「令りょう和わの時代じだいにも復元ふくげんできる」首くび里さと城じょう火災かさいから１いち週間しゅうかん

先月せんげつ31日にちの未明みめい、那覇なは市しにある首くび里さと城じょうで大だい規模きぼな火災かさいが起おき、「正殿せいでん」など主要しゅような建造けんぞう物ぶつが全焼ぜんしょうしました。

出火しゅっか原因げんいんについて、現場げんばでの検証けんしょうを続つづけている消防しょうぼうは６ろく日にち、電気でんき系統けいとうのトラブルの可能かのう性せいが高たかいという見方みかたを示しめし、消防しょうぼうと警察けいさつは現場げんばで見みつかった焦こげた電気でんき設備せつびを詳くわしく調しらべるなどして原因げんいんの特定とくていを急いそぐことにしています。

一方いっぽう、再建さいけんに向むけて政府せいふは６ろく日にち、関係かんけい閣僚かくりょう会議かいぎを初はじめて開ひらき、安倍あべ総理そうり大臣だいじんが必要ひつような財源ざいげんを確保かくほし、政府せいふ一丸いちがんとなって全力ぜんりょくを挙あげる考かんがえを示しめしました。

こうした中なか、沖縄おきなわ県けんは早期そうきの再建さいけんに向むけ、政府せいふとの調整ちょうせいなどにあたる知事ちじ直轄ちょっかつの専門せんもんチームを発足ほっそくさせることを決きめました。

また那覇なは市しなどには、再建さいけんへの資金しきんに充あててほしいと国内外こくないがいから寄付きふ金きんが続々ぞくぞくと集あつまっていて、官民かんみんともに再建さいけんに向むけた動うごきが加速かそくしています。

ただ、再建さいけんに向むけては、防火ぼうか対策たいさくが適切てきせつだったか検証けんしょうし、再発さいはつ防止ぼうし策さくを検討けんとうする必要ひつようがあるほか、正殿せいでんの建て直たてなおしに必要ひつような太ふとくて長ながい材木ざいもくを大量たいりょうに確保かくほするのは容易よういではないという指摘してきもあり、今後こんご、官民かんみんが一体いったいとなってどう克服こくふくし、再建さいけんを進すすめられるかが課題かだいとなります。

令りょう和わの時代じだいにも必かならず復元ふくげんできる

平成へいせいの時代じだいに首くび里さと城じょうの正殿せいでんの復元ふくげんに関かかわった本土ほんど出身しゅっしんの当時とうじの現場げんば責任せきにん者しゃは「令りょう和わの時代じだいにも必かならず復元ふくげんできる」と再建さいけんに向むけてエールを送おくっています。

岐阜ぎふ県けん出身しゅっしんの加藤かとう真司しんじさん（61）は、当時とうじの沖縄おきなわ開発かいはつ庁ちょうに出向しゅっこうし、平成へいせい３さん年ねんまで首くび里さと出張しゅっちょう所しょ長ちょうとして首くび里さと城じょう復元ふくげんの現場げんば責任せきにん者しゃを務つとめました。

加藤かとうさんが徹底てっていしたのは、聞き取ききとり調査ちょうさなどによる正確せいかくな復元ふくげんです。

戦前せんぜんに首くび里さと城じょうの修理しゅうりに関かかわった地元じもとの職人しょくにんを訪たずねて証言しょうげんを集あつめ、資料しりょうに残のこっていなかった正殿せいでんの柱はしらの色合いろあいなど細部さいぶにまでこだわって再現さいげんに取り組とりくんだということです。

こうした地元じもととの関かかわりを通をとおして、加藤かとうさんの心こころに残のこったのは、沖縄おきなわの人ひとたちが首くび里さと城じょうに抱いだく思おもいの強つよさでした。

加藤かとうさんは「ご高齢こうれいの方ほうは皆みなさん、『首くび里さと城じょうができるまで死しねない』と話はなしていたが、１いち回かい本当ほんとうに両りょう脇わきを抱かかえられて現地げんちに来きたられた方ほうがいて、『できあがるのを見みたいけどかないそうもないから、せめて骨組ほねぐみでも見みたい』と話はなしていた」と当時とうじを振り返ふりかえりました。

加藤かとうさんは、今回こんかいの火災かさいを受うけて沖縄おきなわの人ひとたちが涙なみだする様子ようすを見みて「首くび里さと城じょうは当然とうぜんあるものであって、なければ悲かなしい、親おやみたいなものではないか」と話はなしています。

そのうえで「１いち年ねん、２に年ねんでできるものではないが、平成へいせいの時代じだいに復元ふくげんできたので、令りょう和わの時代じだいも必かならずできると思おもいます」と再建さいけんに向むけてエールを送おくっています。