中国の
製薬会社などが
開発を
進める新型コロナウイルスのワクチンについて、
中国政府は、4
種類が
最終段階の
臨床試験に
進んでいるとしたうえで、
年末までに
およそ6
億回分を
生産できるという
見通しを
示しました。
中国科学技術省の
呉遠彬局長は、25
日の
会見で、11
種類のワクチンについて
臨床試験を
行っており、
このうち4
種類が
最終段階に
進んでいることを
明らかにしたうえで「
開発は
順調だ」と
述べました。
最終段階の臨床試験は国外でも行っていて、国有企業の傘下の「中国生物技術」が開発中の2種類のワクチンは中東で3万5000人以上に投与され、目立った問題は起きていないとしています。
また、製薬会社「シノバック」のワクチンは南米や東南アジアで、「カンシノ・バイオロジクス」と人民解放軍の研究所が共同で開発中のワクチンはアジアとヨーロッパで、それぞれ最終段階の臨床試験を行っているということです。
ワクチンによってかえってウイルスの感染や増殖が強まるADE=「抗体依存性感染増強」と呼ばれる現象については、同席した専門家は「今のところ確認されていない」と述べました。
さらに、国家衛生健康委員会の鄭忠偉主任は、この年末までに6億1000万回分のワクチンの生産が可能で、来年には10億回分以上の生産が可能だという見通しを示しました。
ワクチンの開発が順調に進んでいることをアピールする背景には、国際的な影響力を強めたいというねらいがあるとみられます。