アメリカの
司法当局はカナダで
逮捕された
中国の
通信機器大手、ファーウェイの
孟晩舟副会長らを
詐欺などの
罪で
起訴したと
発表しました。
近くカナダ
政府に
身柄の
引き渡しを
要請する
方針で、
一連の
捜査に
強く
反発している
中国との
対立がさらに
深まり
そうです。
アメリカ司法省は28
日、
記者会見を
行い、
先月、アメリカの
要請でカナダ
当局に
逮捕されたファーウェイの
孟副会長と
法人としてのファーウェイ、
それに
関連会社2社を、
詐欺などの
罪で
起訴したと
発表しました。
それによりますと、孟被告らはファーウェイの関連会社が制裁下にあるイランの会社に機器を販売した際、アメリカの金融機関に虚偽の説明を行い、違法な取り引きに関与させた詐欺などの罪に問われています。
孟被告は逮捕後、パスポートの提出などを条件に保釈されて現在はカナダに滞在し、アメリカの司法当局は近くカナダに身柄の引き渡しを正式に要請する方針です。
また司法当局は併せて、アメリカの携帯電話大手、Tモバイルからスマートフォンのテストに使うロボットの技術を盗んだ罪などでファーウェイの関連会社2社を起訴しました。
中国はファーウェイをめぐる一連の捜査に強く反発していて、孟被告や法人としてのファーウェイが起訴されたことで今後アメリカと中国の対立がさらに深まりそうです。
去年12月逮捕 →保釈 →バンクーバーの自宅で過ごす
ファーウェイの孟晩舟副会長は去年12月1日、カナダ西海岸のバンクーバー国際空港で、アメリカ政府の要請を受けたカナダ当局に逮捕されました。
孟副会長は香港からメキシコに向かう途中で、中国と香港のパスポートを7つ保有していました。12月11日、バンクーバーの裁判所は犯罪歴がないことなどを考慮し、孟副会長の保釈を認めます。
▽日本円でおよそ8億5000万円の保釈金の納付、▽パスポートの提出、
▽位置確認ができる機器の装着などが条件でした。
孟副会長は、バンクーバーにある自宅で過ごしており、6日に裁判所に出廷することになっています。
カナダと中国 急速に冷え込む
一方、孟副会長の逮捕のあと、カナダと中国の外交関係は急速に冷え込みました。12月13日、中国外務省は休職中の外交官マイケル・コブリグ氏と、北朝鮮とのビジネスなどを行っているマイケル・スパバ氏の2人のカナダ人について、「国家の安全に危害を加えた疑いがある」として、情報機関が身柄を拘束し捜査を行っていると発表しました。
さらに年が明けた今月14日、中国の裁判所は麻薬を密輸したとして1審で懲役15年を言い渡されたカナダ人のロバート・シェレンバーグ被告に対するやり直しの裁判で、死刑を言い渡しました。いずれもアメリカの要請で孟副会長の逮捕に踏み切ったカナダに対する報復措置だという見方が広がっています。