介護かいご保険ほけん制度せいどの見直みなおし案あんを提示ていじ 厚生こうせい労働ろうどう省しょう

介護かいご費用ひようが増ふえ続つづけるなか、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは３さん年ねんに１いち度ど行おこなう介護かいご保険ほけん制度せいどの改革かいかくで利用りよう者しゃ負担ふたんの引き上ひきあげを検討けんとうし、16日にち開ひらかれた専門せんもん家か部会ぶかいで見直みなおし案あんを示しめしました。

このうち、現在げんざい、原則げんそく１いち割わりとなっている自己じこ負担ふたんについて、２に割わりまたは３さん割わり負担ふたんとなる人ひとを収入しゅうにゅうに応おうじて拡大かくだいするか議論ぎろんしてきましたが、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは利用りよう者しゃへの影響えいきょうが大おおきいなどという指摘してきを受うけ、「引き続ひきつづき検討けんとうが必要ひつようだ」として拡大かくだいを見送みおくる方針ほうしんを示しめしました。

また、在宅ざいたくで介護かいごサービスを受うける際さいに必要ひつようなケアプラン作成さくせいの有料ゆうりょう化かや、要よう介護かいご１いちと２にの人ひとが受うける生活せいかつ援助えんじょサービスを、国くにから市町村しちょうそんの事業じぎょうに移行いこうすることなども見送みおくる方針ほうしんが示しめされました。

一方いっぽう、実行じっこうすべき改革かいかくとしては、原則げんそく月つき４よん万まん4400円えんとなっている自己じこ負担ふたんの上限じょうげん額がくを、年収ねんしゅうに応おうじて引き上ひきあげることや低てい所得しょとくの人ひとが介護かいご施設しせつを利用りようする際さいに居住きょじゅう費ひや食費しょくひを補助ほじょする制度せいどで、一部いちぶの人ひとの負担ふたん額がくを増ふやす方針ほうしんが示しめされました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、年内ねんないに結論けつろんをまとめたうえで、再来さいらい年度ねんどからの導入どうにゅうを目指めざしたいとしています。

介護かいご保険ほけん制度せいどの主おもな改革かいかく案あん

16日にち、厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か部会ぶかいで示しめされた介護かいご保険ほけん制度せいどの主おもな改革かいかく案あんです。

まず、自己じこ負担ふたんの引き上ひきあげにつながる項目こうもくについてご紹介しょうかいします。

1か月かげつごとの自己じこ負担ふたんの上限じょうげん額がくについて。現在げんざいは世帯せたい当あたり４よん万まん4400円えんとなっていて、これを超こえた分ぶんは返金へんきんされます。この上限じょうげん額がくを「年収ねんしゅうに応おうじて引き上ひきあげるべき」とされました。

具体ぐたい的てきには、年収ねんしゅう770万まん円えん以上いじょうの場合ばあいは世帯せたい当あたり月つき９きゅう万まん3000円えん、年収ねんしゅう1160万まん円えん以上いじょうの場合ばあいは世帯せたい当あたり月つき14万まん100円えんまで引き上ひきあげる案あんが検討けんとうされています。

また、低てい所得しょとくの人ひとが特別とくべつ養護ようご老人ろうじんホームなどの介護かいご施設しせつを利用りようする場合ばあいに、居住きょじゅう費ひや食費しょくひを補助ほじょする制度せいどがありますが、一部いちぶの人ひとの負担ふたん額がくを増ふやす方針ほうしんも示しめされました。

具体ぐたい的てきには、年金ねんきんなどの収入しゅうにゅうが年とし120万まん円えんを超こえ155万まん円えん以下いかの人ひとについて、現在げんざいの負担ふたん額がくに月つき２に万まん2000円えんを上乗うわのせする案あんが検討けんとうされています。

一方いっぽう、「引き続ひきつづき検討けんとうすべき」として今回こんかいは導入どうにゅうを見送みおくる方針ほうしんが示しめされた項目こうもくについてご紹介しょうかいします。

現在げんざい、原則げんそく１いち割わりとなっている介護かいごサービスを受うける際さいの自己じこ負担ふたんについて、収入しゅうにゅうに応おうじて２に割わり負担ふたんまたは３さん割わり負担ふたんとなる人ひとを拡大かくだいすること。

在宅ざいたくで介護かいごを受うける際さいに、ケアマネージャーにサービスの利用りよう計画けいかくを作つくってもらう「ケアプランの作成さくせい」を有料ゆうりょう化かすること。

要よう介護かいご１いちと２にの人ひとが受うける、買い物かいものや調理ちょうり、洗濯せんたくなどの生活せいかつ援助えんじょサービスを国くにから市町村しちょうそんの事業じぎょうに移行いこうすること。

これらはいずれも今回こんかいの議論ぎろんの大おおきな焦点しょうてんでしたが「高齢こうれい者しゃへの影響えいきょうが大おおきく、サービスの利用りよう控ひかえにつながりかねない」などという指摘してきがあり見送みおくりとなる見通みとおしです。

こうした国くにの方針ほうしんについて出席しゅっせきした専門せんもん家かから理解りかいを示しめす声こえがあがった一方いっぽうで、「介護かいご保険ほけん制度せいどを維持いじしていくためには自己じこ負担ふたんの引き上ひきあげが必要ひつようで、今回こんかいは多おおくの項目こうもくが先送さきおくりとなり残念ざんねんだ」という意見いけんもあがっていました。