作業着や安全靴で国内トップの「ミドリ安全」は日本プロゴルフ協会と共同でゴルフ用のパンツを開発し、販売を始めました。
このパンツは、サポーターの役割を果たすベルトと一体になっていて、会社では、強くスイングしたりしゃがんだりしてもベルトがずれにくく腰の負担の軽減に役立つとしています。
「ミドリ安全」では、これまで建設や介護などの現場で使う作業パンツを作っていて、これをゴルフ向けに応用した形です。
この会社が一般の消費者向けに商品を販売するのは昭和27年の創業以来初めてで、今後、人口減少で国内市場の縮小が見込まれる中、新たなユーザーを開拓することがねらいです。
記者会見した松村不二夫社長は「作業現場だけでなく、ファッション性や機能性を持たせた一般の人向けの商品も作っていくことで、会社としての幅を広げていきたい」と述べました。
作業着の業界では、チェーン店の「ワークマン」も、機能性だけでなくデザイン性も重視したアウトドア用の衣類の品ぞろえを強化していて、従来のイメージを転換し、一般の消費者への浸透を図る動きが広がっています。
「ワークマン」新業態の店舗 相次ぎ出店
作業着のチェーン店を展開する「ワークマン」は、去年秋から、作業着だけでなくアウトドアやスポーツ用の衣類の品ぞろえを大幅に増やした新しい業態の店舗を相次いで出店しています。
ワークマンによりますと、3年ほど前にバイクに乗る人たちの間で防水や防寒用の作業着が価格のわりに機能が高いなどとSNSで話題となり、作業現場以外での活用が広がったということです。
これをきっけかに会社では作業着で培った技術を生かして機能性やデザイン性を重視した商品の開発に力を入れ、現在ではレインウエアやTシャツなどアウトドアやスポーツ用の商品を販売しています。
これらの価格は、アウトドアブランドやスポーツブランドの3分の1から5分の1程度だということです。
こうした取り組みで、かつては全体の数%だった女性客の比率が3割ほどに増えるなど、新たな顧客の獲得につながっているということで、ワークマンは2020年3月までに新しい業態の店を今の5倍の68店舗に増やす計画です。
ワークマン営業企画部の林知幸さんは「作業着がアウトドアやスポーツで使われることは全く想定していなかったがこれまでの技術を生かして、低価格で機能性の高い商品に引き続き力を入れていく」と話しています。