警視庁は、このサークルではメンバーに月に数万円を払うようノルマを課していて、払えずに辞めたメンバーから金銭を取り立てていたとみていますが、サークルでは、こうした金を月に600万円から900万円集め、そのほとんどが会長の村尾翼容疑者に渡っていた疑いがあることが警視庁への取材で分かりました。
サークルのホームページやSNSでは、豪華な会場で大勢が集まるイベントを開催しているとアピールしていて、警視庁は、多額の金を継続的に集める目的でサークルを運営していたとみて調べています。
調べに対し、3人は容疑を否認しているということです。
サークルの実態 ノルマと執ような取り立て
警視庁によりますと、イベントサークル「TL」は、会長の村尾翼容疑者(25)が、大学生だった5年前の平成26年に設立されました。
「日本一楽しいサークル」と銘打ったサークルは、「会長」の村尾翼容疑者を頂点に、ナンバー2が「代表」、弟で日本大学4年の村尾光康容疑者(21)がナンバー3の「副代表」、ナンバー4が「最高幹部」で、すでに暴行罪などで起訴された日本大学の学生、阿世知信治容疑者(22)は、ナンバー5の「副幹部」でした。
ツイッターで見つけた大学の新入生などのアカウントにメッセージを送り、150人ほどの末端の「メンバー」を集め、メンバーには、イベントの参加者を勧誘したり月に数万円を支払ったりするノルマが課されたということです。
毎月、クラブなどで開かれるイベントには、多い時で1回に1000人ほどが集まり、参加費などとして900万円近い売り上げがあったということです。そのほとんどは会長に渡っていたとみられています。
それでもメンバーらが活動を続ける理由については、「幹部だけが高い酒が飲める打ち上げに、ただで参加できる」、「たくさん集客することで充実感があった」などと話しているということです。
一方で、ノルマが達成できずに途中で辞めたメンバーには、このあと数回分のイベントで参加者として勧誘するノルマの人数や、その参加者が払う予定だった参加費などが損害として発生したとして、金銭の取り立てを執ように行っていたとみられています。
50万円の支払いを強要されたサークルの元メンバーの女性は「入会すると契約書を書かされ、1回のイベントごとに3万円ほどの参加費の支払いを義務づけられた。ほかの学生を勧誘すればキャッシュバックがあり、自分の負担が減る仕組みだった。ただ途中で辞めようとすると徴収が始まり、学生証などに書かれた住所に押しかけたり、暴力的に迫ってきたりした」と証言しています。