福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ 処理しょり水すい放出ほうしゅつ きょう(25日にち)の動うごき

福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつでは、汚染おせん水すいを処理しょりしたあとに残のこるトリチウムなどの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを含ふくむ処理しょり水すいが1000基き余あまりのタンクに保管ほかんされ、容量ようりょうの98％にあたる134万まんトンに上のぼっています。

東京とうきょう電力でんりょくは、政府せいふの方針ほうしんに基もとづき24日にち午後ごご1時じすぎ、大量たいりょうの海水かいすいで薄うすめた処理しょり水すいの放出ほうしゅつを開始かいししました。

これまでのところトラブルは報告ほうこくされていないということです。

また、放出ほうしゅつ開始かいしの2時間じかん後ごから原発げんぱつ周辺しゅうへんの海域かいいきの10地点ちてんで海水かいすいを採取さいしゅしてトリチウム濃度のうどの分析ぶんせきを進すすめていて、25日にち午後ごごに結果けっかを公表こうひょうするとしています。

放出ほうしゅつの開始かいしで、今後こんごはタンクが減少げんしょうし、廃はい炉ろ作業さぎょうに必要ひつようなスペースを確保かくほできることが期待きたいされていますが、今年度こんねんど計画けいかくされる放出ほうしゅつ量りょうがタンクおよそ30基き分ぶんとなっているのに対にたいし、およそ20基き分ぶんの処理しょり水すいの増加ぞうかが見込みこまれていて、実際じっさいに減へるのはおよそ10基き分ぶんの1万まん1200トンにとどまる見込みこみです。

処理しょり水すいの元もととなる汚染おせん水すいが1日にちおよそ90トンのペースで増ふえ続つづけているためで、東京とうきょう電力でんりょくは海うみへの放出ほうしゅつ量りょうを増ふやすとともに、汚染おせん水すいの発生はっせいをさらに抑制よくせいすることを計画けいかくしています。

中国ちゅうごくの日本にっぽん産さん水産物すいさんぶつ輸入ゆにゅう停止ていし 損害そんがい防ふせぐ対応たいおうにも力ちから入いれる 政府せいふ

中国ちゅうごくは「断固だんこたる反対はんたいと強烈きょうれつな非難ひなんを表明ひょうめいする」などと反発はんぱつし、税関ぜいかん当局とうきょくが日本にっぽんを原産地げんさんちとする水産物すいさんぶつの輸入ゆにゅうを、24日にちから全面ぜんめん的てきに停止ていしすると発表はっぴょうし、日本にっぽんの水産すいさん業ぎょうに与あたえる影響えいきょうへの懸念けねんが強つよまっています。

中国ちゅうごくの措置そちについて岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは「外交がいこうルートで中国ちゅうごく側がわに即時そくじ撤廃てっぱいを求もとめる申し入もうしいれを行おこなった。科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづいて専門せんもん家かどうしが、しっかり議論ぎろんしていくよう働はたらきかけていく」と述のべました。

政府せいふは、IAEA＝国際こくさい原子力げんしりょく機関きかんの報告ほうこく書しょで、処理しょり水すいの海洋かいよう放出ほうしゅつは国際こくさい的てきな安全あんぜん基準きじゅんに合致がっちし、人ひとや環境かんきょうへの影響えいきょうは無視むしできる程度ていどだとされており、中国ちゅうごくによる輸入ゆにゅう停止ていし措置そちは不当ふとうなものだと抗議こうぎするとともに、重かさねて撤廃てっぱいを求もとめていく考かんがえです。

また、風評ふうひょう対策たいさくなどのために政府せいふが設もうけている総額そうがく800億おく円えんの基金ききんの活用かつようのほか、東京とうきょう電力でんりょくによる賠償ばいしょうも含ふくめ、漁業ぎょぎょう者しゃらの損害そんがいを防ふせぐ対応たいおうに力ちからを入いれる方針ほうしんです。

G20 貿易ぼうえき・投資とうし相しょう会合かいごうで中国ちゅうごく側がわに抗議こうぎ

インドで開ひらかれているG20の貿易ぼうえき・投資とうし相しょう会合かいごうに出席しゅっせきしている山田やまだ外務がいむ副ふく大臣だいじんが記者きしゃ団だんの取材しゅざいに応おうじ、会合かいごうの中なかで中国ちゅうごく側がわに抗議こうぎしたことを明あきらかにしました。

この中なかで山田やまだ副ふく大臣だいじんは「わが国わがくにの処理しょり水すいの海洋かいよう放出ほうしゅつは、科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづき透明とうめい性せいを持もって国際こくさい社会しゃかいに説明せつめいを行おこなっていて、多おおくの国くにから理解りかいと支持しじを得えている」と述のべました。

そのうえで「中国ちゅうごくの科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづかない措置そちは全まったく受うけられず、即時そくじ撤廃てっぱいを求もとめた」と述のべ、中国ちゅうごく側がわに輸入ゆにゅう停止ていしの措置そちを直ただちにやめるよう求もとめたことを明あきらかにしました。

米べい国務省こくむしょう声明せいめい「国際こくさい基準きじゅんにのっとったもの」

アメリカ国務省こくむしょうの報道ほうどう担当たんとう者しゃは24日にち、声明せいめいで「放出ほうしゅつについては今後こんごも引き続ひきつづき科学かがくに基もとづいて判断はんだんされるべきだ。日本にっぽんの計画けいかくは安全あんぜんで、IAEA＝国際こくさい原子力げんしりょく機関きかんを含ふくめた国際こくさい基準きじゅんにのっとったものであり、満足まんぞくしている」としています。

そのうえで「日本にっぽんはIAEAと緊密きんみつに連携れんけいし科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづいた透明とうめい性せいの高たかいプロセスを踏ふんできた。日本にっぽんが科学かがく者しゃや、インド太平洋たいへいよう地域ちいきの各国かっこくの意見いけんを聞きいてきたことも理解りかいしている」とコメントしています。

処理しょり水すいの海洋かいよう放出ほうしゅつ 環境省かんきょうしょうが海水かいすい採取さいしゅ分析ぶんせきへ 27日にちに結果けっか公表こうひょう予定よてい

環境省かんきょうしょうは、25日にち午前ごぜんに放水ほうすい口ぐちから遠とおいところでおよそ40キロメートル離はなれた地点ちてんなど福島ふくしま県けん沖おきの合あわせて11地点ちてんで海水かいすいの採取さいしゅを行おこない、研究所けんきゅうじょでトリチウムなどの濃度のうどについて分析ぶんせきすることにしています。

分析ぶんせき結果けっかは27日にち午前ごぜんに公表こうひょう予定よていで、環境省かんきょうしょうのホームページなどに掲載けいさいするとしています。

西村にしむら環境かんきょう大臣だいじんは「風評ふうひょうを生しょうじさせないため、客観きゃっかん性せい・透明とうめい性せい・信頼しんらい性せいの高たかいモニタリングを徹底てっていしていく」としています。

環境省かんきょうしょうはこれまでも年とし4回かいの海域かいいきモニタリングを行おこなってきましたが、当面とうめん、1週間しゅうかんに1回かいと頻度ひんどを増ふやして分析ぶんせき結果けっかをホームページやSNSで公表こうひょうするとしています。