その後、FA=フリーエージェントで阪神に移籍しましたが、広島復帰後の平成28年に通算2000本安打を達成し、去年、チームのリーグ3連覇に貢献して、20年間の現役生活を終えました。
引退セレモニーは、広島市のマツダスタジアムでの広島対オリックスのオープン戦の中で行われ、試合前にユニフォーム姿の新井さんが登場すると、3万人を超えるファンから大きな歓声が上がりました。
そして監督として新井さんを4番に抜てきした山本浩二さんや、ともにチームを引っ張った黒田博樹さんがサプライズで登場し、プレゼントを贈られると笑顔を見せていました。
そのあと新井さんは、左右のバッターボックスに息子2人を立たせて始球式を行いました。
試合後のスピーチでは「広島で生まれ育った自分の小さな頃からの夢は、カープの選手になることでした。アマチュア時代にたいしたことのなかった私が20年も現役でいられたのは、球団と多くの人との出会いのおかげです。すばらしい野球人生でした」と感謝の気持ちを述べました。
そのうえで「これからはファンに戻り、かわいい後輩を応援していきたいです。ファンの皆さん、たくさん怒らせ悲しませたのに、こんなにたくさん応援していただき、ありがとうございました」とあいさつし、真っ赤に染まったマツダスタジアムでファンに別れを告げました。
新井さん あいさつ全文
広島で生まれ広島で育ち、小さな頃からの夢はカープの選手になることでした。
アマチュア時代、たいした選手ではない私をとって育ててくれたカープ球団。
そして、たくさんのすばらしい出会いのおかげで、このすばらしいプロの世界で20年間もユニフォームを着させていただきました。
ユニフォームを脱いで数か月経ちますが、うれしかったこと、楽しかったことより、苦しかったこと、悔しかったことのほうが、はるかに多い野球人生でした。
最後は3連覇させてもらい、そして日本シリーズという最高の舞台でユニフォームを脱がせていただけたのは、今ベンチ前にいる弟のようにかわいい後輩たちのおかげです。
本当にみんなありがとう。
彼らは今シーズンも皆さんを大いに楽しませ、喜ばせてくれると思います。
私も今一度カープファンに戻り、皆さんと一緒になってかわいい後輩たちを応援したいと思います。
最後になりましたが、私の野球人生むだなことは何一つありませんでした。
今思うとすばらしい野球人生でした。
7年間お世話になったタイガース球団ならびにタイガースファンの皆様、ありがとうございました。
選手会長時代、いつも選手会を支援してくれ、背中を押してくれたプロ野球ファンの皆様、ありがとうございました。
そして最後に、13年間お世話になったカープ球団ならびにカープファンの皆様。
たくさん怒らせ、たくさん悲しませたのに、こんなにたくさん応援していただき、ただただありがとうございました。