アメリカの
トランプ大統領が、
野党民主党に
不利な
情報を
得るために
大統領権限を
乱用してウクライナに
圧力をかけたとされる
疑惑で、
民主党側は、
この疑惑を
告発した
人物の
証言を
求める公聴会を
速やかに
行う考えを
示しました。
これに対し
トランプ大統領は、
この人物について「
手痛い
報いを
受けることに
なる」と
警告する
など、いらだちを
強めています。
トランプ大統領は、来年の大統領選挙の有力候補である民主党のバイデン前副大統領に不利な情報を得ようとして、ウクライナのゼレンスキー大統領に圧力をかけた疑惑が明らかになり、民主党は大統領が権限を乱用したとして、弾劾に向けた調査を進める方針です。
これについて、民主党が多数を占める議会下院で情報委員長を務める民主党のシフ議員は29日、ABCテレビに出演し、疑惑を告発した人物に証言を求める公聴会について「速やかにに行いたい」と述べ、調査を急ぐ方針を示しました。
これに対して、トランプ大統領は29日、ツイッターへの書き込みでシフ議員を批判したうえで、疑惑を告発した人や政権内部の情報提供者について「会ってみたいものだ。アメリカ大統領のスパイをしていたのか。手痛い報いを受けることになる」と警告しました。
トランプ大統領は民主党を批判する動画も公開して「史上最大の詐欺だ」と主張しているほか、疑惑を大きく報じるメディアも批判し、弾劾に向けた動きにいらだちを強めていて、大統領と民主党の攻防はさらに激しくなりそうです。
トランプ大統領 動画で民主党批判
トランプ大統領は、野党・民主党が弾劾に向けた調査に着手する方針を明らかにしたのを受けて28日、ツイッターに、みずから民主党を批判する38秒間の動画を投稿しました。
このなかでトランプ大統領は「いま起きていることは、アメリカの政治史上で最大の詐欺だ。民主党は皆さんから銃も判事も奪おうとしている」と述べています。
民主党が進める弾劾に向けた調査を批判するとともに、来年の大統領選挙で民主党に政権の奪還を許せば、銃の規制が進んだり、リベラルな判事が多く指名されたりする可能性があると訴えたものとみられます。
そのうえで「そんなことはさせない。アメリカがかつてないほどの危機にさらされているからだ。民主党が私を止めようとするのは、私が皆さんのために戦っているからだ」と述べ、有権者側の立場に立っているのは、民主党ではなく自分だとの考えを強調しました。