Japanese News: WBC どうする日本！ ”世界を知る男” 川崎宗則選手に聞く！

「選手せんしゅの人生じんせいが変かわる大会たいかいだと思おもいます」

そう力強ちからづよく語かたるのは、2006年ねんのWBC＝ワールド・ベースボール・クラシック第だい1回かい大会たいかい、そして2009年ねんの第だい2回かい大会たいかいで日本にっぽんの優勝ゆうしょうに貢献こうけんした川崎かわさき宗たかし則のり選手せんしゅです。

WBCを経験けいけんした後のち、大リーグだいり-ぐでもプレーした川崎かわさき選手せんしゅに、世界せかいのスター選手せんしゅがひしめく今こん大会たいかいの見みどころをたっぷり聞ききました。

今こん大会たいかいは “とにかくスターぞろい！”

現在げんざい、プロ野球やきゅうBCリーグ・栃木とちぎゴールデンブレーブスに所属しょぞくする川崎かわさき選手せんしゅ。

WBCで日本にっぽんの2回かいの優勝ゆうしょうをいずれも経験けいけんした41歳さいに今こん大会たいかいの展望てんぼうを尋たずねると「ドキドキしています」と興奮こうふん気味ぎみに話はなし始はじめてくれました。

（川崎かわさき宗むね則そく選手せんしゅ）

「世界せかい一いちの野球やきゅうを決きめる大会たいかいに、日本にっぽんだけでなく世界せかい各国かっこくのスーパースター、野球やきゅうが本当ほんとうにうまい人ひとたちが集あつまるので、見みどころしかないです。大リーグだいり-ぐのオールスター中ちゅうのオールスター、とんでもないメンバーですよ」

全員ぜんいん “キャプテンアメリカ”！？

優勝ゆうしょう候補こうほとして川崎かわさき選手せんしゅが最初さいしょに上あげたのが「“キャプテンアメリカ”がたくさんいるようなチーム」という前回ぜんかい優勝ゆうしょうのアメリカです。

大リーグだいり-ぐ、エンジェルスの大谷おおや翔しょう平ひら選手せんしゅのチームメートで、MVP＝最優秀さいゆうしゅう選手せんしゅ賞しょうを3回かい獲得かくとくしているトラウト選手せんしゅ。

昨さくシーズン、MVPのゴールドシュミット選手せんしゅ。

球界きゅうかいナンバーワンキャッチャーの呼び声よびごえ高たかいリアルミュート選手せんしゅなど、大リーグだいり-ぐで実績じっせきのあるトップ選手せんしゅが名なを連つらねています。

（川崎かわさき宗むね則そく選手せんしゅ）

「打撃だげきに目めが行いきがちですが、守備しゅび力りょくも高たかい選手せんしゅがそろっている印象いんしょうです。過去かこにないアメリカの本気ほんき度どで『連覇れんぱする』という強つよい決意けついが表あらわれていると思おもいます。特とくにカーディナルスのアレナド選手せんしゅ、フィリーズのターナー選手せんしゅなど内野ないや陣じんの守備しゅび力りょくが高たかく、守備しゅびのチームといっても過言かごんではないと思おもいます」

サードとしてゴールデングラブ賞しょうを10年ねん連続れんぞくで獲得かくとくしているアレナド選手せんしゅなど、守備しゅびの名手めいしゅもそろえているアメリカ。

そして、キャプテンのトラウト選手せんしゅの存在そんざいが、このスター軍団ぐんだんをすきのないチームにしていると言いいます。

（川崎かわさき宗むね則そく選手せんしゅ）

「アメリカの監督かんとくは僕ぼくの元もとチームメートですが、まずキャプテン・トラウトを決きめていたそうです。人間にんげん性せいが素晴すばらしく、みんなに好すかれる選手せんしゅなので、この選手せんしゅがあらゆる面めんでチームを引っ張ひっぱっていくと思おもいます。大リーグだいり-ぐでチームメートの大谷おおや選手せんしゅとは初はじめての対戦たいせんになりますが、キャンプの投球とうきゅう練習れんしゅうでトラウト選手せんしゅが打席だせきに入にゅうろうとして、大谷おおや選手せんしゅが断ことわったという話はなしも聞ききました。戦たたかいはすでに始はじまってるんですね」

ドミニカ共和国どみにかきょうわこくは“荒々あらあらしく” “お祭り騒おまつりさわぎ”

川崎かわさき選手せんしゅが次つぎに名前なまえを挙あげたのが、2大会たいかいぶりの優勝ゆうしょうを目指めざすドミニカ共和国どみにかきょうわこくです。

おととし大谷おおや選手せんしゅとホームラン王おうを争あらそったブルージェイズのゲレーロ Jr.選手せんしゅ。

昨さくシーズン、ナショナルリーグのサイ・ヤング賞しょうを受賞じゅしょうしたマーリンズのアルカンタラ投手とうしゅなどを擁ようしています。

川崎かわさき選手せんしゅは、成熟せいじゅくしたアメリカに比くらべて若わかい選手せんしゅが多おおく、勢いきおいのあるチームと評ひょうしています。

（川崎かわさき宗むね則そく選手せんしゅ）

「『WBCで活躍かつやくして大おおきな契約けいやくを取とるぞ』と気合きあいの入はいっている選手せんしゅがたくさんいて、その荒々あらあらしさが怖こわいところです。投手とうしゅも野手やしゅもオールスター級きゅうがそろっています。一方いっぽうで見みてほしいのが、ドミニカ共和国どみにかきょうわこくの選手せんしゅたちは本当ほんとうにわいわいと楽たのしく野球やきゅうをするんです。『野球やきゅうはお祭まつりだ』とベンチでもがやがややってるし、試合しあいが終おわったらサルサダンスしてるし。これはこれで見みている人ひとは楽たのしめると思おもいますね」

