生態系への
影響が
懸念されている
小さなプラスチックのごみ、「マイクロプラスチック」について、
深刻な
研究結果が
示されました。
日本近海などの
太平洋で、2060
年ごろまでに、
最悪の
場合、
その量が
およそ4倍になると
予測され、
専門家は
早急な
対策が
必要だと
指摘しています。「マイクロ
プラスチック」はプラスチックごみが
紫外線や
波の
力などの
影響で
大きさが
5ミリ以下に
細かく
砕かれたもので、
有害物質を
付着しやすい
上、
魚などが
飲み込みやすいため、
生態系への
影響が
懸念されています。
これについて、九州大学や東京海洋大学などの研究グループは、3年前の平成28年に調査船で観測したデータなどをもとに、将来の太平洋での浮遊量をシミュレーションしました。
その結果、プラスチックごみの海への流出がこのまま増え続けると、夏場を中心に、日本近海や北太平洋中央部などでの浮遊量が最悪の場合、いずれも平成28年と比べて、10年後の2030年ごろまでにはおよそ2倍に、40年後の2060年ごろまでには、およそ4倍に達することがわかりました。
特に、2060年ごろまでの予測では魚が餌を食べなくなったり成長が遅れたりするなど生態系に異常を及ぼす目安とされる「1立方メートル当たり1000ミリグラム以上」に達する海域が、日本周辺などに数多く現れると予測されています。
調査を行った九州大学応用力学研究所の磯辺篤彦教授は、「最悪のシナリオにならないよう使い捨てプラスチックの削減や海への流出を防ぐ対策を先進国・途上国の双方が早急に進める必要がある」と話しています。