日本新聞: 24時間営業取りやめ “深夜はＳＮＳで代用”の時代へ

ファミリーレストラン最大さいだい手しゅ「すかいらーすかいら-くホールディングス」が、半はん世紀せいきにわたって続つづけてきた24時間じかん営業えいぎょうをすべての店みせでやめることになりました。24時間じかん営業えいぎょうを廃止はいしする動うごきが広ひろがっている背景はいけいに若者わかものを中心ちゅうしんにライフスタイルが大おおきく変化へんかしていることがあります。

広報こうほう担当たんとう「深夜しんやの利用りよう客きゃくはＳＮＳで代用だいようか」

すかいらーすかいら-くホールディングスの広報こうほう担当たんとう者しゃ、伊藤いとう宏泰ひろやすさんは今回こんかいの措置そちの背景はいけいについて「若者わかもののグループや深夜しんやの仕事しごと帰がえりの方々かたがたなどたくさんの人ひとが深夜しんやのレストランを利用りようした時代じだいもあった。しかし、夜よる更ふかしをしたくないなど健康けんこうを意識いしきする層そうが増ふえているという面めんはある。また、ＳＮＳの発達はったつでわざわざ顔かおを合あわせなくてもコミュニケーションがとれる時代じだいになり、深夜しんやの利用りよう客きゃくはＳＮＳで代用だいようするようになったかもしれない。客数きゃくすうがピークとなっている時間じかん帯たいでは、顔かおを合あわせて食事しょくじを楽たのしむ場ばが貴重きちょうになっていると考かんがえられる」と話はなしています。

専門せんもん家か「人口じんこう密集みっしゅうエリア除のぞけば７なな、８はち割わりは脱だつ24時間じかんに」

外食がいしょく産業さんぎょうに詳くわしい野村のむら総合そうごう研究所けんきゅうじょの倉林くらばやし貴之たかゆき上席じょうせきコンサルタントは、外食がいしょくでの24時間じかん営業えいぎょう見直みなおしの背景はいけいにはウーバーイーツなど食事しょくじの配達はいたつ代行だいこうサービスの普及ふきゅうや若者わかもののコミュニケーションの変化へんかがあると指摘してきしています。

倉林くらばやしさんは「レストランの食事しょくじを家いえまで運はこんでくれるサービスが普及ふきゅうしてくると店みせまでわざわざ行いくという行動こうどうが減へってきており、お客おきゃくさんがあまり来こない時間じかん帯たいは店みせを閉しめてしまったほうが経営けいえい上じょうプラスであるというのが増ふえてきている。直近ちょっきん２に、３さん年間ねんかんでいうと、東京とうきょう都心としんなど人口じんこうが密集みっしゅうするエリアを除のぞけば７なな割わり、８はち割わりくらいの店舗てんぽは24時間じかん営業えいぎょうを取とりやめる流ながれになるのではないか」と話はなしています。

そのうえで倉林くらばやしさんは「ただ、その先さきの４よん年ねん後ご、５ご年ねん後ごとなってくると５ごＧぎがやＩｏＴの普及ふきゅうによってデジタル化かが進すすんでいくことで無人むじんで運用うんようできたり１いち人にんで対応たいおうできる店舗てんぽが実現じつげんして広ひろく普及ふきゅうしてくると人件じんけん費ひがあまりかからなくなってくるので、もう一度もういちど24時間じかん営業えいぎょうに戻もどってくるという流ながれも生うまれてくると思おもわれる」と指摘してきしています。

24時間じかん営業えいぎょう始はじまったのは48年ねん前まえ

すかいらーすかいら-くがファミリーレストランの24時間じかん営業えいぎょうをはじめたのは1972年ねん、いまから48年ねん前まえのことです。

若わかい世代せだいや深夜しんやも働はたらく人ひとたちからの「深夜しんやも集あつまって食事しょくじができる場所ばしょがほしい」という声こえにこたえる形かたちで24時間じかん営業えいぎょうを始はじめました。当初とうしょは数すう店舗てんぽでしたが、営業えいぎょうする店舗てんぽ数すうが増ふえるのに伴ともなって全国ぜんこくに広ひろがり、他社たしゃも相次あいついで24時間じかん営業えいぎょうに踏み切ふみきりました。

