中国で
新型コロナウイルスに
感染して
死亡した
人の
数は812
人となり、2003
年に
流行した
新型肺炎「SARS」の
世界全体の
死者数を
上回りました。
中国では10
日、
各地で
企業の
活動が
再開される
見通しですが、
多くの
人が
通勤などで
公共交通機関を
利用することによる
感染の
拡大をいかに
防ぐかが
課題となります。
中国の保健当局 国家衛生健康委員会は、新型コロナウイルスに感染して死亡した人の数が8日までに811人になったと発表し、さらに海南省の保健当局は9日、新たに1人が死亡したと明らかにしました。
中国で死亡した人の数は合わせて812人となり、SARSで世界全体で死亡した774人を上回りました。
感染が確認された人も3万7198人に増え、このうち症状の重い人が6188人に上っています。
中国では感染の拡大を防ぐため、旧正月「春節」の連休が今月2日に終わったあとも上海などで企業の活動再開が1週間延期され、北京でも在宅での勤務が求められていました。
10日からは各地で企業の活動が再開される見通しで、出勤や帰宅の時間には多くの人が地下鉄やバスなどの公共交通機関を利用するとみられます。
北京や上海などの地下鉄では駅で利用者一人一人の体温を測定するといった対策を行っていますが、ラッシュの時間帯には利用者が集中することも懸念され、感染拡大をいかに防ぐかが課題となります。
北京 列車に乗客少なく 街も閑散
北京駅では、例年のように帰省先から戻ってくる人たちで混み合う様子は見られませんでした。
中国東北部、遼寧省の帰省先から北京に戻ってきた男性は「列車には5分の1くらいしか乗客がいませんでした。自分は通知があるまで在宅勤務をする予定です。不便ですが、自分のためにもほかの人のためにもなるべく外出は避けるようにします」と話していました。
北京に隣接する河北省に帰省していた女性は「北京にいた従業員はあすから勤務が始まりますが、北京を離れていた人はしばらくの間、出勤せず、会社の寮で様子をみることになっています。地下鉄は人が多いので乗り合いタクシーで寮まで帰ろうと思います」と話していました。
中国では、感染拡大を防ぐため各地で交通機関の運行制限も続いていて、中国の交通当局によりますと、春節の休暇を帰省先などで過ごした人たちがUターンする時期の鉄道やバス、航空機などの旅客数は、去年を70%程度下回る見通しです。
一方、北京では出歩く人たちの姿はまばらで、路線バスに乗っている人もほとんど見かけず、街は閑散とした状態が続いています。
団地の入り口などでは出入りする住民の体温検査が行われているほか、帰省先などから戻ってきた人たちに対して報告を求める貼り紙が貼られていました。