アメリカは、
中国からの2000
億ドルの
輸入品の
関税を
引き上げたのに
続いて、
トランプ大統領の
指示で、
まだ関税を
上乗せしていない3000
億ドル
分にも
関税を
上乗せする
手続きを
始めました。
実行されれば、
中国からの
ほぼすべての
輸入品に
関税が
上乗せされることになり、
米中の
貿易摩擦は
全面的な
争いに
陥る
おそれがでています。
アメリカと
中国は、
閣僚級の2
日間の
交渉でも
双方の
溝を
埋められず、
トランプ政権は10
日、
中国からの2000
億ドルの
輸入品に
上乗せする
関税を25%に
引き上げました。
それにとどまらず、アメリカ通商代表部は10日、まだ関税を上乗せしていない約3000億ドル分の輸入品にも高い関税を上乗せする手続きを始めると発表しました。
アメリカ通商代表部は、今後の詳しい手続きは近く公表するとしています。
トランプ大統領は9日、記者団に対して、「3250億ドルの輸入品にも25%の関税をかける準備を始めている」と述べていました。
今回の閣僚級交渉で、中国がアメリカの要求に応じず、歩み寄りが見られなかったため、具体的な手続きに踏み切ったものとみられます。
これが実行されれば、中国からの5300億ドル余りの輸入品、ほぼすべてに高い関税が上乗せされて、米中の貿易摩擦は全面的な争いに陥り、解決が一層困難になるおそれがあります。
交渉継続も中国が米をけん制
中国の劉鶴副首相は、アメリカとの貿易交渉のあと、中国メディアの取材を受け、「いくらかの障害はあるものの、米中双方は北京で再び会い、交渉を継続することで合意した」と述べました。
また、劉副首相は「米中双方は多くの点で共通認識を得たが、一致していない点もある。原則に関わる問題では決して譲歩することはできない」と述べてアメリカをけん制しました。
中国国営の新華社通信は、アメリカとの交渉では、中国製品に上乗せしている関税をどのように撤廃するかや、交渉の合意事項を盛り込む文書の書きぶりなどで依然、隔たりが残っていると伝えています。
さらに劉副首相は、アメリカの今回の関税引き上げについて、「アメリカが関税を引き上げるなら、われわれも必ず反撃する。アメリカが自制的な態度を取るなら、中国も自制的にする。際限なく引き上げるようなことはしてはならない」と述べ、アメリカを強く批判しました。