世界ランキング4位の大坂選手は準々決勝でウクライナの選手にセットカウント2対0のストレート勝ちで、準決勝に進みました。
24日の準決勝では元世界1位で、現在、世界8位、チェコのカロリーナ・プリシュコバ選手と対戦しました。大坂選手は、プリシュコバ選手に1勝2敗と負け越していて、去年の全米オープン優勝後、最初に臨んだ東京でのツアー大会決勝ではストレート負けしています。
気温が40度近くになる中、試合はセンターコートの屋根を閉めて行われ、第1セット、大坂選手は、相手の角度のある鋭いサーブにもしっかり対応し、深いリターンを軸にポイントを重ね6-2で取りました。
第2セットは4-4となった相手のサービスゲームの第9ゲームでフォアハンドのミスが続き、ブレークできず、声を荒げる場面もありました。そして、そのまま6ポイントを連続で落として、4-6で奪われました。
最終の第3セットは、自身のサービスゲームの第2ゲームで、相手の鋭いリターンに押され、ブレークポイントを握られました。ここでシーズンオフに強化してきたフットワークをもとに粘り強いプレーを見せてピンチをしのぎ、直後の相手のサービスゲームをブレークしました。そして最後は得意のサーブでサービスエースを奪い、6-4で取りました。
大坂選手はセットカウント2対1で勝ち、この大会のシングルスで男女を通じて日本選手初の決勝進出を果たしました。また、大坂選手は四大大会で去年の全米オープンに続き2大会連続2回目の決勝進出です。
大坂選手は大会後の世界ランキングで、現在の制度になって以降、男女を通じて日本シングルス初となる2位以内が確定しました。決勝では世界6位、チェコのペトラ・クビトバ選手と対戦し、勝って優勝すれば世界ランキング1位となります。
大坂なおみ選手は21歳。ハイチ出身の父と日本人の母を持ち、大阪市で生まれ、3歳からアメリカに移り住みました。
2013年にプロに転向し、身長1メートル80センチの体格を生かした時速200キロ近い高速サーブや、力強いストロークなどパワーテニスが持ち味です。女子ツアーに本格的に出場し始めた2016年、東京でのツアー大会で準優勝し、その年、女子ツアーで最優秀新人賞にあたる賞に、日本女子で初めて選ばれるなど活躍が期待されてきました。
去年は飛躍の1年となり、3月には四大大会に次ぐ格付けの女子ツアーの大会で日本選手として初の優勝をつかみました。
さらに四大大会では、全豪オープンで四大大会初のベスト16に入り、全米オープンでは日本選手として初めてシングルスでの優勝を果たしました。
大坂「リベンジしたかった 決勝はワクワク」
全豪オープンで初の決勝に進んだ大坂なおみ選手は、「きょうは難しく、長い試合になると思っていた。どきどきしていたが、勝てて本当によかった。東京のツアー大会では負けていた相手だったのでリベンジがしたかった。決勝はワクワクしている。とにかくゆっくり休んでベストのプレーをしたい」と話しました。
日本人選手の四大大会の上位成績
テニスの四大大会は、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、それに全米オープンの4つを指します。
四大大会の女子シングルスで日本選手は沢松和子さんが1973年の全豪オープンで、伊達公子さんが1994年の全豪オープン、1995年の全仏オープン、それに1996年のウィンブルドン選手権でベスト4に勝ち上がったのが最高の成績でしたが、去年の全米オープンで大坂なおみ選手が日本選手のシングルスで初めての優勝を果たしました。
男子シングルスでは錦織圭選手が2014年の全米オープンで日本選手として初めて決勝に進出し、準優勝の成績を残しました。