日本新聞: ロシア軍が100発以上のミサイル攻撃侵攻1年を前に戦闘激化か

ロシア軍ぐんが100発はつ以上いじょうのミサイル攻撃こうげき侵攻しんこう1年ねんを前まえに戦闘せんとう激化げきかか

Feb 11, 2023 20:02

Furigana

ウクライナ国防省こくぼうしょうはロシア軍ぐんが10日にち、ウクライナ各地かくちのインフラ施設しせつなどを標的ひょうてきに100発はつ以上いじょうのミサイルで攻撃こうげきを行おこなったと発表はっぴょうし、軍事ぐんじ侵攻しんこうから1年ねんとなるのを前まえにロシア軍ぐんが戦闘せんとうを激化げきかさせているとみられます。

ウクライナ国防省こくぼうしょうは11日にち、SNSで「ロシア軍ぐんはウクライナのインフラ施設しせつなどに向むけて106発はつのミサイルを発射はっしゃし新あらたな激はげしい攻撃こうげきを行おこなった」と発表はっぴょうしました。

ウクライナ軍ぐんはこのうち61発はつを迎撃げいげきしたということですが、民間みんかんのインフラが標的ひょうてきになっているとしてロシア側がわを非難ひなんしました。

首都しゅとキーウのクリチコ市長しちょうは10日にち、SNSに「ロシア軍ぐんのミサイルの残骸ざんがいで車くるまや住宅じゅうたくの屋根やねに被害ひがいが出でた」と投稿とうこうしたほか、東部とうぶドニプロペトロウシク州しゅうの知事ちじも11日にち「夜間やかんにロシアの無人むじん機きによる攻撃こうげきが続つづき重要じゅうようインフラも攻撃こうげきを受うけた」としています。

ウクライナ側がわは、ロシア軍ぐんが今月こんげつ24日にちで侵攻しんこうから1年ねんとなるのを前まえに大だい規模きぼな攻撃こうげきを仕掛しかけてくると警戒けいかいを続つづけていて、アメリカのシンクタンク「戦争せんそう研究所けんきゅうじょ」は8日にちに、ロシア軍ぐんが東部とうぶルハンシク州しゅうの西部せいぶに戦車せんしゃや空くうてい部隊ぶたいなどの3つの師団しだんを投入とうにゅうし、攻撃こうげきのペースが増ましていると分析ぶんせきしています。

また、ロシア軍ぐんが掌握しょうあくをねらう東部とうぶドネツク州しゅうのウクライナ側がわの拠点きょてんバフムトについて、ウクライナの軍事ぐんじ専門せんもん家か、イーホル・カバネンコ氏しは10日にち、NHKのインタビューに対にたいし「地理ちり的てきに非常ひじょうに重要じゅうようで、バフムトをおさえれば、東部とうぶのハルキウや南部なんぶのザポリージャにも軍ぐんを展開てんかいできるため、ロシア側がわは集中しゅうちゅう的てきに攻撃こうげきし続つづけている」と述のべました。

そして「侵攻しんこうから1年ねんとなる24日にちに向むけて、国内こくない向むけに戦果せんかをアピールするため、犠牲ぎせいを顧かえりみず激はげしい攻撃こうげきを続つづけている。ウクライナ軍ぐんは今後こんご、反転はんてん攻勢こうせいを仕掛しかけるため、バフムトから一時いちじ撤退てったいする可能かのう性せいもある」と述のべ、バフムトがロシア軍ぐんによって一時いちじ的てきに掌握しょうあくされる可能かのう性せいにも言及げんきゅうしました。

軍事ぐんじ専門せんもん家か「バフムトに集中しゅうちゅう的てきな攻撃こうげき」

ウクライナの軍事ぐんじ専門せんもん家か、イーホル・カバネンコ氏しが10日にち、首都しゅとキーウでNHKのインタビューに応おうじ、東部とうぶドネツク州しゅうにあるウクライナ側がわの拠点きょてんバフムトについて「地理ちり的てきに非常ひじょうに重要じゅうようで、バフムトを押おさえれば、ザポリージャやハルキウにも展開てんかいできるため、ロシア側がわは集中しゅうちゅう的てきに攻撃こうげきし続つづけている。ウクライナ軍ぐんは現在げんざい守備しゅびに回まわり、踏ふみとどまっている」と述のべました。

そして「ロシア軍ぐんはバフムトで1日にちに1000人にん以上いじょうの兵士へいしを失うしなったこともあるが、それでも侵攻しんこうから1年ねんとなる今月こんげつ24日にちに向むけて、戦果せんかを国内こくないにアピールするため、犠牲ぎせいを顧かえりみず激はげしい攻撃こうげきを続つづけている。ウクライナ軍ぐんは今後こんご、反転はんてん攻勢こうせいを仕掛しかけるため、バフムトから一時いちじ撤退てったいする可能かのう性せいもある」と述のべ、バフムトがロシア軍ぐんによって一時いちじ的てきに掌握しょうあくされる可能かのう性せいにも言及げんきゅうしました。

また、ロシア軍ぐんが今後こんご、攻撃こうげきの対象たいしょうを首都しゅとキーウを含ふくむほかの地域ちいきにも拡大かくだいし、ミサイルや無人むじん機きを使つかった攻撃こうげきを強つよめるおそれがあると指摘してきしました。

一方いっぽうで、ゼレンスキー大統領だいとうりょうがイギリスやフランスなどを歴訪れきほうしたことについては「今回こんかいの訪問ほうもんはヨーロッパとの軍事ぐんじ的てき協力きょうりょくを継続けいぞくさせ、さらに強力きょうりょくな兵器へいきの供与きょうよに向むけて重要じゅうような訪問ほうもんだった」と評価ひょうかしました。

そのうえで「実際じっさいに欧米おうべい諸国しょこくから供与きょうよされた武器ぶきを実戦じっせんで使つかうまでには、もう少もうすこし時間じかんが必要ひつようだ。ウクライナ側がわが攻勢こうせいに出でるのは春はるになるだろう」と述のべました。

来週らいしゅうには、ウクライナへの軍事ぐんじ支援しえんについて欧米おうべい各国かっこくが話し合はなしあう会合かいごうがベルギーで開ひらかれる予定よていで、カバネンコ氏しはこの会合かいごうでウクライナ側がわが、戦闘せんとう機きや長距離ちょうきょりミサイルなど追加ついかの兵器へいき供与きょうよを求もとめるという見通みとおしを示しめしています。