これが天皇皇后として初めての地方訪問となります。
両陛下は「尾張七宝」として国の伝統的工芸品に指定されている「七宝焼」の作品の展示などを行うあま市の施設に車で向かわれました。
施設近くの道路の両側には2キロ近くにわたってほとんど切れ目がないほど大勢の人たちが詰めかけ、両陛下は車のスピードを落とし、窓をあけて手を振ってこたえられました。
施設では「間取り花鳥文大花瓶」という花や鳥などが色鮮やかに表現された高さ1.5メートルの花瓶をご覧になりました。
花瓶は明治時代にフランスに輸出され、およそ30年前に買い戻されたもので両陛下は館長の説明に熱心に耳を傾けられていました。
続いて、地元の小学4年生の児童20人が授業の一環で七宝焼のキーホルダーをつくる様子をご覧になりました。
両陛下は子どもたちに顔を近づけて目の高さを合わせて話しかけられ、天皇陛下は「どんな色に焼き上がるか楽しみですね」とことばをかけられていました。
また皇后さまも「きれいにできましたね」と話しかけられていました。
このあと両陛下は宿泊先の名古屋市内のホテルに移動して、植樹祭のポスターの原画や、国土緑化運動・育樹運動のポスター原画コンクールで入賞した作品をご覧になり、制作した小中学生や高校生に「どういうところを工夫しましたか」などと尋ねられていました。
そして植樹祭前日のレセプションに臨み出席者とにこやかな表情でことばを交わされていました。
両陛下は2日まで、愛知県に滞在し、2日は、尾張旭市の愛知県森林公園を会場に開かれる全国植樹祭の式典に出席して記念植樹などに臨まれます。
あま市の沿道に多くの人が並ぶ
天皇皇后両陛下は、名古屋市内から愛知県あま市にある特産の「七宝焼」を紹介する施設に向かわれましたが、施設の1.7キロほど手前から沿道に多くの人が並び、車中の両陛下に手を振ったりスマートフォンなどで写真を撮ったりしていました。
隣の大治町からきた50代の女性は、「歩道側に、雅子さまが乗られていたので間近で見ることができました。おきれいで、オーラがすごかったです」と話していました。
近くに住む専門学校の男子生徒は、「お二人ともにこやかに手を振られていました。近くで見ることができて感動しました」と話していました。
また、あま市内の70代の女性は、「まさか、こんなに近くでお目にかかれるとは思ってもみなかったので感激です。即位されて最初に、愛知のあま市に来ていただけてとてもありがたいです」と話していました。
宿泊先のホテルの前に多くの人
天皇皇后両陛下の宿泊先のホテルの前には多くの人が集まり、お二人の到着を歓迎しました。
集まった人たちは、お二人の車が近づくと歓声を上げながら手や旗を振り、両陛下は車の中から手を振って応えられていました。
沿道で両陛下を見守った女性は「一瞬でしたが、お姿を拝見できました。こんな機会はめったにないので、きょうは頑張って来ました。感激しました」と話していました。
また、子どもを連れた女性は「トランプ大統領の来日でお疲れもあるかと思いましたが、お元気そうでよかったです」と話していました。
「うれしかった」
「七宝焼」を紹介する施設の体験工房で天皇皇后両陛下に声をかけられた小学4年生の男子児童は「何を作っているのかを聞かれたので、『馬を作っています』と答えました。緊張しましたが、『出来上がりが楽しみ』と言ってもらえてうれしかったです」と話していました。
また、別の男子児童は「お二人から『頑張って』と言われました。うれしかったです」と話していました。
両陛下がご覧になった焼き物に線をつける工程を担当した「七宝町七宝焼生産者協同組合」の太田美由紀さん(60)は「お二人ともとても優しくてすてきな方でした。『何年くらいこの仕事をしているのですか』と聞かれたので、『35年ほど』と答えました。『体を大切にして』と言っていただけて幸せです」と話していました。