誕生間もない
初期の
宇宙に、
巨大な
炭素ガスの
雲に
包まれた
銀河があったことを、
国立天文台などの
グループが
初めて明らかにし、
初期の
宇宙がガス
雲(うん)を
吹き出す
未知のメカニズムに
関係者の
注目が
集まっています。
炭素などの
原子は、
星の
内部の
核融合によってでき、
銀河に
蓄積されていきますが、
初期の
宇宙ではこうした
原子が、どのように
存在していたのか
分かっていませんでした。
国立天文台などの研究グループは、南米のチリにある「アルマ望遠鏡」で、およそ130億光年離れた誕生間もない初期の宇宙の銀河の中から炭素が出す微弱な電波を検出した18の銀河を選び出し、詳しい分析を行いました。
すると、銀河の周りを取り囲むように炭素のガスの雲が存在している様子を世界で初めて確認することができたということです。
炭素のガスの雲の半径は銀河自体の5倍に達していて、初期の宇宙の銀河以外では確認できなかったことから、グループでは、誕生間もない宇宙の銀河には炭素のガス雲を吹き出す未知のメカニズムがあるとしています。
研究の中心メンバーで、デンマークにあるコペンハーゲン大学の藤本征史さんは「メカニズムは全くの謎だが、ブラックホールの影響などが考えられ、さらに観測を重ねて謎を明らかにしていきたい」と話していました。