この地震で、震度5弱の揺れを宮崎市と宮崎県都城市で、震度4を熊本市、鹿児島市、大分県竹田市、宮崎県日南市などで観測しました。
このほか、九州、四国、中国地方、それに近畿の広い範囲で震度3から1の揺れを観測しました。
この地震による津波はありませんでした。
気象庁の観測によりますと、震源の深さは25キロと推定されています。
また、およそ20分後の午前9時すぎにも日向灘を震源とする地震が起き、宮崎県美郷町で震度3の揺れが観測されました。
今回の震源の日向灘では過去、繰り返しマグニチュード7程度の規模の大きな地震が発生していて、気象庁は今後の地震活動に注意するよう呼びかけています。
日向灘 過去に大地震繰り返す
今回の震源の日向灘は、国が想定している南海トラフ巨大地震の震源域の西の端にあり、過去、マグニチュード7クラスの大地震が繰り返し発生しています。
気象庁などによりますと、その多くは陸側のプレートと海側のプレートの境界で発生していて、昭和43年(1968年)にはマグニチュード7.5の地震が発生し、けが人や建物に被害が出たほか、四国で最大3メートルを超える津波が観測されました。
また、昭和59年(1984年)にはマグニチュード7.1の地震が、平成8年(1996年)にはマグニチュード6.9の地震がそれぞれ発生しています。
ことしに入ってからも日向灘では繰り返し地震が起きていて、3月27日にはマグニチュード5.4の地震で、宮崎県で最大震度4の揺れが観測されていました。
日向灘のプレート境界で今後30年以内に起きる地震の確率について政府の地震調査委員会はマグニチュード7.6前後が10%程度、マグニチュード7.1前後が70%から80%としています。
一方、静岡県の駿河湾から日向灘にかけての南海トラフと呼ばれる海底ではマグニチュード8から9の巨大地震が今後30年以内に70%から80%の確率で発生すると予測されています。
南海トラフ地震に関する臨時の情報は想定震源域とその周辺でマグニチュード6.8以上の地震が発生した場合などに発表され、専門家でつくる評価検討会がデータを分析して巨大地震が発生する可能性がふだんよりも高まっているかどうかを評価します。
今回の地震はマグニチュード6.3と基準に達しなかったため、気象庁は情報を発表せず、評価検討会も開かれませんでした