日本新聞: アルバイトにボーナスなし「不合理な格差と言えず」最高裁

アルバイトにボーナスなし「不合理ふごうりな格差かくさと言いえず」最高裁さいこうさい

Oct 13, 2020 14:10 4

Furigana

非ひ正規せいきの労働ろうどう者しゃが正規せいきの労働ろうどう者しゃと同おなじ仕事しごとをしているのにボーナスが支給しきゅうされないのは不当ふとうだと大学だいがくの元もとアルバイト職員しょくいんが訴うったえた裁判さいばんの判決はんけつで、最高さいこう裁判所さいばんしょは、ボーナスが支給しきゅうされないことは不合理ふごうりな格差かくさとまではいえないとする判断はんだんを示しめしました。大阪おおさか医科いか大学だいがくの研究けんきゅう室しつで秘書ひしょのアルバイトをしていた50代だいの女性じょせいは、正規せいきの職員しょくいんの秘書ひしょと仕事しごとの内容ないようが同おなじなのにボーナスなどが支給しきゅうされないのは不当ふとうだとして大学だいがく側がわに賠償ばいしょうを求もとめました。

1審しんは女性じょせいの訴うったえを退しりぞけた一方いっぽう、2審しんの大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょは不合理ふごうりな格差かくさで違法いほうだと判断はんだんし、正規せいきの職員しょくいんのボーナスの60％にあたる金額きんがくを賠償ばいしょうするよう命めいじ、大学だいがく側がわと女性じょせいの双方そうほうが上告じょうこくしていました。

13日にちの判決はんけつで、最高さいこう裁判所さいばんしょ第だい3小しょう法廷ほうていの宮崎みやざき裕子ゆうこ裁判さいばん長ちょうは「大学だいがくでは正規せいきの職員しょくいんは業務ぎょうむ内容ないようの難易なんい度どが高たかく、人材じんざいの育成いくせいや活用かつようのために人事じんじ異動いどうも行おこなわれ、正せい職員しょくいんとしての職務しょくむを遂行すいこうできる人材じんざいを確保かくほし定着ていちゃくする目的もくてきでボーナスが支給しきゅうされている。一方いっぽう、アルバイトの業務ぎょうむ内容ないようは易やさしいとうかがわれる」と指摘してきしました。

そのうえで「ボーナスが支給しきゅうされないことは不合理ふごうりな格差かくさとまではいえない」として、2審しんの判決はんけつを変更へんこうし、原告げんこく側がわの訴うったえのうち有給ゆうきゅう休暇きゅうかについての訴うったえ以外いがいは退しりぞけました。

一方いっぽうで判決はんけつでは、ボーナスについても不合理ふごうりな格差かくさと認みとめられる場合ばあいには、違法いほうと判断はんだんすることもありうるとし、ケースごとに検討けんとうすべきだとしました。

原告げんこく「私わたしたちを見捨みすてた判決はんけつ」

判決はんけつ後ご、大阪おおさか医科いか大学だいがくを訴うったえていた女性じょせいは「最高さいこう裁判所さいばんしょは、私わたしたち非ひ正規せいきを見捨みすてた判決はんけつを言い渡いいわたしました。国くにの政策せいさくとして、同どう一いち労働ろうどう同どう一いち賃金ちんぎんが少すこしずつ進すすんできているのに、そこに水みずをさすような本当ほんとうに不当ふとうな判決はんけつで、残念ざんねんでなりません」と話はなしていました。

大阪おおさか医科いか薬科やっか大学だいがく「人事じんじ制度せいどを適正てきせいに評価ひょうか」

大阪おおさか医科いか薬科やっか大学だいがくは「最高裁さいこうさいで取り上とりあげられた争点そうてんについて、大学だいがくの人事じんじ制度せいどを適正てきせいに評価ひょうかしていただいたと受け止うけとめています。今後こんごも適法てきほうな労働ろうどう条件じょうけんの維持いじに努つとめていきます」というコメントを出だしました。