アメリカのネット
通販大手のアマゾン・ドット・コムは、
発送センターなどで
働く人たちの
賃金が
低すぎるという
批判を
踏まえて、
来月からアメリカの
従業員に対する
最低の
時給を15ドル(
およそ1700
円)に
引き上げると
発表しました。アマゾン・ドット・コムは
2日、アメリカの
発送センターや
傘下のスーパー
などで
働く従業員に
支払う最低の
時給を
来月から15ドル(
およそ1700
円)に
引き上げると
発表しました。
それによりますと、対象は全米の25万人以上に上り、取り扱う荷物が急増する年末商戦の際に臨時で働く10万人余りも対象だということです。
アマゾンは現在の最低の時給を明らかにしていませんが、これまでボーナスなどを含めると平均の時給は15ドルを上回ると説明していました。
アマゾンが大きな利益を得ているにもかかわらず、発送センターなどで働く人たちの賃金が低すぎるいう批判が出ており、世界1位の資産家としても知られるベゾスCEOは「批判に耳を傾け、何をすべきか真剣に検討し、模範を示すことを決めた」とコメントしています。
景気が拡大し、失業率が3.9%という低い水準が続くアメリカでは、小売り最大手のウォルマートもことし初め、最低の時給を11ドル(およそ1200円)に引き上げました。
中間選挙や景気の先行きでも注目
アマゾン・ドット・コムが従業員の最低の時給を引き上げると発表したことについて、ホワイトハウス、国家経済会議のクドロー委員長は2日、記者団に対して、「よいことだ。賃金の引き上げに賛成する。ベゾスCEOは、非常にすばらしい経営者だ」と述べて歓迎しました。
また、おととしの大統領選挙で民主党の候補者選びに立候補し、格差の解消を訴えて多くの支持を集めた、バーニー・サンダース上院議員は「ベゾスCEOがしたことは、アマゾンの従業員のためだけに重要なのではない。ほかの経営者もあとに続くことを強く望んでいる」と述べ評価しました。
アメリカでは、失業率が3%台まで改善しているものの、これまでのところ、賃金の上昇にはつながっておらず、景気の拡大が実感できないという声も出ています。
このため、今後、賃金引き上げの動きがほかの企業にも広がるかどうかは、11月の中間選挙や景気の先行きを占う上でも注目されます。