厚真町の仮設住宅では今も165世帯367人が暮らしています。
このうち、加藤美津子さん(89)は地震で自宅が半壊し、仮設住宅での生活を余儀なくされています。
6日は朝早くから玄関の前で手を合わせて、地震で亡くなった人たちを悼みました。
加藤さんは「1年は早いと感じました。前を向いて進んでいる感じはあまりしません。高齢なので将来への不安が大きいです」と話していました。
また、町内の別の仮設住宅で暮らす中村忠雄さん(57)は「仮設住宅に引っ越してきた当時はストレスを感じていましたが、今はこの生活に慣れてきました。いずれ町を出ようかと考えていましたが、1年たってどんな形であれ厚真町で暮らしていこうと考えるようになりました」と新たな思いを語っていました。
仮設店舗のたいやき屋は
去年の地震でたいやき店が全壊し、その後、仮設店舗で営業してきたむかわ町の工藤弘さんは「本当にあっという間に1年がすぎた。お客さんも大勢来てくれて、頑張ってと声をかけてくれるのは、涙は見せないけど涙が出てくる」と1年を振り返りました。
工藤さんは町おこしにつなげようと、町内で化石が見つかり新種の恐竜であることが分かった「むかわ竜」をかたどったたいやきの販売も手がけていましたが、去年の地震で金型が壊れてしまいました。
壊れた金型は捨てずに残してあり、お客さんから当時のことを聞かれた際に見せて地震の怖さを伝えているということです。
工藤さんは「いろいろな人に元気をもらっているので、自分にできることはなんでも協力して、復興の役にたっていきたい」と話していました。