日本新聞: トンガ噴火で日本で潮位変化理由は気象庁専門家会合で報告書

トンガ噴火ふんかで日本にっぽんで潮位ちょうい変化へんか理由りゆうは気象庁きしょうちょう専門せんもん家か会合かいごうで報告ほうこく書しょ

Apr 7, 2022 13:04 5

Furigana

ことし1月つき、南太平洋みなみたいへいようトンガの海底かいてい火山かざんで大だい規模きぼ噴火ふんかが起おき、日本にっぽん各地かくちの沿岸えんがんで潮位ちょうい変化へんかが観測かんそくされました。

これを受うけ気象庁きしょうちょうは、専門せんもん家かによる会合かいごうでメカニズムについての報告ほうこく書しょをまとめ、潮位ちょうい変化へんかが起おきたのは噴火ふんかの衝撃しょうげきによる気圧きあつ波はが影響えいきょうしていると結論けつろんづけました。一方いっぽう、被害ひがいを及およぼすほど高たかくなった理由りゆうについては「複合ふくごう的てきな要因よういんが考かんがえられ、今後こんごも調査ちょうさ・研究けんきゅうが必要ひつようだ」としています。

トンガの海底かいてい火山かざん「フンガ・トンガフンガ・ハアパイ」では、ことし1月つきに大だい規模きぼな噴火ふんかが発生はっせいし、日本にっぽん各地かくちの沿岸えんがんで数すうセンチから1メートル余あまりの潮位ちょうい変化へんかが観測かんそくされ、船ふねや養殖ようしょく施設しせつなどに被害ひがいが出でました。

当初とうしょ、気象庁きしょうちょうは「多少たしょうの潮位ちょういの変化へんかがあるかもしれないものの被害ひがいの心配しんぱいはない」と発表はっぴょうしましたが、深夜しんやになって北海道ほっかいどうから沖縄おきなわの広ひろい範囲はんいに津波つなみ警報けいほうや注意報ちゅういほうを発表はっぴょうし、混乱こんらんもあったことから、専門せんもん家かの会合かいごうでメカニズムを検討けんとうしました。

潮位ちょうい変化へんかは“気圧きあつ波はが影響えいきょう”

今回こんかいまとまった報告ほうこく書しょでは、地震じしんによって起おきる津波つなみが伝つたわるより4時間じかん程度ていども早はやく潮位ちょうい変化へんかが観測かんそくされた要因よういんについて、噴火ふんかの衝撃しょうげきによって生しょうじた気圧きあつ波はが速はやく伝つたわり、気圧きあつが急激きゅうげきに変化へんかしたためだと結論けつろんづけました。

「ラム波は」と呼よばれる気圧きあつ波はの一種いっしゅで、秒速びょうそくおよそ300メートルと音速おんそくに近ちかく、このラム波はが伝つたわる過程かていで潮位ちょういが変化へんかしたということです。

気象きしょう衛星えいせい「ひまわり」で大気たいき中ちゅうの水蒸気すいじょうきの変化へんかを解析かいせきしたところ、気圧きあつ波はが伝つたわっていく様子ようすが確認かくにんできたということです。

高たかくなった理由りゆう “複合ふくごう的てきも主おもな要因よういん特定とくていできず”

こうした現象げんしょうによって起おきる潮位ちょうい変化へんかは「気象きしょう津波つなみ」とも呼よばれていますが、今回こんかい、最大さいだいで1メートルを超こえる高たかさになったことが被害ひがいにつながりました。

その理由りゆうについて報告ほうこく書しょでは、水深すいしんの深ふかい場所ばしょで気圧きあつ波はによる影響えいきょうが大おおきくなる「プラウドマン共鳴きょうめい」と呼よばれる現象げんしょうが起おきたり、湾わんなどの地形ちけいで局地きょくち的てきに増幅ぞうふくされたりといった複合ふくごう的てきなものだと考かんがえられるものの、現げん段階だんかいでは何なにがどの程度ていど影響えいきょうしたのかは特定とくていできず、今後こんごも調査ちょうさ・研究けんきゅうが必要ひつようだとしています。

報告ほうこく書しょを取とりまとめた、会合かいごうの座長ざちょうで東京とうきょう大学だいがく地震じしん研究所けんきゅうじょの佐竹さたけ健治けんじ教授きょうじゅは「今回こんかいのように海外かいがいで起おきる火山かざん性せいの津波つなみでも影響えいきょうが出でることがある。地震じしんの揺ゆれを感かんじないのに津波つなみ警報けいほうなどが出でる可能かのう性せいがあることも覚おぼえておいてほしい」と話はなしています。