アメリカ政府は、
中国・
新疆ウイグル自治区の
警察にあたる
公安当局や
中国の
監視カメラの
メーカーなどが、ウイグル
族に対する
人権侵害に
関与したとして、アメリカ
企業に
取り引きを
禁じる措置を
発表し、
閣僚級の
貿易交渉を
前に
中国への
圧力を
強めるねらいがあり
そうです。
取り引きを
禁じる措置の
対象にされたのは、
中国・
新疆ウイグル自治区や
自治区の
中心都市ウルムチ
など各都市の
公安当局の
ほか、
自治区で
使われているとされる
中国・
杭州の
監視カメラの
メーカー「ハイクビジョン」など、
合わせて28の
政府機関と
企業です。
アメリカ商務省は7日、これらの政府機関や企業が、ウイグル族など少数民族の恣意的(しいてき)な拘束や監視などの人権侵害に関与したとして、アメリカ企業が政府の許可なく取り引きするのを禁じるリストに加えると発表しました。
発表でロス商務長官は、「アメリカ政府は、中国の少数民族に対する残忍な抑圧を容認しない」と非難しました。
トランプ政権は、中国がウイグル族への政策を改めるよう先月の国連総会で各国に連携を呼びかけたほか、議会上院も中国の当局者への制裁の検討を政府に義務づける法案を可決し、非難を強めています。
トランプ政権は、中国との閣僚級の貿易交渉を今月10日からワシントンで行うと正式に発表したばかりで、中国への圧力を強めるねらいがありそうです。
急速に業績伸ばす監視カメラの「ハイクビジョン」
監視カメラの世界シェアトップの「ハイクビジョン」は、中国・東部、浙江省杭州に本社があります。
ハイクビジョンの親会社は、電子機器などを手がける国有企業で、中国政府が治安対策として全国各地に監視カメラの設置を進める中、急速に業績を伸ばしてきました。
中国メディアによりますと、売上高は、2010年に36億人民元、日本円でおよそ538億円だったのが、2018年にはおよそ500億元、日本円でおよそ7470億円と14倍近くになったと伝えています。
中国全土には、1億7000万台以上の監視カメラが設置されていると言われる中、ハイクビジョンの中国国内での去年の売り上げは、おととしに比べて14%以上増加したということです。
また、アメリカやヨーロッパなど国外に40以上の拠点を構え、海外での展開も積極的に進めています。中国本土以外の去年の売り上げは、おととしに比べて25%近く増え、およそ142億元、日本円で2120億円にのぼると伝えられています。
さらに、顔認証技術を活用した監視カメラなど先端技術を開発が進められる中、ハイクビジョンは、研究開発にも積極的で、会社のホームページによりますと、およそ3万4000人以上いる従業員のうち、半数近い1万6000人が研究開発などに携わっているということです。