新たに就任したNASAのネルソン長官は2日、地球から最も近い惑星、金星の探査を目的とした2つの計画を実施することを明らかにしました。
このうち、「DAVINCI+(ダビンチプラス)」と名付けられた計画では、金星に近づいた探査機が大気中に別の小型の探査機を落下させ、大気がどのように形成されたかや、過去に「海」があったかどうかなどを調べます。
また「VERITAS(ベリタス)」という計画では、金星の軌道を周回する探査機を使って金星の表面を詳細に調べ、地形や地質の成り立ちなどを探るとしています。
いずれの探査機も2028年から2030年にかけての打ち上げを目指しています。
NASAによる金星探査は、1989年に打ち上げられ、よくとし、金星の軌道に到着した探査機「マゼラン」以来となります。
ネルソン長官は「こうした探査計画は科学者に金星の成り立ちを研究する機会をもたらすだろう」と述べました。
金星は地表が高温、高気圧の過酷な環境で、上空も猛烈な風が吹き荒れる激しい気象となっています。
地球と大きさや生まれた時期がほぼ同じにもかかわらず、なぜ、これほどにも異なる環境になったのか、今後の探査による謎の解明が期待されています。