生活せいかつ保護ほご引き下ひきさ違法いほう 裁判さいばん相次あいつなか 最高裁さいこうさい統一とういつてき判断はんだん

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N1 Jun 27, 2025 16:06 1
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くに生活せいかつ保護ほご支給しきゅうがくを2013ねんから段階だんかいてき引き下ひきさげたことについて、最高さいこう裁判所さいばんしょは「厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん判断はんだんあやまがあり、違法いほうだった」として処分しょぶん取り消とりけ判決はんけつ言い渡いいわたしました。

同様どうよう裁判さいばん全国ぜんこく相次あいついでこされていて、統一とういつてき判断はんだんしめされたかたちです。

原告げんこくがわは、減額げんがくされたぶんをさかのぼって支給しきゅうするようもとめていて、およそ200まんにんとされる当時とうじ受給じゅきゅうしゃへのくに対応たいおう焦点しょうてんとなります。

厚生こうせい労働ろうどうしょうが2013ねんから3ねんにわたり、物価ぶっか下落げらく反映はんえいするなどとして生活せいかつ保護ほご支給しきゅうがく最大さいだいで10%引き下ひきさげたことについて、全国ぜんこく受給じゅきゅうしゃは「健康けんこう文化ぶんかてき最低さいてい限度げんど生活せいかつまもという法律ほうりつ違反いはんしている」などとして取り消とりけもとめるうったを30けんあまりこしました。

このうち名古屋なごや大阪おおさか裁判さいばんについて、最高さいこう裁判所さいばんしょだい3しょう法廷ほうてい宇賀うが克也かつや裁判さいばんちょうは「デフレ調整ちょうせい物価ぶっか変動へんどうりつだけを直接ちょくせつ指標しひょうにした厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん判断はんだんには専門せんもんてき知識ちしき整合せいごうせいところがあり、その手続てつづあやまで、違法いほうだった」として処分しょぶん取り消とりけ判決はんけつ言い渡いいわたしました。

くにさだめた生活せいかつ保護ほご基準きじゅんがくについて、最高裁さいこうさい違法いほう判断はんだんしたのははじめてです。

一方いっぽうくに賠償ばいしょうもとめるうった退しりぞけました。

同様どうよう裁判さいばん全国ぜんこく相次あいついでこされ、各地かくち裁判所さいばんしょ審理しんりつづいていて、統一とういつてき判断はんだんしめされたかたちです。

原告げんこくがわは、減額げんがくされたぶんをさかのぼって支給しきゅうするようもとめていて、およそ200まんにんとされる当時とうじ受給じゅきゅうしゃへのくに対応たいおう焦点しょうてんとなります。

原告げんこくら 「勝訴しょうそなどかみかかげる

最高さいこう裁判所さいばんしょまえでは判決はんけつけて原告げんこく弁護べんごだんが「勝訴しょうそ」や「保護ほご引き下ひきさ違法いほうせいみとめる」、「司法しほうきていた」などといたかみかかげました。

あつまった支援しえんしゃは、拍手はくしゅをして「おめでとうなどこえをかけていました。

はやし官房かんぼう長官ちょうかん内容ないよう十分じゅうぶん精査せいさ適切てきせつ対応たいおう

はやし官房かんぼう長官ちょうかんは27にち午後ごご記者きしゃ会見かいけんで「さきほど判決はんけつ言い渡いいわたされたばかりであり、今後こんご判決はんけつ内容ないよう十分じゅうぶん精査せいさし、適切てきせつ対応たいおうしていくかんがだ」とべました。

【Q&A】生活せいかつ保護ほごどうやってめる裁判さいばん争点そうてんは?

