大阪 吹田市の
拳銃強盗事件の
現場となった
交番。
警察庁によりますと、
交番は
全国の
およそ6000
か所に
設置されています。
交番に
勤務する
警察官は
事件や
事故が
発生した
時に
現場にすぐに
向かって
初動捜査にあたるだけではなく、
地域の
住民からの
困りごとの
相談に
乗ったり
落とし物を
受け付けたりすることも
業務の
一つです。
外国人観光客の増加に伴って道案内をすることも日常的にあり、こうした日本独特の「開かれた交番」は、海外からも注目され各国の警察が視察に訪れるほどでした。
しかし去年、富山市で交番が襲撃されて警察官が殺害されるなどの事件を受けて、警察庁は交番の警備強化を全国の警察に指示し、まさに対策が進められているところでした。
例えば、これまで交番に置かれていた四角い机はカウンタータイプのものに変え、来訪者が部屋の奥に簡単に入ってこられないようにしたり、交番内の死角をなくすために防犯カメラを増設したりといった取り組みが各地で進んでいます。
警察官の装備も、刃物が突き通せないようにするための、チョッキのような特殊な服を常時着用するようにしました。
今回刺された警察官はこの特殊な服を着ていたにもかかわらず、服に覆われていない部分を刺されて重体になっていて、警察は今後、より重装備にすることを検討するものとみられます。
ある警察幹部は「警察官が自分たちの身を守れなければ、市民の安全も守ることはできない。今回の事件を受けて従来の考え方を抜本的に見直すことも検討しなければならない」と話しています。
これまでの「開かれた交番」から、警備強化と警察官の安全対策に大きくシフトせざるをえないというのです。
これまで、交番が襲撃されたり警察官が死傷する事件が起きるたびに少しずつ装備や態勢を見直し、交番の「親しみやすさ」と「警備強化」の両立を模索してきましたが、「毎年のように事件が起きてもはや限界だ」と話す警察幹部もいます。
地域に親しまれ、開かれた形で治安に貢献してきた日本の交番は、大きな転換期を迎えているといえます。