ひきこもりの
人の
自立を
支援する
業者に
強制的に
自宅から
連れ出されて
寮生活をさせられ、
精神的に
苦痛を
受けたと30
代の
女性が
訴えた
裁判で、
東京地方裁判所は「
本人の
意思を
確認せずに
連れ出したのは
違法だ」として
業者に500
万円余りの
賠償を
命じる判決を
言い渡しました。
関東地方に
住む30
代の
女性は
4年前、
母親から
依頼を
受けた
業者の
職員によって
強制的に
自宅から
連れ出され、
寮生活で
行動の
自由を
奪われて
精神的な
苦痛を
受けたとして、
東京 調布市の「エリクシルアーツ」
に対して、
母親とともに
賠償を
求めました。
26日の判決で、東京地方裁判所の飛澤知行裁判長は「業者は事前に家族からの聞き取りは行ったものの、女性本人に意思を確認しないまま、自立支援の計画を立てた。特段の緊急性もないのに女性が住むマンションの玄関ドアのチェーンを破壊して立ち入り、携帯電話や現金を預かった状態で寮で生活させるなど女性の行動の自由を害する違法な行為があった」と指摘して、業者に対して500万円余りの賠償を命じました。
訴えていた女性は判決の後に会見を開き、「私はアルバイトもできていて引きこもりではありませんが、親がひきこもりだと思って業者と契約するだけで本人の意思すら確認しないまま外に連れ出すのは非常に恐ろしい人権侵害だと思います」と話しました。
代理人を務めた望月宣武弁護士は「多くの業者が事前に本人の意思を確認せずに不意打ちで連れ出し行為を行っているのが現状で、その点を是正するよう求める判断が出た意義は大きい」と話しています。
業者「判決内容を精査したい」
判決について、「エリクシルアーツ」の代理人を務める弁護士は、「控訴するかどうか、判決内容をよく精査して判断したい」とコメントしています。