生活せいかつ保護ほごとは、そもそもどのような制度せいどで、今回こんかい裁判さいばんでなにが争点そうてんとなっているのか、まとめました。

Q。

生活せいかつ保護ほごはどういう制度せいど

A。

憲法けんぽう保障ほしょうする「健康けんこう文化ぶんかてき最低さいてい限度げんど生活せいかつ」をまもため、生活せいかつこまったひとたちにくに必要ひつよう支援しえんおこない、自立じりつたすける制度せいどです。

対象たいしょうは、ただちに活用かつようできる資産しさんがなく、仕事しごとがない、または仕事しごとをしても必要ひつよう生活せいかつられない、年金ねんきん手当てあてなど社会しゃかい保障ほしょう活用かつようしても生活せいかつりないひとたちです。

最新さいしん統計とうけいでは、ことし3つき時点じてんおよそ164まん世帯せたい、およそ200まんにん受給じゅきゅうしています。

今年度こんねんど予算よさん総額そうがくおよそ3ちょう7000おくえんで、くにが4ぶん3、地方ちほう自治体じちたいが4ぶんの1を負担ふたんします。

Q。

1世帯せたいあたり、どれぐらいがく支給しきゅうされているのか?

A。

世帯せたい状況じょうきょうによってことなります。支給しきゅうされる「保護ほご」の内訳うちわけは、食費しょくひ洋服ようふくだい光熱こうねつなど生活せいかつにあてる生活せいかつ扶助ふじょや、家賃やちんにあてる住宅じゅうたく扶助ふじょ医療いりょう扶助ふじょ葬祭そうさい扶助ふじょなど8種類しゅるいあります。

このうち今回こんかい裁判さいばんあらそわれている生活せいかつ扶助ふじょは、保護ほごけるひと年齢ねんれい世帯せたい人数にんずうらしている地域ちいきなどこまかく分類ぶんるいしたうえで基準きじゅんがくさだめられています。

この基準きじゅんがくは、専門せんもんによる厚生こうせい労働ろうどうしょう部会ぶかいで5ねんに1一般いっぱん所得しょとくひく世帯せたい生活せいかつかかる費用ひよう比較ひかくするなどして消費しょうひ実態じったいかけ離かけはなれていないか検証けんしょうされます。

そして部会ぶかい報告ほうこくけた厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが、最終さいしゅうてきには経済けいざい情勢じょうせいなどまえて、あら基準きじゅんがくめることになっています。

ことし10つき以降いこう生活せいかつ扶助ふじょ基準きじゅんがくは、たとえば東京とうきょう23場合ばあい、3さいから5さいどもが1にんいる30だい夫婦ふうふで15まん3400えん、75さい単身たんしん高齢こうれいしゃ世帯せたいで7まん1900えんです。

年金ねんきんなど収入しゅうにゅうこれら基準きじゅんがくもとにした生活せいかつ下回したまわった場合ばあい差額さがくが「保護ほご」として支給しきゅうされます。

Q。

今回こんかいおよそ30けん裁判さいばんこされたのはなぜ

A。

これまでにない方法ほうほう生活せいかつ扶助ふじょ基準きじゅんがく大幅おおはば引き下ひきさげられたからです。

今回こんかい裁判さいばんあらそわれているのは、2013ねん厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんめた生活せいかつ扶助ふじょ基準きじゅんがくです。

専門せんもんによる部会ぶかい消費しょうひ実態じったいもとづき検証けんしょうした結果けっかまえておよそ90おくえん当時とうじ物価ぶっか下落げらくまえた「デフレ調整ちょうせい」としておよそ580おくえんを、それぞれ削減さくげんするという内容ないようでした。

この「デフレ調整ちょうせい」には、厚生こうせい労働ろうどうしょう物価ぶっか動向どうこうをもとに算出さんしゅつした「生活せいかつ扶助ふじょ相当そうとうCPI」という独自どくじ指数しすう使つかわれました。

この指数しすう専門せんもん部会ぶかい検証けんしょうされたものではなく、指数しすうもとづく物価ぶっか下落げらくりつはマイナス4。

78%となり、総務そうむしょう消費しょうひしゃ物価ぶっか指数しすうの(ー2。35%)2ばいちかはばとなりました。

独自どくじ指数しすう使用しようしたことが大幅おおはば減額げんがく要因よういんとなり、原告げんこくは「不当ふとうだ」として相次あいついで裁判さいばんこしました。

Q。

裁判さいばん争点そうてんは?

