日本新聞: 伊方原発３号機が再稼働およそ１年ぶり

伊方いかた原発げんぱつ３さん号機ごうきが再さい稼働かどうおよそ１いち年ねんぶり

Oct 27, 2018 01:10

Furigana

裁判さいばんで運転うんてんを停止ていししていた愛媛えひめ県けんにある四国しこく電力でんりょくの伊方いかた原子力げんしりょく発電はつでん所しょ３さん号機ごうきは27日にち未明みめい、原子げんし炉ろを起動きどうし、およそ１いち年ねんぶりに再さい稼働かどうしました。作業さぎょうが順調じゅんちょうに進すすめば、今月こんげつ30日にちに発電はつでんと送電そうでんが始はじまる見通みとおしです。伊方いかた原発げんぱつ３さん号機ごうきは、国くにの新あらたな規制きせい基準きじゅんに合格ごうかくし再さい稼働かどうしましたが、広島ひろしま高等こうとう裁判所さいばんしょが去年きょねん12月つきに運転うんてん差し止さしとめを命めいじる仮かり処分しょぶんの決定けっていを出だしたため、定期ていき検査けんさが終おわったあとも運転うんてんの再開さいかいができない状態じょうたいが続つづいていました。

しかし、先月せんげつ25日にち、広島ひろしま高裁こうさいの別べつの裁判さいばん長ちょうが仮かり処分しょぶんを取り消とりけして運転うんてんを認みとめ、再さい稼働かどうに向むけた準備じゅんびが進すすめられていました。

そして、27日にち午前ごぜん０ぜろ時半じはん、発電はつでん所しょの中央ちゅうおう制御せいぎょ室しつで、運転うんてん員いんが核かく分裂ぶんれつ反応はんのうを抑おさえる「制御せいぎょ棒ぼう」を核かく燃料ねんりょうの間まから引き抜ひきぬく操作そうさを行おこなって原子げんし炉ろを起動きどうし、３さん号機ごうきは再さい稼働かどうしました。

３さん号機ごうきの再さい稼働かどうは、去年きょねん10月つき上旬じょうじゅん以来いらい、およそ１いち年ねんぶりです。

作業さぎょうが順調じゅんちょうに進すすめば、今夜こんや、原子げんし炉ろの中なかで核分裂かくぶんれつ反応はんのうが連続れんぞくする「臨界りんかい」の状態じょうたいになる見通みとおしで、四国しこく電力でんりょくは、今月こんげつ30日にちには発電はつでんと送電そうでんを始はじめ、来月らいげつ28日にちには営業えいぎょう運転うんてんに入はいる計画けいかくです。

伊方いかた原発げんぱつには１いち号機ごうきから３さん号機ごうきまでありますが１いち号機ごうきは廃はい炉ろ作業さぎょうが行おこなわれているほか、２に号機ごうきも廃はい炉ろが決きまっていて、四国しこくでは伊方いかた原発げんぱつ３さん号機ごうきが、稼働かどうする唯一ゆいいつの原発げんぱつとなっています。

伊方いかた町長ちょうちょう「住民じゅうみんの安心あんしん・安全あんぜんを最さい優先ゆうせんに」

伊方いかた原発げんぱつ３さん号機ごうきの再さい稼働かどうについて、原発げんぱつがある伊方いかた町まちの高こう門かど清彦きよひこ　町長ちょうちょうは「今後こんごも継続けいぞくして住民じゅうみんの安心あんしん・安全あんぜんを最さい優先ゆうせんに、原発げんぱつの運転うんてん状況じょうきょうなどの情報じょうほう収集しゅうしゅうに努つとめることにしている。四国しこく電力でんりょくには引き続ひきつづき、地域ちいき住民じゅうみんと培つちかってきた発電はつでん所しょの安全あんぜん性せいや信頼しんらい性せいの向上こうじょう、透明とうめい性せいの高たかい情報じょうほう公開こうかいのあるべき姿すがたを追及ついきゅうしてほしい」というコメントを出だしました。

市民しみん団体だんたいが抗議こうぎ活動かつどう

伊方いかた原発げんぱつの周辺しゅうへんでは３さん号機ごうきの再さい稼働かどうに反対はんたいする市民しみん団体だんたいが抗議こうぎ活動かつどうを行おこないました。

抗議こうぎ活動かつどうを行おこなったのは、「伊方いかたから原発げんぱつをなくす会かい」などの市民しみん団体だんたいで、朝あさから伊方いかた原発げんぱつの入り口いりくち付近ふきんで横断幕おうだんまくを掲かかげ、「再さい稼働かどう反対はんたい」などと声こえをあげていました。

参加さんかした60代だいの女性じょせいは、「原発げんぱつが必要ひつような理由りゆうは電力でんりょくの安定あんてい供給きょうきゅうというが、伊方いかた原発げんぱつはこの７なな年間ねんかんで１いち年ねんほどしか動うごいていない。危険きけんな放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを使つかい、命いのちをかけてまで電力でんりょくを生み出うみだすことは問題もんだいで、なんとか原発げんぱつを止とめたい」と話はなしていました。