独スポーツ用品大手アディダスは11日までに、今年の売り上げが13億ドル(約1700億円)失われる見通しだと明らかにしました。米ラップ歌手のイェ(別名カニエ・ウェスト)氏との契約を打ち切ったことで、同氏のブランド「Yeezy」の衣服や靴を販売できないことが要因です。
アディダスは昨年10月、反ユダヤ的な一連の発言を理由に9年間にわたるウェスト氏との契約を解消していました。
同社は声明の中で2023年の財務方針が甚大な悪影響に見舞われると強調。在庫の販売を行わないことがその要因になるとしました。Yeezyブランドの製品を一切販売できない場合、今年の営業利益は5億3400万ドル失われる恐れがあります。
ウェスト氏は昨年10月初め、パリで開いたファッションショーに「White Lives Matter(白人の命は大切)」の文字が入ったTシャツ姿で現れ、数人の黒人モデルにも同じ文字入りの装いをさせていました。問題のスローガンは、白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)との関係が指摘されています。