日本新聞: 国産小豆の価格上昇和菓子の値上げ検討など影響も

国産こくさん小豆あずきの価格かかく上昇じょうしょう和菓子わがしの値上ねあげ検討けんとうなど影響えいきょうも

Nov 17, 2018 17:11

Furigana

国産こくさんの小豆あずきの価格かかくが上昇じょうしょうしています。夏場なつばの天候てんこう不順ふじゅんで収穫しゅうかく量りょうが大幅おおはばに落ち込おちこむと見込みこまれているためで、和菓子わがしメーカーが値上ねあげを検討けんとうするなど影響えいきょうが懸念けねんされています。国産こくさん小豆あずきのおよそ６ろく割わりを生産せいさんする北海道ほっかいどうの十勝とかち地方ちほうでは、夏場なつばの天候てんこう不順ふじゅんの影響えいきょうで、収穫しゅうかく量りょうが平年へいねんと比くらべて大おおきく落ち込おちこんでいます。

帯広おびひろ市し大正たいしょう地区ちくの農家のうか、早坂はやさか佳けい徳いさおさんは、およそ４よんヘクタールの畑はたけで、大おおきい粒つぶが特徴とくちょうの「きたろまん」という品種ひんしゅを育そだてています。

しかし、ことしは夏場なつばに雨あめの日ひが多おおかったため、生育せいいくが遅おくれたほか、さやの数かずも少すくなく、収穫しゅうかく量りょうは平年へいねんよりも４よん分ぶんの１いち程度ていど減へったということです。

早坂はやさかさんは、「色いろがのって、よい品質ひんしつの小豆あずきができたが、長雨ながあめで収穫しゅうかく量りょうは大おおきく減へった」と話はなしています。

天候てんこう不順ふじゅんで収穫しゅうかく量りょう平年へいねんより大幅おおはば減げん

国産こくさん小豆あずきのおよそ６ろく割わりを生産せいさんする北海道ほっかいどうの十勝とかち地方ちほうでは、夏場なつばの天候てんこう不順ふじゅんの影響えいきょうで、収穫しゅうかく量りょうが平年へいねんと比くらべて大おおきく落ち込おちこんでいます。

和菓子わがしメーカーも苦慮くりょ

東京とうきょう自由が丘じゆうがおかに本店ほんてんがある創業そうぎょう80年ねんの「亀屋万年堂かめやまんねんどう」は、北海道ほっかいどう産さんの小豆あずきを使つかった「あんこ」にこだわって、まんじゅうやどら焼やきなどを作つくっています。

年間ねんかんおよそ40トンの小豆あずきを仕入しいれていますが、このところの価格かかく上昇じょうしょうで、コストが数すう百ひゃく万まん円えん増ふえる見込みこみになっています。

小豆あずきの価格かかく上昇じょうしょうの原因げんいんは、最大さいだいの産地さんち・北海道ほっかいどうでの収穫しゅうかく量りょうの落ち込おちこみです。生産せいさん者しゃ団体だんたいの「ホクレン」によりますと、夏場なつばの長雨ながあめや日照にっしょう不足ふそくにより平年へいねんより２に割わりほど減少げんしょうする見通みとおしです。

この影響えいきょうで、国産こくさん小豆あずきの価格かかく動向どうこうを調しらべている「貿易ぼうえき日日ひにち通信つうしん社しゃ」によりますと、直近ちょっきんの取引とりひき価格かかくは平年へいねんに比くらべ５ご割わり以上いじょう高たかくなっているということです。

小豆あずきの価格かかく上昇じょうしょうによるコスト増加ぞうかを受うけて、この和菓子わがしメーカーでは商品しょうひんの値上ねあげも検討けんとうせざるをえないとしています。

亀屋万年堂かめやまんねんどうの高田たかだ真しん至いたりマネージャーは、「商品しょうひん価格かかくを据え置すえおくのは、非常ひじょうに厳きびしい状況じょうきょうだ。しかし、お客様おきゃくさまに値上ねあげを受け入うけいれてもらえるか分わからず、判断はんだんが難むずかしい」と話はなしています。

「作付さくづけ増ふやして」

国産こくさん小豆あずきの価格かかく上昇じょうしょうを受うけて和菓子わがしメーカーでつくる「全国ぜんこく和菓子わがし協会きょうかい」では今月こんげつ、生産せいさん者しゃ団体だんたいに北海道ほっかいどうでの作付さくづけを増ふやすよう要望ようぼうしました。

全国ぜんこく和菓子わがし協会きょうかいの藪やぶ光生みつお専務せんむ理事りじは、「あんこは和菓子わがしの命いのちなので、簡単かんたんには他たの産地さんちにかえられない。小豆あずきの価格かかくは天候てんこうに左右さゆうされやすいので、作付さくづけを増ふやし、安定あんてい供給きょうきゅうをお願おねがいしたい」と話はなしています。