Ｇじ-20財務ざいむ相しょう会議かいぎ２に日にち目め 貿易ぼうえき摩擦まさつの解決かいけつへ協調きょうちょうできるか焦点しょうてんに

初日しょにちの討議とうぎでは、ほとんどの国くにから激はげしさを増ます米べい中ちゅうの貿易ぼうえき摩擦まさつで、世界せかい経済けいざいが下した振ふれするリスクが高たかまっているとして、懸念けねんの声こえが相次あいついで出だされました。

また麻生あそう副ふく総理そうり兼けん財務ざいむ大臣だいじんも、記者きしゃ会見かいけんで、貿易ぼうえき摩擦まさつが解決かいけつされないと市場しじょうからの信頼しんらいを損そこなうおそれがあると指摘してきしました。

このため２に日にち目めの討議とうぎは、各国かっこくが協調きょうちょうして問題もんだい解決かいけつに取り組とりくむ姿勢しせいを打ち出うちだせるかが焦点しょうてんとなります。

ただ、アメリカは関税かんぜい引き上ひきあげをテコに対立たいりつが先鋭せんえい化かしやすい２に国こく間かんの貿易ぼうえき交渉こうしょうで問題もんだい解決かいけつを目指めざす姿勢しせいを崩くずしていません。

議長ぎちょう国こくの日本にっぽんは９きゅう日にちの討議とうぎで、貿易ぼうえきを含ふくめた収支しゅうしの不ふ均衡きんこうは多国たこく間かんの枠組わくぐみで解決かいけつする必要ひつようがあると訴うったえ、対立たいりつの緩和かんわにつなげたい考かんがえです。

また９きゅう日にちは、国境こっきょうをまたぐデータのやり取やりとりでばく大ばくだいな利益りえきを上あげる、巨大きょだいＩあいＴてぃ-企業きぎょうへの新あらたな課税かぜいルールをめぐっても議論ぎろんが交かわされる予定よていで、来年らいねん中ちゅうに具体ぐたい案あんを取とりまとめることで各国かっこくが一致いっちする見通みとおしです。

「新あらたな課税かぜいルール」 なぜ検討けんとう？

新あらたな課税かぜいルールが検討けんとうされる背景はいけいには、グーグルやアマゾンといった巨大きょだいＩあいＴてぃ-企業きぎょうが利益りえきを伸のばす中なかで、従来じゅうらいのルールでは十分じゅうぶんに課税かぜいできないという問題もんだい意識いしきがあります。今いまの国際こくさい的てきな課税かぜいルールがビジネスの電子でんし化かに追おいつけていないためです。

これまでの国際こくさい的てきな課税かぜいルールは、「拠点きょてんなくして課税かぜいなし」と言いわれるように、「国内こくないに店みせや工場こうじょうといった企業きぎょうの物理ぶつり的てきな拠点きょてんがあるかどうか」が課税かぜいの基準きじゅんとなっています。

この基準きじゅんを前提ぜんていに、例たとえばインターネット上じょうで、音楽おんがくの配信はいしんサービスを行おこなっている企業きぎょうの場合ばあいを考かんがえます。

本社ほんしゃが海外かいがいにあり、日本にっぽんに支店してんなどの物理ぶつり的てきな拠点きょてんがなかったとしても日本にっぽん国内こくないの利用りよう者しゃは、インターネットを使つかって音楽おんがく配信はいしんのサービスを受うけることができます。

しかし、この場合ばあい、今いまの課税かぜいルールでは日本にっぽん国内こくないに物理ぶつり的てきな拠点きょてんがないため、この企業きぎょうが上あげた利益りえきに対にたいして日本にっぽんは課税かぜいすることができません。

さらに、この企業きぎょうが本社ほんしゃをいわゆるタックスヘイブンと呼よばれる税率ぜいりつの低ひくい国くにに置おいていた場合ばあいには、結局けっきょくどこの国くにも十分じゅうぶんな課税かぜいができないという問題もんだいも指摘してきされています。

「新あらたな課税かぜいルール」とは

世界せかいおよそ130か国かこくが作つくる国際こくさい的てきな枠組わくぐみでは、こうしたＩＴ企業きぎょうにも対応たいおうできる新あらたな課税かぜいルールの具体ぐたい案あんを、来年らいねん・2020年ねんに取とりまとめることにしています。

