北海道の
知床半島では、
野生のヒグマを
撮影するため
大勢の
観光客が
道路に
車を
止める「ヒグマ
渋滞」が
発生しています。
人が
襲われたり
交通事故が
発生したりする
危険性が
増すとしてヒグマの
保護などにあたる
財団は
車から
降りずに
速やかに
通過してほしいと
呼びかけています。
世界自然遺産「知床」の観光地、知床五湖に通じる道路では夏から秋にかけて、川に魚を捕るために出没するヒグマを撮影しようと、大勢の観光客が道路に車を止める「ヒグマ渋滞」が数年前から発生しています。
18日、NHKが現場を取材したところ、10人ほどの観光客が片側1車線の道路の橋の上や大型車用の回転場に駐車して、ヒグマの姿を撮影していました。
知床には、およそ500頭のヒグマが生息すると推定されていて、ヒグマの保護や管理をしている「知床財団」は、人がヒグマに襲われたり、ヒグマが人に慣れたりするほか、車どうしの事故も発生するとして危機感を強めています。
「知床財団」は今月中旬、「ヒグマ渋滞」の現状やヒグマが観光客の車に近づく様子を動画で撮影してSNSに投稿したり、目撃情報をもとに付近をパトロールしたりして、21日からの3連休を前に、注意を呼びかけています。
「知床財団」の能勢峰さんは「観光客が近づいてヒグマの攻撃を誘発すると、そのヒグマは駆除しなければならなくなってしまう。ぜひ、車から降りずに速やかに通過してほしい」と呼びかけています。
一方、地元の斜里町も道路に駐車しないことやヒグマに近づかないことを呼びかける看板をできるだけ早く、渋滞発生場所に設置して、注意を呼びかけることにしています。