A。

厚生こうせい労働ろうどうしょうおこなった引き下ひきさが「健康けんこう文化ぶんかてき最低さいてい限度げんど生活せいかつ」をまもという法律ほうりつ違反いはんしたどうかがおおきな争点そうてんになりました。

原告げんこくがわは「そもそも物価ぶっか指数しすうもちいて生活せいかつ扶助ふじょ見直みなお手法しゅほう過去かこにとられたことがない。

重大じゅうだい変更へんこうにもかかわらず、専門せんもん検討けんとう検証けんしょうおこなわれていない」と主張しゅちょうしました。

厚生こうせい労働ろうどうしょう独自どくじ計算けいさん方法ほうほうについては「生活せいかつ保護ほご世帯せたいあまり購入こうにゅうしていないパソコンテレビ価格かかく下落げらくおおきく反映はんえいされ、実態じったいかけ離かけはなれていた」などとして違法いほうだとしました。

一方いっぽうくには「当時とうじ世界せかいてき金融きんゆう危機きき影響えいきょう国民こくみん生活せいかつ水準すいじゅんおおきく低下ていかするなか、生活せいかつ保護ほご水準すいじゅん据え置すえおかれ、均衡きんこうになっていた。

その均衡きんこう是正ぜせいするためデフレ調整ちょうせいをした」と反論はんろんしました。

独自どくじ計算けいさん方法ほうほうについては「見直みなおにあたって専門せんもん機関きかん意見いけんもとめなければいけないという法令ほうれいじょうまりはない。

大臣だいじんにはきわめてひろ権限けんげんがあり、裁量さいりょう範囲はんいないおこなった」としました。

また当時とうじ手続てつづではんでいる地域ちいき年齢ねんれい家族かぞくかずによってはがくえる世帯せたいもありましたが、厚生こうせい労働ろうどうしょう世帯せたいかんのバランスを「ゆがみ調整ちょうせい」として、がくえる世帯せたいも、世帯せたいそのはば一律いちりつに2ぶん1にする処理しょり独自どくじおこないました。

この処理しょり適切てきせつだったかどうかも争点そうてんになりました。

Q。

これまでの裁判所さいばんしょ判断はんだんは?

A。

全国ぜんこくこされている31けん裁判さいばんうち、12けん高等こうとう裁判所さいばんしょ判決はんけつ言い渡いいわたされていて、このうち7けん引き下ひきさ違法いほうだとして取り消とりけみとめられ、5けん違法いほうではないとしてうった退しりぞけられました。

おととし11つき名古屋なごや高等こうとう裁判所さいばんしょ判決はんけつでは「厚生こうせい労働ろうどうしょうおこなった『デフレ調整ちょうせいなどは、統計とうけいなどの客観きゃっかんてき数値すうちとの合理ごうりせい十分じゅうぶんはかられていないほか専門せんもんてき知識ちしきとも整合せいごうせい

裁量さいりょう範囲はんい逸脱いつだつしていることはあきらかで、生活せいかつ保護ほごほう違反いはんし、違法いほう対応たいおうだった」として引き下ひきさ取り消とりけし、くにに対にたい原告げんこくに1にんあたり1まんえん慰謝いしゃりょう支払しはらようめいじました。

一方いっぽう大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょおととし4つき生活せいかつ保護ほごほうでは専門せんもんつく基準きじゅん部会ぶかいなど検証けんしょう要件ようけんとはしていない。

厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん判断はんだん不合理ふごうりてんはなく、見直みなお基準きじゅん健康けんこう文化ぶんかてき生活せいかつ維持いじするのに十分じゅうぶんではないとはえない」などとしてうった退しりぞける判決はんけつ言い渡いいわたしました。

Q。

最高裁さいこうさい判決はんけつ影響えいきょうは?

