フェンシング 加納かのう虹にじ輝てるが金メダルきんめだる 男子だんしエペ個人こじん パリ五輪ごりん

前回ぜんかいの東京とうきょう大会たいかいで日本にっぽんフェンシング界かい初はつの金メダルきんめだるを獲得かくとくした団体だんたいのメンバーで、エースの加納かのう選手せんしゅは、初戦しょせんから順調じゅんちょうに勝かち上あがりました。

準決勝じゅんけっしょうでは、ハンガリーのティボル・アンドラーシュフィ選手せんしゅと対戦たいせんし、残のこり5秒びょうで追おいつかれたものの、延長えんちょう戦せんで積極せっきょく的てきに攻せめて、この種目しゅもくで初はじめてとなる決勝けっしょうに進すすみました。

そして決勝けっしょうでは、地元じもとフランスのヤニック・ボレル選手せんしゅと対戦たいせんしました。

ボレル選手せんしゅは3回戦かいせんで加納かのう選手せんしゅのチームメイトの見延みのべ和かず靖やすし選手せんしゅ、それに準々じゅんじゅん決勝けっしょうで同おなじくチームメイトの山田やまだ優ゆう選手せんしゅを破やぶって勝ち進かちすすんできました。

体からだが大おおきくリーチのあるボレル選手せんしゅに対にたいし、加納かのう選手せんしゅは素早すばやい動うごきで序盤じょばんから積極せっきょく的てきに懐ふところへ飛び込とびこんでいき、第だい2ピリオドで連続れんぞくでポイントを重かさね、一気いっきに差さを広ひろげました。

そして、加納かのう選手せんしゅは最終さいしゅうの第だい3ピリオドで15ポイントを先取せんしゅして15対たい9で快勝かいしょうし、前回ぜんかいの団体だんたいに続つづいて金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。

フェンシングの個人こじん種目しゅもくで日本にっぽん選手せんしゅが金メダルきんめだるを獲得かくとくするのは初はじめてです。

フェンシング男子だんしエペ個人こじんの銅メダルどうめだるは、エジプトのムハマド・エルサイード選手せんしゅでした。

加納かのう「ほかの大会たいかいのメダルとは違ちがう」

金メダルきんめだるを獲得かくとくした加納かのう虹にじ輝てる選手せんしゅは「オリンピックの金メダルきんめだるはほかの大会たいかいのメダルとは違ちがうものがあって『今いままで頑張がんばってやってきたことが間違まちがっていなかった』という思おもいがこみ上こみあげてきて、感極かんきわまるくらいうれしい」と喜よろこびを語かたりました。

決勝けっしょう戦せんについて、相手あいてのヤニック・ボレル選手せんしゅが3回戦かいせんと準々じゅんじゅん決勝けっしょうで見延みのべ和かず靖やすし選手せんしゅと山田やまだ優ゆう選手せんしゅをそれぞれ破やぶっていたことに触ふれ「気持きもちで勝かちにいった。日本にっぽん勢ぜい2人にんが負まけているので3人にん目めは負まけないぞという気持きもちで戦たたかった。試合しあい展開てんかいとしては先さきにリードしたかったので、相手あいてが攻せめてきたところをカウンターでとってリードを広ひろげていく作戦さくせんだった」と明あかしました。

また、フェンシングの個人こじん種目しゅもくで日本にっぽん選手せんしゅとして初はじめて金メダルきんめだるを獲得かくとくしたことについては「僕ぼくは銀ぎんメダリストの太田おおた雄貴ゆうきさんを見みてフェンシングを始はじめたので、その人ひとを超こえられるとは思おもっていなかった、信しんじられない。東京とうきょう大会たいかいが終おわったあと、団体だんたいだけではなく個人こじん戦せんでも金メダルきんめだるを獲得かくとくしたいとずっと言いってきたので、実行じっこうすることができてうれしい」と充実じゅうじつした表情ひょうじょうで話はなしました。

その上うえで「団体だんたい戦せんのことしか頭あたまにない。次つぎはチーム一丸いちがんとなってまた金メダルきんめだるを取とりたい」と連覇れんぱがかかる男子だんしエペ団体だんたいを見据みすえていました。

