秋あきの天皇てんのう賞しょう アーモンドアイが優勝ゆうしょう 芝しばのG1歴代れきだい単独たんどく最多さいた8勝しょう目め

秋あきの天皇てんのう賞しょうは、東京とうきょう 府中ふちゅう市しにある東京とうきょう競馬けいば場じょうの芝しば2000メートルのコースで行おこなわれ、12頭とうが出走しゅっそうしました。

単勝たんしょう1.4倍ばい、1番ばん人気にんきのアーモンドアイは好こうスタートを切きって前方ぜんぽうにつけ、最後さいごの直線ちょくせんで一気いっきにスピードを上あげてほかの馬うまを抜ぬき去さり、去年きょねんに続つづいて優勝ゆうしょうしました。

アーモンドアイは、これで芝しばのG1レース8勝しょう目めで、日本にっぽんの馬うまでは歴代れきだい単独たんどく最多さいたとなりました。

これまでの芝しばのG1レースの日本にっぽん馬ばの勝利しょうりの記録きろくは、無敗むはいで3冠かんを成し遂なしとげたシンボリルドルフとディープインパクトなど7頭とうが、7勝しょうで並ならんでいて35年間ねんかん、更新こうしんされていませんでした。

ルメール「めちゃくちゃ強つよい」

アーモンドアイの手綱たづなを取とったクリストフ・ルメール騎手きしゅは、日本にっぽん語ごでインタビューに答こたえ、「信しんじられないパフォーマンスできょう日本一にっぽんいちになった。強つよい馬うまだと分わかっていたが、8勝しょうのプレッシャーが重おもたかった。最後さいごの直線ちょくせんはよく伸のびてくれた。めちゃくちゃ強つよく、頑張がんばってくれた」と時折ときおり、ことばを詰つまらせながら話はなしていました。

馬うま名めいは「美うつくしい女性じょせいの目めの形かたち」

アーモンドアイは5歳さいのひん馬うま＝メスの馬うまで、馬うま名めいは「美うつくしい女性じょせいの目めの形かたち」を意味いみします。

父親ちちおやも母親ははおやも日本にっぽんで活躍かつやくし、ともにG1レースで勝かっていて、特とくに父親ちちおやのロードカナロアは圧倒的あっとうてきなスピードを持ち味もちあじに短距離たんきょりのレースを中心ちゅうしんに勝利しょうりを重かさね、G1レースでは海外かいがいの2勝しょうを含ふくめ通算つうさん6勝しょうを挙あげました。

その高たかい能力のうりょくをアーモンドアイも受け継うけつぎ、3年ねん前まえにデビューしてからこれまで13戦せん9勝しょう、このうちG1レースで7勝しょうの好こう成績せいせきを残のこしていました。

また、1600メートルから2400メートルまでの幅広はばひろい距離きょりで勝利しょうりを収おさめ、レースぶりも先行せんこうからの抜け出ぬけだしや後方こうほうからの一気いっきの追い込おいこみと、流ながれに合あわせて変幻へんげん自在じざいに力ちからを発揮はっきしてきました。

また、3年ねん連続れんぞくで最多さいた勝かちを挙あげているクリストフ・ルメール騎手きしゅが13戦せんのうち12戦せんで手綱たづなを取とり、1日にちの「天皇てんのう賞しょう」でも騎乗きじょうしました。

アーモンドアイは、ことし6月つきの「安田やすだ記念きねん」で芝しばのG1レース8勝しょう目めをかけて出走しゅっそうしましたが、スタートでやや出遅でおくれて2着ちゃくに終おわり、今回こんかいおよそ5か月かげつぶりのレースで偉業いぎょうを成し遂なしとげました。

アーモンドアイの戦績せんせき

アーモンドアイは、3年ねん前まえの8月つきにデビューしました。初戦しょせんは2着ちゃくでしたがその後そのご2連勝れんしょうし、おととし4月つき、初はじめてのG1レースとなる「桜花おうか賞しょう」に挑いどみました。

兵庫ひょうご県けん宝塚たからづか市しにある「阪神はんしん競馬けいば場じょう」で行おこなわれたレースでは、最後さいごの直線ちょくせんで次元じげんの違ちがう脚力きゃくりょくを見みせ、ほぼ最さい後方こうほうから先行せんこうする馬うまたちをごぼう抜ぬきして勝利しょうりを収おさめました。