A。

今回こんかい審理しんりされているのは名古屋なごや大阪おおさかの2けんですが、判決はんけつ全国ぜんこくこされている同種どうしゅ裁判さいばん影響えいきょうすることになります。

また引き下ひきさ違法いほうとする判決はんけつ場合ばあい受給じゅきゅうしゃ当時とうじ正当せいとうがくをもらえていなかったということになります。

当時とうじ受給じゅきゅうしゃはおよそ200まんにんで、補償ほしょう問題もんだいなる可能かのうせいがあります。

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行動こうどうこうどう
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イランイランへの国連こくれん制裁せいさい 28にじゅうはちにちさい発動はつどう 欧米おうべいがわとの対立たいりつふかまること懸念けねん


イランのかく開発かいはつをめぐる国際こくさいてき合意ごういにイランが違反いはんしたとして2015ねん解除かいじょされていた国連こくれん制裁せいさいが28にちふたた発動はつどうされました。イランのかく開発かいはつ一層いっそう制限せいげんされることになり、欧米おうべいがわとの対立たいりつがよりふかまることが懸念けねんされます。
N1 Source: NHK 311 Sep 28, 2025 12:09
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南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしん 30さんじゅうねん以内いない発生はっせい確率かくりつ 2つの確率かくりつあらたに算出さんしゅつ

今後こんご30ねん以内いないに「80%程度ていど」としていた南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしん発生はっせい確率かくりつについて、政府せいふ地震じしん調査ちょうさ委員いいんかいは、あらたな研究けんきゅうなどをまえ「60%から90%程度ていど以上いじょう」と「20%から50%」の2つの確率かくりつあらたに算出さんしゅつしました。つぎ地震じしん発生はっせい切迫せっぱくしていることにわりはなく「60%から90%程度ていど以上いじょう」を強調きょうちょうするとしていますが、災害さいがい情報じょうほう専門せんもんは「一般いっぱんてき感覚かんかくからするとかりにくく、防災ぼうさい行動こうどうにつなげるための発信はっしん方法ほうほう工夫くふうもとめられる」と指摘してきしています。
N1 Source: NHK 267 Sep 26, 2025 17:09
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岩屋いわや外相がいしょう 核兵器かくへいき原料げんりょう生産せいさん禁止きんし条約じょうやくで“リーダーシップ発揮はっき






岩屋いわや外務がいむ大臣だいじんはニューヨークでひらかれた、核兵器かくへいき原料げんりょう生産せいさん禁止きんしする条約じょうやくに関にかんする外相がいしょう会合かいごう出席しゅっせきし、条約じょうやく内容ないようをめぐる交渉こうしょう開始かいしけて日本にっぽんがリーダーシップを発揮はっきしたいというかんがえをしめしました。
N1 Source: NHK 147 Sep 25, 2025 08:09
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JICA「ホームタウン」認定にんてい事業じぎょう撤回てっかい 交流こうりゅうへの支援しえん継続けいぞく





国内こくない自治体じちたいをアフリカのくにの「ホームタウン」に認定にんていする交流こうりゅう事業じぎょうをめぐり、JICA=国際こくさい協力きょうりょく機構きこうは、あやまった情報じょうほうもとづく自治体じちたいへの抗議こうぎなどが相次あいつぎ、過度かど負担ふたんつづいているとして、事業じぎょう撤回てっかいすることになりました。JICAでは、引き続ひきつづき、交流こうりゅうへの支援しえんつづけていくことにしています。
N1 Source: NHK 1 Sep 26, 2025 09:09
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国連こくれん安保理あんぽり 中東ちゅうとう情勢じょうせいめぐる緊急きんきゅう会合かいごう パレスチナ国家こっか承認しょうにん議論ぎろん

国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじかい中東ちゅうとう情勢じょうせいをめぐる緊急きんきゅう会合かいごうひらかれ、国連こくれんのグテーレス事務じむ総長そうちょうは「2国家こっか共存きょうぞん」による和平わへい実現じつげんけて、イギリスやフランスなどがパレスチナを国家こっかとして承認しょうにんしたことを歓迎かんげいしました。
N1 Source: NHK 1 Sep 24, 2025 07:09