“自分じぶん史上しじょう最強さいきょう” で歴史れきしに名なを刻きざむ

『フェンシング人生じんせいのなかでいまが一番いちばん強つよい。金メダルきんめだるをとれる可能かのう性せいはかなり高たかい』。

ことし5月つき、加納かのう虹にじ輝てる選手せんしゅは大勢たいせいのメディアが詰つめかけた取材しゅざいの場ばでそう宣言せんげんしました。

ふだんは控ひかえめな加納かのう選手せんしゅの口くちから出でた自信じしんに満みちた言葉ことば。

落ち着おちついた様子ようすからそれはリップサービスではなく心こころから思おもっていることだと直感ちょっかんできました。

転機てんきはエペ団体だんたいのメンバーとして日本にっぽんフェンシング界かい初はつの金メダルきんめだるに輝かがやいた東京とうきょうオリンピックでした。

まさに“シンデレラボーイ”。

試合しあいを締しめるアンカーとして歴史れきし的てきな優勝ゆうしょうを決きめる舞台ぶたいに立たったことで自信じしんを深ふかめ、ポテンシャルを一気いっきに開花かいかさせました。

身長しんちょう1メートル73センチとフェンシングの選手せんしゅとしてはひときわ小柄こがらながらも、一瞬いっしゅんのスピードと幼おさないころの器械きかい体操たいそうで培つちかった体からだ幹みきを生いかして、低ひくい姿勢しせいからの攻撃こうげきで貪欲どんよくにポイントを奪うばうスタイル。

東京とうきょう大会たいかい以降いこうの3年間ねんかん、国際こくさい大会たいかいの個人こじんで優勝ゆうしょうを果はたして男子だんしエペの世界せかいランキングでも一時いちじ1位いに立たつなど、世界せかいの舞台ぶたいで躍進やくしんする日本にっぽんフェンシング界かいの男子だんしのエースとしてけん引けんいんし続つづけました。

自身じしん2回かい目めのオリンピック。

東京とうきょう大会たいかいと異ことなる有ゆう観客かんきゃく開催かいさいで、しかも競技きょうぎの本場ほんばであるフランスで行おこなわれる大会たいかいにも初戦しょせんを終おえたあとには「ふだんの大会たいかいと変かわらない」と話はなし、落ち着おちついた様子ようすでした。

危あぶなげなく順調じゅんちょうに勝かち上あがり、準決勝じゅんけっしょうではハンガリーの選手せんしゅを相手あいてに延長えんちょう戦せんで先さきにポイントを取とった方ほうが勝かつ1本ほん勝負しょうぶに入はいりましたが、その1ポイントをもぎとる精神せいしん的てきな強つよさも見みせました。

試合しあい直後ちょくごには喜よろこびをぐっとこらえ、「うれしいがあくまで金きんを狙ねらっている」と話はなした加納かのう選手せんしゅ。

決勝けっしょうでは地元じもとフランスのエース、ヤニック・ボレル選手せんしゅと対戦たいせんし、会場かいじょうのほとんどが相手あいてを応援おうえんする厳きびしい雰囲気ふんいきのなかでも落ち着おちついて終始しゅうし、試合しあいを優位ゆういに進すすめました。

日本にっぽん選手せんしゅ2人にんを破やぶって決勝けっしょうに進すすんだ相手あいてにしっかりとリベンジを果はたして目標もくひょうの金メダルきんめだるを獲得かくとく。

“自分じぶん史上しじょう最強さいきょう”。

そのことば通どおりの姿すがたをオリンピックという最高さいこうの舞台ぶたいで見みせました。

個人こじんでの金メダルきんめだるは日本にっぽんフェンシング界かいでは太田おおた雄貴ゆうきさんでさえなしえなかった快挙かいきょです。

加納かのう選手せんしゅは、いまはっきりとその名なを歴史れきしに刻きざみました。

＝＝ここまでの勝かち上あがり＝＝

準決勝じゅんけっしょう 延長えんちょう戦せんで勝利しょうり

パリオリンピック、フェンシング男子だんしエペ個人こじんの準決勝じゅんけっしょうが行おこなわれ、加納かのう虹にじ輝てる選手せんしゅが決勝けっしょう進出しんしゅつを決きめ、銀メダルぎんめだる以上いじょうが確定かくていしました。

この種目しゅもくで日本にっぽんのエースの加納かのう選手せんしゅは、準決勝じゅんけっしょうでハンガリーのティボル・アンドラーシュフィ選手せんしゅと対戦たいせんし延長えんちょう戦せんで勝かって決勝けっしょう進出しんしゅつを決きめました。

この種目しゅもくで日本にっぽん選手せんしゅがメダルを獲得かくとくするのは初はじめてです。

準々じゅんじゅん決勝けっしょう 一いち度どもリード奪うばわれることなく勝利しょうり

パリオリンピックは、フェンシング男子だんしエペ個人こじんが行おこなわれ、エースの加納かのう虹にじ輝てる選手せんしゅが準決勝じゅんけっしょう進出しんしゅつを決きめました。

