土星や
天王星など太陽系の
一部の
惑星は、
およそ40
億年前に
太陽から
離れる方向に
大きく
移動したとする
仮説を
裏付ける
結果が、
地球に
落下した隕
石を
分析することで
得られたと
茨城大学などの
研究グループが
発表し、
太陽系の
形成過程を
知る成果として
注目されています。
茨城大学や東京大学などの研究グループは、カナダ西部に19年前に落下した隕石を分析し、隕石の由来を調べました。
その結果、隕石は落下したコースから木星の内側にある小惑星帯からきたと推定されたものの、その成分は木星よりも外側の温度が低いところでできた特徴をもっていることがわかりました。
そのためグループは、この隕石は木星よりも外側でつくられた後、木星の内側の小惑星帯に移動してきたと考えられるとしています。
太陽系ができる過程では、およそ40億年前に木星よりも外側の惑星はそれぞれの重力が影響し合って太陽から離れる方向に移動し、海王星は地球と太陽の距離の15倍にあたる22億キロ余り、天王星はおよそ7億5000万キロ外側に移動し、逆に小惑星の一部は木星よりも遠くから木星の内側に移動したという説があります。
グループは、今回の隕石の分析結果は、40億年前の惑星の大規模な移動を裏付ける可能性があるとしています。
研究グループの代表で茨城大学の藤谷渉助教は「ダイナミックな太陽系の形成の過程を知る手がかりとなる」と話しています。