新型コロナウイルスによる
肺炎の
患者の
治療に
当たった
医師が
NHKの
取材に対し、
発熱や
全身のだるさが
1週間以上続くものの
症状は
比較的軽いとした
一方、
日本国内でも
感染が
広がるおそれは
あるとして、
持病のある
人や
高齢者など、
重症化するおそれがある
人に
感染を
広げない
対策を
取る必要があるという
考えを
示しました。
国立国際医療研究センターの
忽那賢志医師は、
新型コロナウイルスの
感染が
拡大する
中国 武漢からチャーター
機で
帰国した
症状が
出た
人など、
5人の
治療に
当たりました。
忽那医師は、実際の患者の症状について知ってもらいたいと、NHKの単独インタビューに応じました。
その中で忽那医師は、患者に共通していた症状は鼻水やのどの痛み、それにせきが出て、37度以上の発熱や全身のけん怠感が1週間程度続くことだと指摘しました。
中には1週間後に熱が高くなることもあり、インフルエンザやほかのウイルス性の感染症より症状が続く傾向があるとしています。
ただ症状は比較的軽く、肺炎になる人もいたものの、全員回復してきているということで、「今のところ、細菌やインフルエンザによる肺炎よりも軽い。感染力は比較的高いが重症度は低い」と話しています。
また、症状が出ない人が感染を広げるリスクが指摘されていることについて「基本的にはせきやくしゃみでうつる感染症なので、症状が出ていなければ広がるリスクは低いとみられる」と述べました。
その一方、日本で感染が広がる可能性について「感染の拡大を完全に抑えるのはなかなか難しい状況になってきているのではないか。持病のある人や高齢者、それに妊娠中の女性もインフルエンザなどの場合、重症化しやすいので、こうした人たちが感染しないよう、皆さんが手洗いなどの予防対策をしっかり意識して行う必要がある」と述べ、重症化するおそれがある人たちに感染を広げない対策の必要性を強調しました。
●今夜9時 NHKスペシャル
NHKスペシャル
「感染はどこまで拡がるのか ~緊急報告 新型ウイルス肺炎~」
総合テレビ 2月9日(日) 午後9時00分~9時55分
SARSの死者数を上回り感染拡大を続ける新型コロナウイルス。その正体はどこまで分かってきたのか。明確な症状がない段階でも感染を拡げるおそれが指摘される“見えにくい感染症”で、水際対策にも限界が。生放送で疑問や不安にこたえます。