小惑星「リュウグウ」の
上空で
観測を
続けている
日本の
探査機「はやぶさ
2」が
3日午前分離した
小惑星の
鉱物や
磁場などを
調べる小型探査ロボットについて、
運用を
担当する
ヨーロッパの
宇宙機関は、
小惑星への
着陸に
成功したと
発表しました。
およそ3億キロはなれた
小惑星「リュウグウ」の
観測を
続けている
日本の
探査機「はやぶさ
2」は、
2日から
高度を
下げ、
日本時間の
3日午前10
時57
分、
高度51
メートル付近から
新たに
探査ロボット
1台を
小惑星にむけて
分離しました。
その後、探査ロボットを運用するヨーロッパの宇宙機関がデータをチェックした結果、ロボットが着陸に成功したことを確認したと発表し、JAXAも午後3時からの会見で着陸成功の報告を受けたことを明らかにしました。
探査ロボットは「MASCOT」と呼ばれ、ドイツとフランスの宇宙機関がつくったもので、高さ19センチ、縦横およそ30センチの箱形をしています。
リチウム電池をつかっておよそ16時間の間、分光顕微鏡による地表面の鉱物の組成の調査を行い、岩石の中に含まれる水の有無なども調べます。
また、磁場があるかどうかの計測も行う予定で、こうしたデータがうまく得られれば「リュウグウ」がどうやって誕生したかを解明する重要な手がかりになると期待されています。
小惑星に小型のロボットを着陸させるミッションは、初代「はやぶさ」が2005年に小惑星「イトカワ」で挑戦しましたが、このときは分離に成功したものの着陸には失敗していました。
13年ぶりの再挑戦となった「はやぶさ2」は先月21日にも日本が開発した小型探査ロボット「MINERVA-II1」の分離、着陸に成功しています。
JAXAでは今月下旬に、いよいよ「はやぶさ2」本体の1回目の着陸を実施し、小惑星の岩石採取という最大のミッションに挑戦する予定です。
責任者「チームの実力ついた」
責任者の1人でJAXAの津田雄一プロジェクトマネージャは「ヨーロッパのロボットを分離、着陸させるのはプレッシャーもあった。宇宙探査は人類全体で進める必要があり、技術文化の違いを乗り越え、互いに理解し合うことで達成することができた。2回連続でロボットを着陸させることに成功し、チームの実力がついたと感じている。本体の着陸に向けて確実な運用をしていきたい」と話していました。