翌月よくげつの「オークス」、その年としの10月つきの「秋あき華はな賞しょう」にも勝かって、3歳さいひん馬うま＝メスの馬うまの三さん冠かんレースをすべて制せいしました。

さらに11月つきのジャパンカップでは、実績じっせきのある年上としうえの馬うまを相手あいてにも勝利しょうりしました。このときアーモンドアイがマークした2分ふん20秒びょう6のタイムは、従来じゅうらいのコースレコードを1秒びょう5も上うえまわるもので、レースが行おこなわれた芝しば2400メートルの世界せかいレコードとも報ほうじられました。

そして、去年きょねん3月つきには初はじめての海外かいがい挑戦ちょうせんとなったUAE＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうでの「ドバイターフ」で優勝ゆうしょう、帰国きこく後ごの「安田やすだ記念きねん」ではスタートでの出遅でおくれが響ひびき、3着ちゃくに敗やぶれて連勝れんしょうが7で止とまりましたが、秋あきの「天皇てんのう賞しょう」では2着ちゃくに3馬身ばしんの差さをつける快勝かいしょうでG1レースでの勝利しょうり数すうを6に伸のばしました。

その後そのご、香港ほんこん遠征えんせいの予定よていを変更へんこうして臨のぞんだ年末ねんまつの「有馬ありま記念きねん」では、9着ちゃくと初はじめての惨敗ざんぱいを喫きっし、ことし3月つきにドバイターフでの連覇れんぱをねらった海外かいがい遠征えんせいでは、現地げんち入いりしたあと、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうでレースが中止ちゅうしになるアクシデントに見舞みまわれました。

それでも帰国きこく後ごの初戦しょせんとなったひん馬うま限定げんていのG1レース、5月つきの「ヴィクトリアマイル」では力ちからの違ちがいを見みせて楽勝らくしょうし、海外かいがいを含ふくむ芝しばのG1レースでの勝利しょうり数すうを「7」に伸のばしました。

そして、ヴィクトリアマイルから1か月かげつ足たらずの6月つきに行おこなわれた安田やすだ記念きねんで8勝しょう目めを目指めざしたものの2着ちゃくに敗やぶれましたが、1日にち天皇てんのう賞しょうに勝かって偉業いぎょうが達成たっせいされました。

かつての名馬めいばたち上回うわまわる偉業いぎょう

アーモンドアイが達成たっせいした芝しばのG1レースでの8勝しょうは、日本にっぽんの競馬けいば史しにその名なを刻きざんできた名馬めいばも達成たっせいできなかった偉業いぎょうです。

これまで日本にっぽんの馬うまでは、アーモンドアイ以外いがいに6頭とうが芝しばのG1レースで最多さいたとなる7勝しょうを挙あげていました。

▽古ふるくは、昭和しょうわ59年ねんに無敗むはいで3歳さいのクラシックレース三さん冠かんを達成たっせいし、「皇帝こうてい」と呼よばれたシンボリルドルフ。

▽長距離ちょうきょりのレースを中心ちゅうしんに抜群ばつぐんの安定あんてい感かんを見みせたテイエムオペラオー。

▽平成へいせい17年ねんの無敗むはいのクラシック三さん冠かん馬ばで、「飛とぶように」と例たとえられた走はしりでファンの心こころをくぎづけにしたディープインパクト。

▽平成へいせい19年ねんにひん馬うま＝メスの馬うまで64年ねんぶりに日本ダービーにほんだ-び-を制せいしたウオッカ。

▽3歳さいひん馬うまの三さん冠かんレースを制せいしたジェンティルドンナ。

▽歌手かしゅの北島きたじま三郎さぶろうさんが所有しょゆうする馬うまとしても注目ちゅうもくを集あつめたキタサンブラックです。

アーモンドアイは、シンボリルドルフが初はじめて7勝しょう目めを挙あげてから35年間ねんかんにわたって更新こうしんされなかった記録きろくを塗ぬりかえる、歴史れきし的てきな偉業いぎょうを成し遂なしとげました。