24時間じかん営業えいぎょうの店舗てんぽは終電しゅうでんに乗り遅のりおくれた人ひとが始発しはつを待まつ間ま過すごしたり若者わかものが集あつまってさまざまな情報じょうほうを交換こうかんしたりする場ばとしても利用りようされてきました。

しかし、最近さいきんは深夜しんやの時間じかん帯たいの利用りよう者しゃが減少げんしょうする傾向けいこうにあります。

外食がいしょくの市場しじょう調査ちょうさなどを行おこなっているリクルートライフスタイルが深夜しんやの飲食いんしょく店てんの利用りよう状況じょうきょうについて、去年きょねん10月つきに首都しゅと圏けんと関西かんさい、それに東海とうかい地方ちほうでおよそ１いち万まん人にんを対象たいしょうに調査ちょうさしたところ「１いち年ねん前まえと比くらべて深夜しんやの外食がいしょくが減へった」と答こたえた人ひとは23.3％で「増ふえた」と答こたえた4.7％を大おおきく上回うわまわりました。

また、飲食いんしょく店てんの深夜しんや営業えいぎょうについて「必要ひつよう性せいを感かんじる」と答こたえた人ひとは13.5％だったのに対にたいし「必要ひつよう性せいを感かんじない」は68.3％に上のぼっています。ではなぜ、深夜しんやの利用りよう者しゃが減少げんしょうする傾向けいこうにあるのか。

すかいらーすかいら-くが背景はいけいにあると考かんがえているのが若者わかものを中心ちゅうしんとしたコミュニケーションの変化へんかです。

ＬＩＮＥなどＳＮＳの普及ふきゅうに伴ともなって、わざわざ深夜しんやにファミリーレストランに集あつまって情報じょうほうを交換こうかんしなくても、仲間なかまどうしの情報じょうほう交換こうかんが手軽てがるにできるようになりました。

会社かいしゃによりますと、かつては午前ごぜん０ぜろ時じから６ろく時じの売り上うりあげが１いち日にちの売り上うりあげの１いち割わりをこえる店みせもありましたが、最近さいきんは減少げんしょう傾向けいこうにあるということです。

広ひろがる24時間じかん営業えいぎょう見直みなおし外食がいしょく・小売こうり業界ぎょうかいでも

24時間じかん営業えいぎょうを見直みなおす動うごきは外食がいしょく業界ぎょうかいや小売こうり業界ぎょうかいでも広ひろがっています。

外食がいしょく業界ぎょうかいでは、ロイヤルホストとサイゼリヤがすべての店舗てんぽですでに24時間じかん営業えいぎょうを取とりやめていて、営業えいぎょう時間じかんの短縮たんしゅくを進すすめています。

このうちロイヤルホストでは24時間じかん営業えいぎょうをやめたことで女性じょせいのパートを確保かくほしやすくなったほか、多おおくの客きゃくが訪おとずれる昼食ちゅうしょくと夕食ゆうしょくの時間じかん帯たいのサービスを充実じゅうじつさせることで売り上うりあげが伸のびたということです。

今回こんかい、24時間じかん営業えいぎょうの廃止はいしを決きめた、すかいらーすかいら-くでも昼食ちゅうしょくや夕食ゆうしょくの時間じかん帯たいに従業じゅうぎょう員いんを重点的じゅうてんてきに配置はいちしてサービスの質しつを高たかめるとともに、年々ねんねん増ふえている女性じょせいや高齢こうれい者しゃの従業じゅうぎょう員いんが働はたらきやすい環境かんきょうを整ととのえたいとしています。