Japanese News: 卵がない…大学の学食からメニューが消える？

卵たまごの供給きょうきゅうが減へり、一部いちぶの商品しょうひんが流通りゅうつうできなくなっていますが、全国ぜんこく各地かくちの大学だいがくの食堂しょくどうでも卵たまごを使つかった料理りょうりの提供ていきょうができなくなるなど影響えいきょうが広ひろがっています。

冬ふゆの定番ていばんメニューが

横浜よこはま国立こくりつ大学だいがくの学生がくせい食堂しょくどうでは、13日にちから「スンドゥブ」や「豚ぶたキムチ丼どんぶり」など5種類しゅるいのメニューの提供ていきょうが休止きゅうしとなる予定よていです。

韓国かんこく料理りょうりの「スンドゥブ」は豆腐とうふを使つかったスープで半熟はんじゅく卵たまごがのっているのが特徴とくちょうです。

他たのメニューは週しゅう替がわりが多おおいなか、冬ふゆの期間きかん中ちゅう、毎日まいにち提供ていきょうしている人気にんきメニューで1日にち50食しょくほど出でるといいます。

しかし卵たまごの調達ちょうたつが難むずかしくなり、大学だいがくでは人気にんきメニューを休止きゅうしすることを決きめました。再開さいかいのめどはたっていません。

影響えいきょう広ひろがる

また佐賀さが大学だいがくの学生がくせい食堂しょくどうは6日にちから、野菜やさいに半熟はんじゅく卵たまごをのせた「巣すごもり玉子たまご」など人気にんきのメニューの提供ていきょうを休止きゅうししました。

食堂しょくどうを運営うんえいする佐賀さが大学だいがくの生なま協きょうは、SNSやホームページで「どうにか継続けいぞくできないか方々かたがたあたりましたが、どうしても卵たまごの供給きょうきゅう量りょうが足たりず、当面とうめんの間まは休止きゅうしとなります」と周知しゅうちしました。

食材しょくざいの品薄しなうすによるメニューの休止きゅうしは最近さいきんでは初はじめてで、学生がくせいからは「ショックだ」という声こえが多おおく届とどいているということです。

（専務せんむ理事りじ影井かげい俊雄としおさん）

「半年はんとしくらい卵たまごを使つかったメニューは出だせないのではと言いわれていて、人気にんきメニューが提供ていきょうできないのは痛手いたでです。別べつメニューで対応たいおうしますがファンの学生がくせいも多おおい料理りょうりを提供ていきょうできないのは心苦こころぐるしいです」

各かく大学だいがくによりますと、学がく食しょくのメニューの提供ていきょう休止きゅうしは、全国ぜんこくの大学生だいがくせい協きょうをとりまとめる「大学生だいがくせい協きょう事業じぎょう連合れんごう」が一括いっかつして決きめたもので、大学だいがく側がわには1月つき下旬げじゅん、「鳥とりインフルエンザの影響えいきょうで卵たまごの仕入しいれが不安定ふあんていな状況じょうきょうのため提供ていきょうを休止きゅうしする」という連絡れんらくが一斉いっせいにあったということです。

1年ねんで1.8倍ばい

物価ぶっか高だかの影響えいきょうに加くわえ鳥とりインフルエンザの感染かんせん拡大かくだいで卵たまごの出荷しゅっかが減少げんしょうし、価格かかくの上昇じょうしょうに拍車はくしゃがかかっています。

販売はんばい会社かいしゃ大手おおての「JA全農ぜんのうたまご」によりますと、東京とうきょう地区ちくの卵たまごの卸売おろしうり価格かかくは2月つき1日にちから8日にちまでの平均へいきんでMサイズ1キロあたり315円えんと統計とうけいを公表こうひょうしている1993年ねん以降いこう、最もっとも高たかくなりました。

去年きょねんの同おなじ時期じきと比くらべると、およそ1.8倍ばいの水準すいじゅんです。

鳥とりインフルエンザの影響えいきょうで処分しょぶんされるニワトリの数かずが過去かこ最多さいたとなり卵たまごを生うむ国内こくないのニワトリの数かずは1割わりほど減へっているということで、卵たまごの価格かかくも供給きょうきゅう量りょうも元もとに戻もどるにはしばらく時間じかんがかかるとみられています。

値上ねあげ検討けんとうする大学だいがくも

メニューの値上ねあげに踏み切ふみきらざるをえない大学だいがくも出でてきています。

東京とうきょう・港みなと区くにある慶応けいおう大学だいがくの学生がくせい食堂しょくどう「山やま食しょく」は80年ねんあまりにわたって学生がくせいの食生活しょくせいかつを支ささえてきました。

食堂しょくどうには親子おやこ丼どんぶりやオムライスなど4種類しゅるいの卵たまご料理りょうりがあり、多おおいときで1日にち100個こほどの卵たまごを使つかいますが、この1年ねんで仕入しいれ価格かかくは4割わり以上いじょうあがりました。

特とくに去年きょねん秋あき以降いこう、卵たまごの品薄しなうす感かんが高たかまり新しん年度ねんどが始はじまる4月つきからは卵たまご料理りょうりを含ふくめた一部いちぶのメニューについて10円えんから20円えん程度ていどの値上ねあげを検討けんとうしています。

食堂しょくどうの3代目だいめの谷村たにむら忠雄ただおさんは初代しょだいからの教おしえを守まもって、利益りえきよりもとにかく安やすくたくさんの食事しょくじを学生がくせいに提供ていきょうすることを心こころがけてきたといいます。

（谷村たにむらさん）

「利益りえきを度外視どがいしして学生がくせいのためにやってきたなかで値上ねあげはとにかく心苦こころぐるしいです。ただ、学生がくせいや教職きょうしょく員いんなど食堂しょくどうに来くる人数にんずうがある程度あるていど決きまっているなかで、食材しょくざいの価格かかくが上あがると、ダイレクトに経営けいえいに影響えいきょうがくる」

食堂しょくどうでは2年ねんほど前まえ、コロナ禍かで売り上うりあげが大おおきく落ち込おちこんだ時期じきがあり経営けいえいの危機ききにひんしましたが、卒業そつぎょう生せいの寄付きふなどでなんとか店みせを存続そんぞくすることができただけに、卵たまごの品薄しなうす感かんが解消かいしょうし価格かかくが早はやく元もとに戻もどることを願ねがっています。