この中なかでは、各かく企業きぎょうが提供ていきょうするサービスの各国かっこくでの利用りよう回数かいすうや、マーケティング費用ひようなどに応おうじて課税かぜいすることなどを検討けんとうしていく方針ほうしんです。

たとえば、利用りよう者しゃの検索けんさく回数かいすうなどを基準きじゅんとしたり、顧客こきゃくリストや広告こうこく宣伝せんでん費ひなどを基準きじゅんにすることが考かんがえられます。

一方いっぽう、多た国籍こくせき企業きぎょうが、「タックスヘイブン」と呼よばれる税率ぜいりつが低ひくい国くにに利益りえきを移うつして課税かぜい逃のがれをした場合ばあいには、追加ついかで課税かぜいするルールも検討けんとうしていく方針ほうしんです。

ただ、Ｇじ-20各国かっこくの中なかでも巨大きょだいなＩＴ企業きぎょうを抱かかえるアメリカと、ヨーロッパの国々くにぐになどとの間まで立場たちばや意見いけんの違ちがいがあるだけに、今後こんご、どういった企業きぎょうをルールの対象たいしょうにするのかや、具体ぐたい的てきな税率ぜいりつをどう設定せっていするのかなどをめぐって、調整ちょうせいが難航なんこうすることも予想よそうされます。

経団連けいだんれん「適用てきようはＩあいＴてぃ-企業きぎょうなどに限定げんていを」

新あらたな課税かぜいルールに対にたいしては、日本にっぽんの経済けいざい界かいでも、その議論ぎろんの行方ゆくえに注目ちゅうもくが集あつまっています。

大だい企業きぎょうが多おおく加盟かめいする「経団連けいだんれん」は、新あらたなルールがどういった企業きぎょうに適用てきようされるのか神経しんけいをとがらせています。

現在げんざい、国際こくさい的てきな枠組わくぐみで検討けんとうが進すすめられているルールでは、グローバルにビジネスを展開てんかいしている企業きぎょうであれば、ＩＴ企業きぎょうに限かぎらず適用てきようされる可能かのう性せいがあるからです。

このため経団連けいだんれんは、海外かいがいでも広ひろく製造せいぞう・販売はんばいしている日本にっぽんの自動車じどうしゃメーカーや電機でんきメーカーなどがルールの対象たいしょうとなった場合ばあい、税ぜい負担ふたんが増ますおそれもあるとみて、ルールの対象たいしょう企業きぎょうをＩＴ企業きぎょうなどに絞しぼるよう求もとめています。

経団連けいだんれんの井上いのうえ隆たかし常務じょうむ理事りじは、「デジタル革新かくしんはこれからもどんどん広ひろがっていくので企業きぎょうの活動かつどうは何なんらかの形かたちでデジタル経済けいざいと絡からんでいくが、すべての企業きぎょうが課税かぜい対象たいしょうになるのは、現実げんじつ的てきではない。デジタルな技術ぎじゅつ革新かくしんが阻害そがいされないことが重要じゅうようで、Ｇじ-20のリーダーシップに期待きたいしたい」と話はなしています。

ＩＴ企業きぎょうなど「幅広はばひろく適用てきようを」

一方いっぽう、楽天らくてんやヤフーといったＩあいＴてぃ-企業きぎょうなどでつくる「新しん経連けいれん」は、経団連けいだんれんとは異ことなり新あらたなルールを幅広はばひろい企業きぎょうに適用てきようするよう求もとめています。

経済けいざいのデジタル化かが進すすむ中なか、ＩＴ企業きぎょうと伝統でんとう的てきなメーカーなどとの境目さかいめはなくなりつつあり、将来しょうらいにわたって有効ゆうこうなルールとするためにも、ＩＴ企業きぎょうだけに対象たいしょうを絞しぼるべきではない、と考かんがえているからです。

日本にっぽん国内こくないの企業きぎょうの間までも主張しゅちょうが分わかれる中なか、Ｇじ-20各国かっこくの間まで新あらたな課税かぜいルールをめぐってどんな議論ぎろんが交かわされるのかも今回こんかいの会議かいぎの焦点しょうてんとなります。