天皇陛下の
即位を
祝う一般参賀が
4日、
皇居で
行われ、14
万人余りに
上る大勢の
人が
訪れました。
天皇陛下は
即位後初めて一般の
人たちを
前におことばを
述べ、この中で
国民の
幸せと
世界の
平和を
願われました。
3日前の
今月1日に
即位された
天皇陛下の
即位を
祝おうと
皇居には
大勢の
人が
詰めかけ、
皇居の
正門の
前には
午前9時すぎの
時点で
およそ5万人が
集まり、
予定より20
分早く
門が
開けられました。
待っていた
人たちは
二重橋を
通って
宮殿の
前に
向かいました。
天皇陛下は、皇后となられた雅子さまや皇位継承順位1位の「皇嗣」となられた秋篠宮さまなどの皇族方とともに宮殿のベランダに立ち、訪れた人たちに笑顔で手を振って応えられました。
皇后さまは黄緑色のロングドレス姿で、天皇陛下とことばを交わしながら笑顔を見せられていました。
そして天皇陛下は即位後初めて一般の人たちを前におことばを述べられました。
この中で、訪れた人たちからの祝意に感謝のことばを述べたうえで「ここに皆さんの健康と幸せを祈るとともに、わが国が諸外国と手を携えて世界の平和を求めつつ、一層の発展をとげることを心から願っております」と述べられました。
天皇陛下は4日一日で皇后さまや皇族方とともに合わせて6回ベランダに立ち、祝賀に応えられました。
東京の都心は最高気温が25度近くになり、天皇陛下は午後2時からの5回目以降には、これまでのおことばに加えて「暑い中、来ていただいたことに深く感謝いたします」と述べ、訪れた人たちへの気遣いを見せられていました。
宮内庁によりますと、4日参賀に訪れた人は14万1000人余りに上ったということで、平成以降の一般参賀では上皇さまの退位を前にしたことしの新年の参賀に次いで2番目に多い人数になりました。
上皇さまのおことば受け継ぐ
4日の天皇陛下のおことばは、29年前、上皇さまが即位を祝う一般参賀で述べられたおことばを受け継ぐ内容になりました。
前回の平成2年11月の参賀で上皇さまは、国民からの祝意に感謝の気持ちを表したうえで「ここに皆さんの幸せを祈り、わが国が世界の国々と相たずさえ、人類の平和と福祉を求めつつ、ともに発展することを心より念願いたします」と述べられました。
4日、天皇陛下は「ここに皆さんの健康と幸せを祈るとともにわが国が諸外国と手を携えて世界の平和を求めつつ、一層の発展をとげることを心から願っております」と述べ、上皇さまと同じように国民の幸せと世界の平和を願われました。
専門家「諸外国と一緒に平和築く強い意思」
象徴天皇制を研究している名古屋大学の河西秀哉准教授は、4日天皇陛下が述べられたおことばについて「基本的には平成のスタイル・形式をそのまま踏襲していると思う。平成は皇室が国民的な支持を受け、尊敬の具合、共感の具合が高かった。それを発展させるということを非常に意識されていると思う」と述べました。
そのうえで「ご自分の意思をはっきり出しているところがポイントだと思う。『諸外国と手を携えて平和を求める』というのは、みずからも行動して諸外国と一緒になって平和を築くんだという強い意思の表れでもあると思う」と話しました。