また、東京・渋谷の大型雑貨店では、「平成グッズ」を集めた売り場を設けています。このうちクリアファイルは、表に「平成」の2文字が大きく書かれているほか、裏には平成元年の「ベルリンの壁崩壊」や平成11年の「だんご3兄弟」の大ヒットなど、平成の30年間に起きた主な出来事が年ごとに書かれていて、特に人気を集めています。
売り場では、合わせておよそ50種類のグッズが販売されていて、品切れになる商品が相次ぐなど予想を上回る人気となっているということです。平成12年生まれの18歳の男子学生は、「元号が変わる瞬間を目撃するのは初めてなので、その記念になればと思って買いに来ました」と話していました。
さらに、これからピークを迎えるバレンタイン商戦でも、「平成最後」がキーワードになっています。東京・渋谷にある「義理チョコ」のパッケージのデザインなどを企画している会社では、「平成最後のバレンタインチョコ」と銘打った商品を作りました。パッケージの裏側には、「平成時代はお世話になりました。新元号でもよろしくお願いいたします」というメッセージが書かれていて、当初の予想の2倍以上のペースで売れているということです。
この商品をデザインした女性社員は、「平成というひとつの時代が終わる大きな節目に周りの人に感謝の気持ちを伝えるコミュニケーションツールとして、このチョコを使ってもらえたらうれしいです」と話していました。
ネット上では「カウントダウン」も
インターネット上には、「平成終了まで」の残り時間を秒単位でカウントダウンするサイトが数多く存在します。その数字は、いずれも21日、「100日」を切りました。
東京・新宿を行き交う人たちは、去りゆく「平成」に、さまざまな思いを抱いていました。このうち、平成10年生まれの21歳の男性は、「平成が終わる実感がまだ持てないです。自分が生まれた時代が一世代前のものになってしまうかと思うと寂しいです」と話していました。
また、平成7年生まれで24歳の保育士の女性は、「自分が生まれてから初めて時代が変わるので、楽しみです。新しい元号生まれの子どもたちが保育園に入ってくるかと思うとわくわくします」と話していました。
新しい元号になったら何をする?
ことし5月1日に元号が改められる「改元」について、東京のネットリサーチ会社「クロス・マーケティング」が去年11月、インターネットを通じて全国の20歳以上の男女3000人を対象に意識調査を行いました。
それによりますと、「あなたは、この1年間で、『平成最後』ということを意識することがありましたか」という質問に対し、3人に1人が「あった」と回答しました。この割合を年代別に見ると、平成生まれの人は40%に達し、30%前後だったほかの年齢層と比べて高くなりました。
また回答者全体の5人に1人が「元号が新しく変わることを機になにか物事を新しく始めたり、行動したい」と答え、その年代別の割合も40代以上がいずれも10%台にとどまったのに対し、平成生まれの人は25%に上りました。「平成最後」を意識したり、改元をきっかけに何かを始めたいという人の割合は平成生まれの若い世代ほど高くなるという結果になりました。
改元を機に何を始めたいか東京・新宿で聞いたところ、平成10年生まれで21歳の男性は、「新しい元号になったら気持ちも新たになるので、これを機に今までやったことのないボルダリングを始めてみたい」と話していました。
また、昭和40年生まれで53歳の会社員の男性は、「新元号になったらとりあえずやせたいです。あと、新しい時代をどんなふうに過ごすか、家族で一度話し合いたいなと思います」と話していました。