京都府宇治市に
ある世界遺産・
平等院は、
平安時代に
造られた
鳳凰堂の
扉を
調査した
結果、
雲に
乗った
菩薩が
飛び交う姿が
描かれていたことが
新たにわかったと
発表しました。
宇治市にある世界遺産・平等院は1000年近く前の創建当時に造られた鳳凰堂の扉を保管していて、おととしから東京文化財研究所や奈良女子大学の研究者とともに蛍光X線などの特殊な光を使って装飾の調査を進めてきました。
その結果、高さおよそ4メートル60センチ幅およそ1メートル60センチある扉の表面から鉛や銅を使った顔料が検出され、扉全体を使って1つの絵が表現されていたということです。
浮かび上がった輪郭などから、山や緑を背景に建物の上を雲に乗った菩薩などが飛び交う姿が描かれていたことがわかったということです。
鳳凰堂は、阿弥陀如来坐像の周囲を飛ぶように設置されている雲中供養菩薩像でも知られていて平等院は当時の装飾がわかる貴重な資料だとしています。
平等院の神居文彰住職は「当時の装飾技術がわかっただけでなく、大胆な絵も見ることができて驚いた。今後、展示の在り方などを検討してきたい」と話していました。