日本にっぽんは対策たいさく “される側がわ”！

前回ぜんかい大会たいかい、アメリカ代表だいひょうとして出場しゅつじょうしMVPを獲得かくとくしたストローマン投手とうしゅ率ひきいるプエルトリコや、おととしホームラン王おうと打点だてん王おうを獲得かくとくしたペレス選手せんしゅのいるベネズエラなど、各かくチームが大物おおもの選手せんしゅをそろえた今こん大会たいかい。

そんな世界せかいの強豪きょうごうを相手あいてに日本にっぽんはどう戦たたかえばいいのか。

こう質問しつもんすると、川崎かわさき選手せんしゅは対策たいさくをするのは「日本にっぽんと戦たたかう相手あいての方ほうだ」と即答そくとうしました。

（川崎かわさき宗むね則そく選手せんしゅ）

「今いま、世界せかいランキング1位いは日本にっぽんですから、日本にっぽんは日本にっぽんの野球やきゅうをすればいいんです。それに対にたいして、どうするかというのを考かんがえるのは対戦たいせん相手あいての方ほうです。日本にっぽんには世界一せかいいちの投手とうしゅ陣じんがいます」

（川崎かわさき宗むね則そく選手せんしゅ）

「大谷おおや選手せんしゅはトラウト選手せんしゅに日本にっぽんチームについて聞きかれたとき『自分じぶんよりすごいピッチャーがたくさんいる』と答こたえたそうです。それを聞きいてトラウト選手せんしゅは『えーえ-！それじゃ俺おれたちは、どうしたらいいんだ』って」

そして川崎かわさき選手せんしゅは、ライバルたちが警戒けいかいする大谷おおや選手せんしゅやダルビッシュ有ゆう投手とうしゅ、それに佐々木ささき朗あきら希まれ投手とうしゅ、山本やまもと由ゆかり伸しん投手とうしゅなどの投手とうしゅ陣じんを中心ちゅうしんとした守もり勝かつ野球やきゅうを貫つらぬくことこそ、日本にっぽんが世界一せかいいちに近ちかづく道みちだと指摘してきします。

（川崎かわさき宗むね則そく選手せんしゅ）

「大リーグだいり-ぐでは投手とうしゅと内野ないや手しゅの守備しゅび連係れんけいを日本にっぽんほどしないんです。ですので、そこがキーポイントになると思おもいます。大谷おおや選手せんしゅや吉田よしだ選手せんしゅなどホームランを狙ねらえる選手せんしゅ以外いがいの選手せんしゅが、相手あいてピッチャーを揺ゆさぶるような攻撃こうげきができるかどうかだと思おもいます。1点てんを取とりに行いく、1点てんを守まもる、小ちいさいころから積み重つみかさねてきた“ジャパニーズベースボール”ができるかどうかだと思おもいます」

人生じんせい・野球やきゅう観かんを変かえる力ちからのある大会たいかい

2006年ねんのWBC第だい1回かい大会たいかいの決勝けっしょう。

最終さいしゅう盤ばんの9回かい、イチロー選手せんしゅのライト前ぜんヒットの間まに、二塁にるいランナーだった川崎かわさき選手せんしゅは一気いっきにホームへ生還せいかんしました。

そのプレーはキャッチャーのブロックの隙間すきまを縫ぬって右手みぎてでホームベースにタッチした鮮あざやかさから「神かみの右手みぎて」と呼よばれ、大会たいかいのハイライトの1つになりました。

川崎かわさき選手せんしゅは、この大会たいかいがのちに大リーグだいり-ぐに挑戦ちょうせんするきっかけになったと振り返ふりかえります。

（川崎かわさき宗むね則そく選手せんしゅ）

「練習れんしゅうで向むこうのチームと試合しあいをしたときにアメリカの野球やきゅうがすごく楽たのしいと感かんじたんです。いろいろな国くにに友達ともだちもたくさんできて、人生じんせい・野球やきゅう観かんが変かわったと思おもっていますし、僕ぼくはWBCに感謝かんしゃしています。今回こんかいも東京ドームとうきょうど-むでやってるうちはあまり感かんじないかもしれませんが、アメリカに行いったときに感かんじるものがたくさんあると思おもうので、ぜひ勝かち上じょうがってアメリカまで行いってほしいですね」

最後さいごに、川崎かわさき選手せんしゅが予想よそうする決勝けっしょうのカードを聞ききました。

「日本にっぽん対たいドミニカです。これまでにないカード、どうでしょう」

（川崎かわさき宗むね則そく選手せんしゅ）

「野球やきゅうは『プレーボール』というかけ声かけごえから始はじまるんです。『ボールで遊あそべ』なんですね。試合しあいで誰だれが勝かつかは神様かみさましか知しらないので、僕ぼくはそこにフォーカスしてなくて、最高さいこうの野球やきゅうの遊あそびを見みせてほしいと思おもいます。そして見みている側がわは推おしの選手せんしゅを目めいっぱい愛あいしてほしいです。その愛あいを力ちからに変かえてプレーしてくれると思おもいますよ」