この種目しゅもくで日本にっぽんのエースの加納かのう選手せんしゅは、2回戦かいせんと3回戦かいせんを順調じゅんちょうに勝かち上あがり、準々じゅんじゅん決勝けっしょうでカザフスタンのルスラン・クルバノフ選手せんしゅと対戦たいせんしました。

試合しあいは加納かのう選手せんしゅが第だい1ピリオドから試合しあいを優位ゆういに進すすめ、相手あいてに一いち度どもリードを奪うばわれることなく15対たい6で勝かって、準決勝じゅんけっしょう進出しんしゅつを決きめました。

見延みのべ和かず靖やすしは3回戦かいせん 山田やまだ優ゆうは準々じゅんじゅん決勝けっしょうで敗退はいたい

一方いっぽう、東京とうきょう大会たいかいの団体だんたいで加納かのう選手せんしゅとともに金メダルきんめだるを獲得かくとくしたメンバーの見延みのべ和かず靖やすし選手せんしゅは、地元じもとフランスのヤニック・ボレル選手せんしゅに敗やぶれ、3回戦かいせんで姿すがたを消けしました。

また、同おなじく東京とうきょう大会たいかいの団体だんたいメンバーの山田やまだ優ゆう選手せんしゅも、ヤニック選手せんしゅと準々じゅんじゅん決勝けっしょうで対戦たいせんし、延長えんちょう戦せんの末すえ、敗やぶれました。

「ももぺっちん」は決きまったが… 山田やまだ優ゆう 惜敗せきはいに「悔くやしい」

山田やまだ優ゆう選手せんしゅは準々じゅんじゅん決勝けっしょうで地元じもとフランスのエース、ヤニック・ボレル選手せんしゅと延長えんちょう戦せんとなり、先さきに1ポイントを取とったほうが勝かつ1本ほん勝負しょうぶの末すえに惜敗せきはいしました。

会場かいじょうのグランパレはフランス人じんの観客かんきゃくで埋うまり、試合しあい中ちゅうは国歌こっかで応援おうえんしたりボレル選手せんしゅがポイントを取とると大だい声援せいえんで後押あとおししたりするなど、山田やまだ選手せんしゅにとって厳きびしい雰囲気ふんいきにつつまれました。

ただその中なかでも、東京とうきょうオリンピックのエペ団体だんたいの金メダルきんめだるメンバーである山田やまだ選手せんしゅは落ち着おちついていました。

みずから「ももぺっちん」と名付なづけた、剣けんをしならせて相手あいてのももを軽かるくたたく必殺ひっさつ技わざで序盤じょばんからペースを握にぎり、終盤しゅうばんまで試合しあいをリードしました。

最後さいごは、地元じもとの応援おうえんを受うけて執念しゅうねんを見みせる相手あいてに逆転ぎゃくてん負まけを喫きっしましたが、金きむメダリストとしての意地いじを見みせました。

山田やまだ選手せんしゅは試合しあい後ご「『ももぺっちん』がばんばん決きまっていたが、1回かい失敗しっぱいしたときにどこからか『行いくな』という声こえが聞きこえた気きがして、もうやらないほうがいいのかと疑うたがい始はじめ、そこからガタガタと崩くずれてしまった。絶対ぜったいに勝かてると思おもったので悔くやしい」と何なん度ども唇くちびるをかみながら話はなしました。

そのうえで「男子だんしエペは皆みながコンディションがいい。しっかりと休やすんで準備じゅんびしてフランスにリベンジしたい」と、2連覇れんぱがかかる団体だんたいに気持きもちを切り替きりかえていました。

見延みのべ和かず靖やすし “団体だんたい戦せんでジーンとさせられるような試合しあいを”

3回戦かいせんで同おなじボレル選手せんしゅに敗やぶれた見延みのべ和かず靖やすし選手せんしゅは、悔くやしそうな表情ひょうじょうを見みせながらも「本番ほんばんは団体だんたい戦せんだと思おもっている。あと数すう日にちあるので、今回こんかいの反省はんせいをするとともにリカバリーして調整ちょうせいしていきたい。感動かんどうを、ジーンとさせられるような試合しあいを届とどけたい」と、東京とうきょう大会たいかいの金メダルきんめだるで話題わだいとなった「エペジーーン」の再来さいらいを期きしていました。