アフガニスタン東部のナンガルハル州ジャララバードで4日、福岡市のNGO「ペシャワール会」の現地代表の医師 中村哲さん(73)が、車で移動中に何者かに銃撃され死亡しました。
中村さんと一緒にいた運転手や警備員合わせて5人も撃たれて死亡しました。
事件を受けて中村さんの妻と長女、ペシャワール会の関係者の合わせて5人が5日夜、福岡空港を出発し、日本時間の6日午後、アフガニスタンの首都カブールの空港に到着します。
中村さんの遺体は現在カブール市内に安置され、遺族や関係者は空港に到着したあと遺体と対面することになっています。
ペシャワール会によりますと、遺族らは8日にも、亡くなった中村さんとともに帰国する予定だということです。
今回の事件では、現場での目撃情報から中村さんを銃撃したのは複数の男であることがわかっています。
警察のその後の調べで、中村さんは助手席に座っていたところ、車から降りてきた男らにおよそ10mの距離から殺傷能力の高い自動小銃で数回撃たれていたことも明らかになっており、警察は、強い殺意を持って犯行に及んだ疑いがあるとみて調べています。
茂木外相「職員を派遣 ご遺体の円滑な輸送を準備」
茂木外務大臣は閣議のあとの記者会見で、「卑劣なテロ行為を断固非難し、早急な捜査の進展を期待する。邦人援護の観点から、外務省から海外緊急展開チームの職員1人を派遣した。現地でご遺体の円滑な輸送準備が行われると承知している」と述べました。
そのうえで、「アフガニスタンにはレベル4の退避勧告を出しており、目的のいかんにかかわらず渡航は控えてほしい。邦人の安全確保に全力で取り組みたい」と述べました。