すいじゅんまで値下ねさがりしました。

マーケットでは、欧米おうべい景気けいきこのさき減速げんそく、さらには後退こうたい局面きょくめんはいのではないかという懸念けねん急速きゅうそくつよまっています。

その場合ばあいインフレ収束しゅうそくうごてくるのか、あるいは物価ぶっか上昇じょうしょうまらず、インフレと景気けいき後退こうたい同時どうじすす「スタグフレーション」におちいそれもあるのか。

どちらシナリオでも経済けいざい条件じょうけん確実かくじつせいし、当面とうめんインフレ・サプライズ」がなくなることはなさそうです。

注目ちゅうもく予定よてい

注目ちゅうもくは、13にち発表はっぴょうアメリカ消費しょうひしゃ物価ぶっか指数しすうです。アメリカインフレ状況じょうきょうあらわ経済けいざい統計とうけいですが、これまでは市場しじょう予想よそう上回うわまわって前月ぜんげつ急上昇きゅうじょうしょうつづいてきました。

今回こんかいもさらなる物価ぶっか上昇じょうしょう予想よそうする市場しじょう関係かんけいしゃおおですが、かり上昇じょうしょうブレーキがかかった場合ばあい景気けいき減速げんそく一段いちだん意識いしきされ、リスクをけようといううごつよまるかもしれません。

このほか中国ちゅうごくの4つきから6つきのGDPが発表はっぴょうされ、市場しじょうではおおきな落ち込おちこ予想よそうされています。一時いちじきびしい外出がいしゅつ制限せいげん影響えいきょうどの程度ていどあらわれるかが焦点しょうてんです。

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N5 Source: Tổng hợp 379 Oct 18, 2025 03:10