長崎に
原爆が
投下されてから74
年となる
9日、
長崎市で
平和祈念式典が
行われ、
田上富久市長は
平和宣言で「
唯一の
戦争被爆国の
責任として、
核兵器禁止条約に
一刻も
早く
署名、
批准すべきだ」と
述べ、
日本政府に対して、
戦争をしないという
平和の
理念を
世界に
広げるためのリーダーシップを
発揮するよう
求めました。
長崎市の
平和公園で
行われた
式典には、
被爆者や
遺族、
それに66
か国の
代表を
含むおよそ5900
人が
参列し、
この1年間に
亡くなった
被爆者など3402
人の
名前が
書き
加えられた、18
万2601
人の
原爆死没者名簿が
納められました。
そして、原爆がさく裂した午前11時2分に合わせて鐘が鳴らされ、原爆で亡くなった人たちに黙とうがささげられました。
長崎市の田上市長は、平和宣言の中で、原爆によって家族全員を亡くした被爆者、山口カズ子さんが、当時、目の当たりにした惨状をつづった詩を引用し、二度と原爆を使ってはならないという被爆者の思いを訴えました。
そして、核兵器廃絶に向けた国際情勢が厳しさを増す中、核保有国に対して核軍縮の義務を果たすよう求めるとともに、日本政府に対しては「唯一の戦争被爆国の責任として、一刻も早く核兵器禁止条約に批准・署名し、『戦争をしない』という平和の理念を世界に広げるリーダーシップを発揮するべきだ」と訴えました。
これに対し、安倍総理大臣は「核軍縮をめぐっては各国の立場の隔たりが拡大している」としたうえで、「『核兵器のない世界』の実現に向けて、核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、双方の協力を得ながら対話を粘り強く促し、国際社会の取り組みを主導していく決意だ」と述べた一方、核兵器禁止条約については言及しませんでした。
また、被爆者を代表して「平和への誓い」を読み上げた山脇佳朗さんは、「被爆者が生きているうちに、世界で唯一の被爆国として、核保有国に核兵器を無くすよう働きかけ、核兵器廃絶のきぜんとした態度を示してほしい」と述べ、最後に「世界から核兵器を廃絶し、長崎を最後の被爆地にするため、皆さんの力を貸してください」と英語で呼びかけました。