日本新聞: “世界初”の電子顕微鏡開発磁気帯びる材料観察に成功

“世界せかい初はつ”の電子でんし顕微鏡けんびきょう開発かいはつ磁気じき帯おびる材料ざいりょう観察かんさつに成功せいこう

Jun 2, 2019 06:06

Furigana

これまでの電子でんし顕微けんび鏡きょうでは難むずかしかった磁気じきを帯おびる物質ぶっしつの原子げんし構造こうぞうを観察かんさつすることができる電子でんし顕微けんび鏡きょうの開発かいはつに東京とうきょう大学だいがくの研究けんきゅうチームが成功せいこうし、幅広はばひろい産業さんぎょうで研究けんきゅう開発かいはつが進すすむことが期待きたいされます。電子でんし顕微けんび鏡きょうは磁場じばを使つかって電子でんしのビームを細ほそく絞しぼって観察かんさつするため、磁石じしゃくなど磁気じきを帯おびる物質ぶっしつを観察かんさつしようとすると、磁場じばの影響えいきょうで物質ぶっしつが壊こわれることが課題かだいでした。

そこで、東京とうきょう大学だいがくの研究けんきゅうチームは２に枚まいの磁気じきレンズを上下じょうげに並ならべ、磁場じばどうしを打ち消うちけし合あうことで、ほとんど磁場じばが発生はっせいしない電子でんし顕微けんび鏡きょうを世界せかいで初はじめて開発かいはつしたと発表はっぴょうしました。

そして、この電子でんし顕微けんび鏡きょうで磁気じきを帯おびる鉄鋼てっこう材料ざいりょうを観察かんさつしたところ、物質ぶっしつは壊こわれず、物質ぶっしつに含ふくまれる鉄てつの原子げんしが格子こうし状じょうに並ならぶ構造こうぞうを観察かんさつすることに成功せいこうしたということです。

永久えいきゅう磁石じしゃくや磁気じきメモリーなどの磁気じきを帯おびた素材そざいは幅広はばひろい産業さんぎょうで利用りようされていることから、原子げんしの構造こうぞうを詳くわしく分析ぶんせきできることでさまざまな材料ざいりょうや装置そうちの機能きのうや性能せいのうを向上こうじょうさせる研究けんきゅう開発かいはつが進すすむと期待きたいされています。

研究けんきゅうチーム「新あらたなモノづくりの時代じだいへ」

研究けんきゅうチームの東京とうきょう大学だいがくの柴田しばた直哉なおや教授きょうじゅは「顕微けんび鏡きょうで直接ちょくせつ見みることで、磁石じしゃくやメモリなどの特性とくせいを根本こんぽんから理解りかいできるようになるため新あらたなモノづくりの時代じだいが始はじまると思おもいます」と話はなしていました。